なんだか 日記

2000年11月


どーでもいーよーなことですが ・ ・ ・


インデックス
11月 4日 歪みか倍音か
11月 5日 映画「はつ恋」
11月12日 SL疾走
11月19日 シアター訪問記

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11月19日

シアター訪問記
今日は先月わがやに来られた県東部の方のシアターにお邪魔して、映像 や音を楽しませてもらった。部屋は専用のAVルーム。10畳相当くらいの 洋室で天上高は通常より30cm以上高めのようだ。リスニング・ポジショ ンのすぐ後ろの天井にソニーの三管プロジェクターVPH-500XJが天吊り されている。
先月の日記でも書いたが、40cm ウーハーと大型ホーンで構成されているJBLの大型スピーカーS-3100を アキュフェーズのセパレートアンプC-260とP-360のペアで鳴らしておら れる。CDプレーヤーは超高域を付加するレガートリンクコンバージョン 回路とターンテーブル方式の重量級プレーヤー パイオニアのPD-T09S。 S-3100では出せない超低域の再生にはヤマハのサブ・ウーハーYST-SW 1000を左右に1本ずつ追加。さらにハイエンドの補強にフォステクスの スーパーツイーターシステムGS90。このGS90は先月の日記にあるように 音質向上のためアッテネーターとコンデンサーを高品位のものに交換済 み。S-3100本体にも若干手を加えているとのこと。
それにしても1個\37,000のGS90にCMコンデンサーが元々付いていたとい うのには驚ろくばかり。GS90を追加することで生じる「変化」は確かに CMコンデンサーを付けているのほうが分かりやすいのだろうが、これで はメタリックで低分解能のうるさい高域がプラスされるだけで、決して 音質向上にはつながらないはず。これではせっかくのT90A同等品と思わ れるツイーター本体の音質が台無しだ。せめてUΣコンデンサーあたりを 付けるべきではないだろうか。また、自作の知識がないと自分でパーツ の交換を施すこともままならない。
S-3100とYST-SW1000は床の上にコンクリート板を敷き、さらにTAOCのTITE 46PINを使ってピンポイント支持。S-3100はJBLらしい明瞭さと力強さが良 くマッチし、高能率スピーカーであることのメリットを十分に発揮してと ても音を楽しく聴かせてくれている。能率98dB近いS-3100に出力200W+200W のP-360のメーターが振り切れるくらいのパワーを入れての大音量再生で お聴きなので、それゆえにキャビネット自体の箱鳴りやホーンの鳴きも多 くはなるが、もともと大音量再生を目的として設計されているのだろう、 箱鳴りこみで非常にうまく設計されたスピーカーだと思う。キャビネット の水平断面は変形五角形で、さらに変形の大型ホーンが組み込まれている のでキャビネット内部の定常波の影響も出にくいようだ。またYST-SW1000 もコンクリート板と鋳鉄インシュレーターTITE46PINの効果が出ているため か、これまで聴いたものよりずっとハードな音が出ている。
ビジュアル鑑賞にお使いのプロジェクターはインターレース専用モデルの VPH-500XJでパール素材の100インチスクリーンに投影。シアターは雨戸を 閉めると完全に暗黒になる。パイオニアのDVDプレーヤーDV-S5から直接S 接続。プロジェクターは数ヶ月前にCRTを3本とも新品交換されたとのことで、 コントラストが高く色乗りもよく、レジストレーションの調整も確かで フォーカス感も非常に良いようだ。特にビデオ撮りのDVDソフトでは変換 なしのメリットが出て、ソフト次第では並のプログレ機種で投射する映画 ソフト以上の透明感や切れ込みが出ているのではないかとも思える。
映画の音声は10万円を切る価格の単体ドルビーデジタルデコーダーのソニー SDP-EP9ESでのアナログ変換でdts音声のデコード機能は付いていないのだ が、厚みや切れ込み、艶っぽさ、スピード感、力強さなどコントラストの 高い映像を含めてシステム全体のバランスがとても良く、これなら特に dts音声を導入する必要もないのではないかとも思えるほど。
お話をお聞きするとオーディオ歴はかなり長いとのことで、かつての生録 全盛期に録音したテープや手持ちのアナログレコードの数も多く、デンオ ンのフォノモーターとヤマハGT-2000のストレートアームを自作積層キャ ビに組込み丹念に塗装したアナログプレーヤーもお持ちで、音と映像を含 めたシステム全体でのコンセプトがはっきりとしたバランス感覚とツボを 押さえた細部のチューンナップの成果は、こういったキャリアの積み重ね によって培われてくるものなのだと再認識した次第。
すごく高価な機器を持ってはいるがキャリア的にはすごく初心者であると いう人の中には、音も映像も実際の使用上のクオリティは機器の値段にの み依存していると確信する傾向の強い人が多いようで、最近はオーディオ に限らず何事においても一足飛びに高級志向というのが当たり前の風潮に なりつつある中、そういった認識がさらにその度を増していくことが 心配。 使い手の理解の深さが伴わないとせっかくの高級機器もシステム全体の中 でまともなパフォーマンスを発揮することはできないというのはオーディ オにおいては地球が自転していることと同様に明らかなこと。もし、この ことを否定してしまうのなら中世の宗教社会に逆戻りしてしまうようなも のだ。
最後に、知人の方がカラオケに使うために最近製作されたという長岡鉄男 氏設計のF-56「ゴードン」を聴かせて頂いた。F-56は1発のみで使用すると ハイ上がりでメタリックなテクニクスの16cmフルレンジEAS-16F20をフロ ントバッフルと天板に1個ずつマウントしたトールボーイのバスレフ型ス ピーカー。ハイエンドの補強にはフォステクスのドームツイーター FT27D が付いている。天板に取付けられたユニットの効果か非常に伸びやかで艶 と厚みのある中音域と、バスレフの良く効いた低音域。音量を上げるとダ クトからキャビ内部の共鳴音も漏れてくるが、むやみに吸音材を増やすと せっかくの中音域が損なわれてしまいそう。低域も今後の鳴らしこみで徐々 に良くなっていくだろうが、現状でも1本45万円のハイCP機 S-3100と比べ ても、片chあたりの製作費がたかだか2万円程度だとはにわかには信じ難い ような音は十分に出ていると思う。 自宅でフルレンジスピーカーの音を聴き慣れているわたしにとっては、ク オリティーは及ばないにしてもむしろS-3100より親しみやすいという印象 もあり、このスピーカーを今後カラオケ用に使用するというのは、ちょっ ともったいないような気もするが。。。
そんなわけであれこれと音を聴き、映像を観て、お話しているうちにアッ という間に時間も過ぎおいとまする時刻に。とても楽しい時間を持つこと ができ、大変有意義な1日となった。


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11月12日

SL疾走
わがやの300mほど北を北東から南西にJRの線路が通っている。4両編成の 特急列車も走るが1両のみの各駅停車も走るといういかにも地方の在来線。
そのJR線に何日か前からSLが走るようになった。といっても今月の下旬に イベント関連で6日間だけ運行する特別ダイヤの試運転らしい。午前中に下 り便としてわがやの近くを通過し、夜になって上り便として引き返してく る。実際にSLが市街地の中を駆け抜けるのを見ることなど今となってはそ うそうあるものではないので、今日の午前中に近くの踏切までSLの姿を見 に出かけた。
踏切に着いてみるとすでに近所の人も10人近くSLを見に集まっている。や はり、みなさんSLが珍しいのだろう。ほどなくSLの汽笛が線路の方向はる か遠くから聞えてきたが、ここは平野の端の山まで1キロほどと近く、汽笛 はその山に反射して空高くまで長々と尾を引き響いている。この汽笛、か なり遠くで鳴っているのだが、立ち上がりが良くエネルギー感もあり日常 生活ではなかなかこういった広い空間で鳴り響く力強い音を聴くことはない と思う。かつての生録全盛時代、録音の対象にSLが好んで選ばれていた理 由が良くわかる。
次第に汽笛の音が大きくなり走行音とともにSLの姿も見えるようになっ てくると、踏切に立っているだけで気分が高揚してくる。そしてあっと いうまに目の前数メートルを轟音と立てて驀進していく。さすがにこの距離 で見る車輪の回転と走行音は大迫力で、いつものディーゼルの特急列車の 通過とはまったく異次元の体験。通過後もしばし大迫力の余韻が残っていると いった感じだ。通過時にプレートで確認するとSLの型式はC-56。二両の青く塗 装された客車と最後尾に白と赤のツートンカラーのディーゼル機関車を連結 していた。
SLの汽笛や通過音を収録したCDソフト(正確にはCD-R)に「日本爆音探訪」 があるが、生録マニアがポータブルDATとワンポイントマイクのみで録音 したテープからCD-Rにコピーしたもので、高レベルの信号時にもまったく 歪み感を感じさせない透明で広い音場と情報量の多さで、かつて「FMfan」 誌の「ダイナミックソフト」でも紹介されたものだ。 自宅に戻り早速このソフトを引っ張り出してさっき聞いたばかりのSLのを 思い出しながら聴いてみると、あらためて録音の良さが認識できる結果と なった。
わがやのオーディオ装置はそれほど高額なものではないが、「日本爆音探 訪」のような録音現場の状態に対して高忠実な録音をできるだけそのまま 聴きたいという方向で調整してきたつもりだったので、こういったソフト が自然音に近い印象で鳴ることはうれしいこと。しかし、わがやのシステ ムは世の中の大半の音楽ソフトに対しては決して相性が良いとは言えない。


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11月5日

映画「はつ恋」
「はつ恋」は「がんばっていきまっしょい」で映画デビューした田中麗奈 の主演第二作目の作品。原田美枝子、真田広之、平田満などのベテラン 実力派俳優との競演でストーリーは親子や夫婦のつながりをテーマにした もの。先月からビデオレンタルが始まっていたのだが、会員登録している レンタル店には1本しか入荷しておらず、ようやく今日になって観ることが できた。
内容的には難解な部分はまったくなく、とても親しみやすい日本映画といっ た感じ。作品の中で二十数年前の古いオルゴールの奏でる曲が重要なアイ テムとして使用されていたが、これは古くからある既成の曲ではなく、こ の映画のタイトル曲として新しく作られたもなので、作品中の設定とくい ちがっているし、作品中何度も流れるのにあまり良い曲だとも思えないと ころが気になってしまった。これならクラシックのロマン派あたりの作曲 家の曲から探してきたほうがよかったのではないだろうか。そんなわけで 音楽担当は誰なのだろうかとエンドロールを眺めていると久石譲の名前を 発見。宮崎アニメや北野作品での音楽との質の高さの違いにも少々驚いた。
といっても音楽中心の映画というわけではないので、作品の雰囲気にはまっ てしまえば気にもならないだろうし、写真にすればとても綺麗だろうと思え るようなシーンも多々あったりするので、ビデオではなく画質の良いDVDで 鑑賞すればまた印象も変わってくるような気もする。


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11月4日

歪み倍音
人間の耳は音量が小さくなると低音域と高音域が聴き取りにくくなる。 この耳の特性からすると、オーディオで音を聴く場合に実際の収録現場で の音量より小さな音で再生すると、耳は低域と高域が減衰した音として認識 する。この耳の特性を補正するのがプリメインアンプなどに付いているラウ ドネス機能で、スイッチをオンにすると低音域と高音域が強調される。
ところで、スピーカーには小音量再生時に生の楽器の音のように瑞々しく艶 やかな音を出すものと、できるだけ実物の音量に近付けないと音の艶が出て こないスピーカーがある。
生の音の場合だったら、楽器や声に倍音成分が豊富に含まれていると音が艶 やかに感じられる。例えば1kHzの基音を出した時に基音の倍数の周波数に倍 音成分が現れ、音色が豊かであると感じる。一方オーディオの場合では、純 粋な1kHzの信号を再生したときにその倍数の周波数に現れる信号はもとの信 号を変形させてしまっている要素であり、歪み成分として扱われる。
これらのことからすると、小音量再生に瑞々しく聞こえているスピーカーの 場合は、歪みがなければ聴感上は不足してしまう倍音成分の帯域に歪み成分 を付加することで変形してしまった音になっているのではないか、という仮 説も成り立ちはしないだろうか。ネットワーク素子による歪み、箱の共振に よる歪み、振動板そのものによる歪みの付加などいろいろありそうだ。また、 その逆に大音量再生時にメリットを発揮するスピーカーは小音量再生時には 味気ない音になりやすい。
結局のところ、各人の常用音量で生っぽく聞えてくるスピーカーのことを、 「より正確な音色」であるスピーカーだと各々が主観的に思っているだけ、 というのが実状ではないだろうか。


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