自作スピーカー・ギャラリー


PST回路 使用機種編


マグネットが強力で軽い振動板を持ったハイスピード・フルレンジ・ユニット
は、そのままではバックロード・ホーンや共鳴管スピーカーなどの巨大なキャ
ビネットを使用しないと低音を持ち上げることができず、低音不足のスピー
カーになってしまう。
ただ、この強力タイプのユニットは決して低音が出ていないのではなく、低
音に比べ中高音の能率が高すぎるだけ。
そこで、出過ぎる中高音を低音とバランスが取れるくらいにまで小さくしてや
ろうというのが「 PST回路 」の狙いである。それだったらはじめから
バランスの取れたユニットをそのまま使えばいいだけのことかもしれないが、
あえて強力なユニットで作ってみるのにもそれなりの良さがある( かな?)。



DBR−1601

この機種は、わたしの設計


まずはフォステクス FE168Σ を使用してみた。
このユニットはフォステクスのΣシリーズの中では一番非力で、そのままでも
40〜50リットルくらいのバスレフ・キャビネットで使用できるのだが、さらに
PST回路 を使用して小型化を狙ってみた。
数mHの空芯コイルと、数Ωの抵抗を並列に接続した回路をユニットと直列
に接続することで中高音の音圧を低下させるのが「PST回路」の基本。
FE168Σ は高域に向かってのインピーダンス上昇が比較的大きいので、
「PST回路」 向きとは言えないかも知れないが、あえて使ってみた。
高域に向かってのインピーダンス上昇が大きいユニットでは、高域に向かう
につれPST回路の効きが悪くなるのだが、PST回路を挿入することで
音の鮮度が失われる分、多少ハイ上がりにしておいたほうが、バランスが
取れる事もあると思うし、このスピーカーは軸上正面で聴くタイプでもない。
実効内容積は15リットルで、ダクトからの中高音の漏れを抑える目的でダ
ブル・バスレフ型とした。
こじんまりとまとまりの良い音とも言えるが、内容積15リットルはこのユニット
にはいささか小さすぎたようで、伸びやかさが予想以上に損なわれてしまった。
20リットルくらいのバスレフ型のほうが良い結果が出たのではないかと思う。
なお表面仕上げには墨汁と液状ワックスを使用している。


    本体の大きさ  幅 230 X 高さ 340 X 奥行き 350 (mm)



DBR−2001

この機種は、わたしの設計


こちらは十分に強力なユニット フォステクス FE208Σ を使用。
写真ではツイーターに テクニクス EAS−5HH10 のブラック・タイプが
付いているが、現在は フォステクス FT96H にグレード・アップしてある。
この機種もダブル・バスレフ型だが実効内容積は45リットルと余裕を持たせ
て設計した。ユニットがもともと強力なのと、内容積に余裕があるため中高
音を10dB近く低下させてもかなり繊細で微妙な表現が聴き取れる。中音
域もほとんどあれた様子がない。
極小音量で聴くユーザーであったため、組み合わせる機器も比較的ローコス
トでも微少信号を正確に再生するアンプとして サンスイ AU−α607MOS
PREMIUM
を選定。CDプレーヤーには NEC CD−10を組み合わせた。
このスピーカーのPST回路には当初5W型の酸化金属皮膜抵抗を複数並列
接続で使用していたが、30W型のホーロー抵抗が手に入ったため交換。音の
抜けが格段に向上したので、それに合わせてツイーターも EAS−5HH10
より2ランクは上になるFT96Hに交換したという次第。
なお本機の表面仕上げは、オイル・ステインと液状ワックスを使用している。
ただ、ブックシェルフ型のスピーカーを作ってみていつも思うのは、スピーカー
スタンドの必要性。この機種も専用スタンドを製作したが、結局スタンド込み
だとバックロード・ホーンのキャビネットと占有面積も高さも大差なくなってし
まう。
それでもブックシェルフ型って「フツー」に見えるから支持者が多いんだよな。


    本体の大きさ  幅 340 X 高さ 560 X 奥行き 370 (mm)



「カローラ・ワゴン用スピーカー」
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