主食中心の食生活に戻れ

1 主食中心の食生活で心臓病が激減

 「主食(穀物)が体を太らせるというのはうそだ。」
 こういった主張を聞いて、みなさんはどう思われますか。
 「そんなはずはない。主食を減らし、おかずをたっぷり取ることがいいのだ。」と言われる方がほとんどだと思う。
 ここでいう主食とは、パンやご飯のことである。おかずとは、肉や魚などをふんだんに使ったもののことである。

 アメリカの食事目標の第2目標は、呼びかけている。
 「主食中心の昔の生活に戻りなさい。」ただし、ここでいう主食とは未精白穀物のことである。
 これは、アメリカの上院が2年の歳月をかけ、莫大な費用を使って調査した結果に基づいた勧告である。
 さらに言う。
 「文明人が炭水化物(未精白穀物)の多い食事をすることは歴史的に根拠のあることである。経済的にも健全であって、各種の慢性病、ことに、心臓病、高血圧などを減らすことは明白である。」
 1992年の発表では、この目標を守ることにより、アメリカの心臓病死は15%近くも減少したという。
 では、歴史的な根拠とは何だろうか。
 

2 玄米が体によい理由

 「玄米(黒米)は生命を養う天与の糧、白米は(白パン)は死病を招く悪魔の餌だ。」
 死に至る病の公聴会で世界の権威者たちはこう断言している。
 スタムラー博士は、「血液中のコレステロール値は、玄米(黒パン)を中心とした穀菜食に変えるだけで簡単に下がる。」という実験結果を示した。
 「玄米(黒パン)で、糖尿病は簡単に治せる。」と断言した学者がいる。糖尿病の世界的な権威であるトロウェル博士である。
 にもかかわらず、日本には「玄米はよいが、消化に悪いのでマイナスだ。」という人が多い。
 しかし、こういった常識は世界では通用しなくなっている。
 「フスマ(穀物の殻)をもっと食べるべきだ。」というのが世界の常識である。
 栄養特別委員会でフスマの効用を説明したのは、バーキッド博士である。彼は、日本学術会議に招聘されたときに、「日本人は食物繊維をもっと取るべきだ。それはフスマから取れる」と勧告している。
 食物繊維は野菜などにも多くある。食物繊維は不消化であるがゆえに、便通を整え、大腸がんを防ぐのである。
 しかし、病を防いだり、糖尿病を治したりする繊維は穀物のフスマである。
「白米にはリゾレシチレンという発ガン物質が含まれている。」という研究成果を発表したのは、高谷治博士(国立ガンセンター)である。 白米はビタミンやミネラル類が不足した欠陥食品である。その栄養不足を補うために過食になりがちである。
 その結果、リゾレシチレンや2級のアミノ酸などの発ガン物質が発生しやすい。日本人に胃がんが多かったのは、そのためである。
 最近、玄米の胚芽中に抗がん物質が含まれていること、玄米のフェイン酸が発ガン性化学物質を体外に出すことが発見された。
 玄米は抗ガン食であり、白米は発ガン食である。