メダカの学習 単元の最初の1指示で子どもが動く
戸井 和彦
メダカの学習で、よく出される発問がある。
「メダカのオスとメスのちがいはどこですか。 |
である。
しかし、
「メダカのオスとメスのちがいはどこですか。」などとわざわざたずねる必要はない。
自分たちで飼うようになるとどうしても見分けなければならなくなるのだから。
そういったことを考えざるを得ないように追い込んでいけばいいのである。
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メダカを班で飼うことになった。ほとんどの子は育てた経験がない。
メダカを飼っていちばんしたいことは何かをたずねた。
ほとんどの子は次のように答えた。
・メダカの赤ちゃんを生ませたい。
・メダカを増やしたい。
・メダカのたまごを見たい。
全て生殖に関することである。
そこで、次のような指示を出した。
指示 メダカを各班に2匹ずつ渡します。 これを大切に育てて、メダカを増やして下さい。ところで、 メダカを飼うために気をつけなければならないことはどんなことですか。 |
水をきちんとかえる。
・えさをちゃんとやる。
・砂や小石、水草などを入れる。
こういったことが出された。「オスとメスを1匹ずついれる。」いうことは出されなかった。
このような時、どうすればいいのか。
今までの私なら、このことを子どもたちに教えていた。
しかし、今回はあえて言わなかった。飼育する中で子どもたちが気づけばいいと考えたからである。
時間はかかるが、回り道をすることにした。
教えることをなるべく少なくし、子どもたちが実際に体験する中から気づかせたい
からである。
準備をする時に、このことに気づいた子がいた。次のようにたずねて来たからである。
「先生、オスとメスを1ひきずつ入れないといけないのでしょう?」わたしはとぼけることにした。
「さあ、知らないよ」と答えた。
オスとメスを1匹ずつ入れるといっても、その区別の仕方が分からない。
それでも、8班のうち、6班までがオスとメスを1匹ずつ入れることにしたようだった。
ここで、子どもたちには次の学習をする必然性が出てくる。
これは,オスとメスを入れる班も、メスのみを入れる班も同じである。
では、オスとメスを区別するにはどうしたらいいのだろうか。 |
子どもたちはさっそく、教科書や図鑑などで調べ始めた。
もし間違えていたら大変なことになるので、どの子も必死である。
見分け方が分かったら、実際にやってみる。不安な子は念のため、いろいろな子に聞いていた。
エア−ポンプを家から持ってきた班もあった。
入れ物に入れてさっそく飼い始めることになった。
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このように、子どもの自主性を育てるような指示をどんどん開発していきたい。