肉食で腸が腐る

1 自分のウンコを食べる

 「あなた方も自分のウンコを食べてみるとよい。私はときどきなめてみるが、オツなものだよ。」
 大学教授でこう話した教授がいる。桜美林大学の名誉教授だった川島四郎博士である。
 普通の人は、「この先生、おかしいんじゃないの。」と思うはずである。事実、話を聞いていた女子大生もおお騒ぎをしたそうである。
 だだし、この博士の「ウンコをなめる」には、条件が1つついている。
 「あなた方が、菜食で肉を一切食べていなければの話だが・・・」という条件である。
 では、なぜなことが言い切れるのだろうか。
 また、なぜ肉を食べるとだめなのだろうか。

2 腸が腐敗する仕組み

 その前に、人の腸の細菌について知っておいていただきたい。
 人の腸は生まれたときは無菌である。しかし、3、4日するとビフィズス菌が住み始める。
 その後は、食事の違いによって住みつく菌の縄張りが変化していく。
 普通、善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)が主導権を握っている。その間は問題はない。
 しかし、肉食が増えてくると悪玉菌(ウェルシュ菌など)が増えてくる。すると、善玉菌の下ではおとなしくしていた日和見菌(大腸菌など)が悪玉族に変化して悪事を働き始める。腸内腐敗に加担するようになる。

 「老化や万病の原因は、腸内の腐敗毒素による中毒である。」
 こう言ったのは、ロシアのメチニコフ博士(ノーベル医学賞受賞者)である。
 「たんぱく質(肉、魚、卵など)をたくさん取ると、腸内が腐る」と主張したのは東大の名誉教授、光岡知足博士である。

 我々が食べたたんぱく質は腸でアミノ酸に分解される。このアミノ酸をさらに分解するのが悪玉菌である。すると、アミン、フェノール、硫化水素、インドール、アンモニアなどの悪臭を持った分解産物ができる。これが腸が腐ったということである
 さらに、美食飽食を続けていると、腐敗毒素がタール状になって腸の壁にへばりつく。ひだとひだの間につくから、なかなか取れない。
これが少しずつ溶けて血液中に入っていく。ある程度までなら肝臓で解毒され、胆汁とともに十二指腸に返される仕組みになっている。
 しかし、腸の腐敗亜画進むとこの解毒物質が再び、腸内菌によって分解され、毒素に戻り,腸壁につく。毒素の上乗せが行われるわけである。
 腐敗毒素は「腸→肝臓→腸」と循環し,腐った宿便が蓄積される。それが血液中(体内)に移行し,全身を回り始める。すると、さまざまな慢性病が発生し、老化も早まる。
 場合によってはガンになることもある。宿便のたまる場所によって、ガンになる部位が違うが・・・

現代人は過大な肉食によって血液が汚れ,体質が弱まって慢性病に悩まされているのである。