医療費で文明が滅びる前に食生活の改善を


1 医療一辺倒より食生活の改善を

松本英聖氏は言う。

癌死、世界一! そして心臓病死。病因は食毒と薬毒にある。
現代日本の医学・栄養学の誤れる理論によって、日本は保健の面から滅びの段階に突入した。

 これを知り、私はかなりのショックを受けた。
 そして、これを防ぐには食生活を改善し、健康づくりを励行するしかないと、松本氏は述べている。
 この主張の土台となったのが、1977年にアメリカで発表された『マクガバン・レポート』(アメリカ人の食事目標)である。
 これをもとに、欧米諸国では時刻の事情に応じた「食事目標」が設定された。日本でも同じように「食事目標」が厚生省から
 発表されたが、アメリカの食事目標から8年も後のことであった。
 その8年間のうちに日本は、冒頭で挙げたような事態になったのである。
 最近、医療費が急激に伸びている。健保財政は破綻しかかっている。
 病気になればまず、薬。それがだめなら病院に行け、となっているからである。
 しかし、生活習慣病(慢性病)については、薬やメスで治すことは困難である。
 癌についても同様である。食事との関係についての最新y情報はほとんど知らされず、早期発見・早期治療のみが強調されている。
 医療一辺倒である。
 松本氏はこうした現状を厳しく指摘されている。


2 アメリカと日本の取り組み

 最近、アメリカで日本食ブームが広がっている。
 その一つの理由として、国際化が進んできたことが挙げられる。もちろん、そうである。
 しかし、それだけではない。
 松本氏は言う。
「アメリカでこのレポート(マクガバン・レポート)によって、真実を知らされた人々が真剣に食事改善に取り組んでいるんだ」と。
 日本の昔からの粗食を取り入れることにより、食事内容を変えようとしつつあるのである。
 日本の社会が空前のグルメブームとなっているのと対照的である。
 ちなみに、アメリカでは成人病は「死病」と呼ばれている。

子どもたちに、肥満の子が目立ってきた。生活習慣病も急増しつつある。ちょっとしたことで、疲れたりする子も実に多くなっている。
 その大きな要因は食生活の乱れにある。
 こういったことは、今までに何度か言われてきたことがある。しかし、あまり真剣に考えられてこなかった。
 子どもたちの食生活の改善は緊急の課題である。
 それには、教育の力が不可欠である。