自作スピーカー・ギャラリー


10cm口径フルレンジ編 その1

10cm口径のスピーカー・ユニットといえば、CDラジカセに付いて
いる程度の大きさのユニット。
CDラジカセでも低音を内蔵アンプで増強して、それなりのパワー感を
出してはいるがオーディオとしての音質はお粗末なもの。
それでは10cmフルレンジ・ユニット1発で出せる究極の音とは一体
どんなものなのか?
ここに紹介するスピーカーはどれも10cmフルレンジ・ユニット1発
のみを使用した、「バックロード・ホーン」というキャビネット構造を
もったスピーカーである。


D−101S 「スーパースワン」

この機種は、オーディオ評論家 長岡 鉄男氏 設計


自作スピーカーの祖、長岡鉄男氏への敬意を表して、まずこのスピーカー
から紹介。
自作スピーカーの特徴を最も如実に表したといっても過言でないスピーカー。
このスピーカーの存在がなければ、わたしの趣味も変わっていただろう。
初代「スワン」(D−101)は1986年春、現在はもう廃刊となってしまった
共同通信社「別冊FMfan49号」に長岡鉄男氏の製作記事が掲載された。
わたしが実際に製作したのはその年の秋、フォステクスの板材カット品を入
手してからのこと。わたしの自作SPとしては3作目。結局このキャビネットは
その後11年間、わたしのリスニング・ルームで活躍し続けた。
初代「スワン」はフォステクスのFE106Σという10cmフルレンジ1発で
製作。ユニットの裏に鉛の円盤を接着し、キャビネットに鬼目ナットとボルト
締めで取り付け使っていた。
D−101S「スーパースワン」はそのFE106Σのフレーム強度を高めた
FE108Σの磁石を大型化した限定品FE108Sというユニットの誕生
とともに誕生した。1992年初夏のこと。
使いこなしは難しく、まさしく天才肌のスピーカー。高価である必要はないが
周辺機器を選びまくる。そのためこれまで製作した70機種中でわたし自らが
知人に「スワン」の使用をすすめたことはない。このスピーカーは「自分で作
ってでも使ってみたい!!」
という意気込みのある人だけが使える物であ
ると思っている。左の写真は、なじみの販売店に頼まれて製作した物。
納品後、早々に売れてしまったらしいが、「ユーザーの方、大丈夫ですか?」。

    このスピーカーの図面と詳しい説明は、現在入手容易な本では音楽之友社 発行
  長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術 『 こんなスピーカー見たことない 』
              ( 定価 \1500 )
 に掲載されています。




BH−1003S

この機種は、わたしの設計


このスピーカーもFE108Sを使用したブックシェルフ型バックロードホーン。
写真は4本足のスタンドに載せた状態。
スーパースワンとは逆に、広いバッフルを持ちボディも寸胴。
10cmフルレンジのもつ俊敏性を活かしつつ、多少落ち着きのある音を狙
った機種である。
ホーン長は2.6m。タンノイ風(?)のデザインにしたかったため、ホーンの
出口は左右に分かれている。
通常のバックロードホーンよりコンパクトにまとまっているためか、鳴らし始め
から音のまとまりも良かった。ソースのあらを暴き出すほどの音でもないが、
音の立ち上がり、微少信号への追従性は十分に満足の行くレベル。
使いこなしにもそれほど神経質にならなくて良い。
オイル・ステインで塗装したが、シナ合板の模様がそのまま出てしまい汚れた
ようになってしまった。オイル・ステインには通常のラワン合板のほうが合うよ
うだ。ただどちらにせよ、わたしは表面仕上げは不得手であったりする。

  本体のみの大きさ  幅 400 X 高さ 630 X 奥行き 350 (mm)

        設計図・板取り図をご覧になりたい方は、こちらから。


「10cmフルレンジ編 その2」
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