温度計の使い方を教える(3年生)

TOSS 愛媛   戸井 和彦

 3年生で初めて温度計を使う。
 最初の時の指導の仕方が大切である。その授業を次のように行った。

黒板に次のように書き、全員の棒状温度計を1本ずつ配った。 

おんどけいのしんたいけんさ

 子どもたちは初めて手にする温度計である。うれしそうに、大切そうに温度計を触っていた。
 もうすでに、いろいろなところの温度を測っている子もいた。子どもたちは、温度計を使いたくてたまらないのである。
 次の発問をした。

発問1 温度計を見たり、触ったりして気がついたことを言ってごらん。

・赤い線が上がったり、下がったりしている。
・目盛りがいっぱいついている。
・握ったら、温度がどんどん上がる。
・逆さにしたら、30度を過ぎた。
 こういったことが次々と出されていった。

 一人、「あたたかいと温度が高くなる。」と言った子がいた。実際に観察したことではなく、頭の中で思ったことである。実物を手にしている以上、それを見たり、触ったりして感じたことをそのまま言わせるべきである。

使っているうちに、予想通り(?)壊した子がいた。怪我はなかったが・・
クラスのこの視線がその子に集まっている。
温度計はよく割れることがある。これを機会に、使い方について踏み込んで指導をした。

発問2 温度計が壊れることはよくあります。誰が割るかもしれません。なるべく割らないように、正しい使い方をすることが大切です      ね。どんなことに気をつけて温度計を使ったらいいでしょうか。

 温度計を見ながら、ノートに書かせた。
・ぶつけないようにする。
・ふりまわさない。
・落ちない所におく。
・強く握ったり、押し付けたりしない。
 このような意見が出された。中には、「人の頭をたたかない。」などと言った子もいた。
 「大事なことだね。全部気を気をつけないといけないことだね。」
 こう言って、教科書にある温度計の使い方の注意のところを読ませた。

では、先生がみんなの言ったことに気をつけて空気の温度を測ってみます。

こういって、右の図のようにして空気の温度を測った。
(図略・・・赤い液球の所を持ち、下から見上げるようにして目盛りを読む)

「今の空気の温度は80度です。」と言った。
子どもたちからすぐに抗議の声があがった。
「そんなのおかしいよ。まっすぐして読まないとだめ。」
「赤いところを持ったらだめ。」
 黒板に気をつけることとして、次のように書いた。
・赤いたまのところはもたない。
・温度のよみかたに気をつける(まっすぐによむ)
 

さらに、温度の単位について教え、「℃」の書き方を指書き、なぞり書き(教科書の)、写し書きをさせた。

指示1 おまたせ。外に出ていろいろなところの温度を測ってきなさい。

 子どもたちは土、草、水たまりなど思い思いの場所の温度を測っていた。先生の顔の温度を測っている子もいた。
 教室に帰ってきたこどもたちに、感想を書かせた。

指示2 温度計を使ってみて、気が付いたことや思ったことをノートに書きなさい。

・楽しかったです。また、温度計でいろいろな温度を測ってみたいなあ。
・水たまりの水はけっこう冷たいと思っていたのに、温度がたかかったのでびっくりしました。
・いろいろな温度がありました。いちばん冷たかったのは、ウォータークーラーの水でした。