自作スピーカー・ギャラリー


10cm口径フルレンジ編 その5

オーディオ・ビジュアルのサウンドシステムに欠かすことが出来ないのがサラウンド・スピーカー。無く
ても音声を聞くに困ることはないのだが、あればあったで音場がぐんと拡がり、映画への感情移入
度が高くなる。
ホームシアターでのサラウンドには、デコーダーを用いる方式として、初めからディスクリート5.1チャ
ンネル記録されている ドルビーデジタルdts があり、ほかに2チャンネル記録されているソフト
を再生時に5.1チャンネルに分離するドルビー・プロロジックがある。どの場合も5.1チャンネル分のア
ンプが必要。
このほかに古典的な方式として、2チャンネルのアンバランス・アンプ( 通常のピュア・オーディオ用
アンプ )1台だけでできるスピーカー・マトリクスもある。
LDの時代には、2チャンネル・リニアPCMという音質重視フォーマットで記録された音声信号の純度
を極力損なわないスピーカー・マトリクス方式が優位に立っていたとも思うが、DVDの時代になって事
態は変わりつつあるようだ。
DVDの場合、1.0チャンネル ( モノラル ) から5.1チャンネルまでサポートできるドルビーデジタルが
基本音声であり、サラウンド効果を重視する作品はほとんど5.1チャンネル記録されている。さらに
音質にこだわった作品は、dts 5.1チャンネル方式を採用。プレーヤー側で5.1チャンネルを2チャン
ネルにダウン・ミックスし出力することも可能だが、もともと情報量の少ない圧縮方式であるドルビー
デジタルやdtsをスピーカー・マトリクスで再生しても、2チャンネル・リニアPCMのような高密度な音場
の展開は望みにくいようだ。
音の純度を極力失わない5.1チャンネル再生を狙うには、高音質なデコーダーと5.1チャンネル分の
高音質なDA変換部と、5.1チャンネル分の高音質アンプを用意する必要があり、ここまでの装置を揃
えるだけでも、同程度の音質を狙うとスピーカー・マトリクス方式の3倍以上の出費が必要。
といっても、5.1チャンネルのピュア(?)・オーディオ・フォーマットの DVD-AUDIO が実際にも発売さ
れ、時代は5.1チャンネルの方向へ向かおうとしているかにも見える。 (1999/10/22)


P−1003S

この機種は、わたしの設計


このギャラリーで紹介しているホームシアター用のメインスピーカーとして製
作した P−1603S と組み合わせるリアスピーカー として設計した共鳴管
スピーカーである。
使用ユニットは 6N-FE108S または ES を想定しているが、とりあえず手元
に残っていた キャンセリング・マグネットで強化した FE106Σ で代用。
外観は約16cm角で長さ150cmの柱の下部にベースが付く形になっており、
12mm厚のサブロク板1枚で、スピーカー1本ができる。
内部構造は P1603S と同様で、振動板面積の約1.2倍の断面積から
開口に向かって約50%段階的に拡がっていく。管の全長は約3mあり、ロー
エンドの空振りも十分に押さえられると思う。
メインスピーカーの P1603S はユニットが床から135cmに付いていおり
リアのユニットもこれよりは低くはしたくはないが、あまり高すぎると共鳴管の
開口に近すぎてユニットからの直接音と開口からの音の相互干渉が強く出
るおそれもあるので、結局メインスピーカーと同じ高さ135cmとした。
このスピーカーは現在マルチチャンネル・サラウンド のリア・スピーカーとし
て使用しているが、この方式ではリアにも多くの低音が振り分けられる場合
が多いので、メインスピーカーに対して、ややエネルギー感不足の感もない
わけではない。
それを解決するにはリアにもメインスピーカーと同じ物を使えばいいのだ
が、置き場所を確保するのは難しいだろう。さらに、一般家庭に置くにはこ
のスピーカーでも大きすぎるという人はかなり多いことと思う。
メインスピーカーと組み合わせてのトータルの印象では、同じ材質の振動
板を使用しておりユニットのスピード感もある程度は揃っているので、各ス
ピーカー間のつながりは良いほうだと思う。


    本体の大きさ  幅 230 X 高さ 1,548 X 奥行き 220 (mm)

          設計図・板取り図をご覧になりたい方は、こちらから。




FB−1004

この機種は、わたしの設計


         


こちらはスピーカー・マトリクス再生のリア・スピーカーとしての使用を前提として製作した機種。 
外観は上に紹介した P−1003S に似ており長さ124cmの15cm角の柱に、22cm角で厚さ6cm
のベースが付いている。しかし、こちらは共鳴管ではなく後面開放箱。ユニットには FE108Σ を使
用している。15mm厚のサブロク板1枚あれば2本のスピーカーができる。              
後面開放箱としてはバッフル面積が狭く、低音での空振りも多くなるのだが、スピーカー・マトリク
スのリア・スピーカーにはもともと低音が回りにくいので、ユニットの背圧軽減とそれによってもた
らされる微少信号の再現性のメリットをとった。                             
また設置場所が壁のすぐ側なので、背後の壁からの反射音と左右側板との間で発生する定常波
の低減のために、右側の画像のようにユニットの背面付近は、フェルトを重ねてカバーしてある。
現在 BH−1606SS と 組み合わせて音楽再生中心に使っているが、微少信号の再生に極め
て強く、音場の広さ・高さ・奥行きが拡大するし、音像の明瞭度が犠牲になることもないようだ。 
ただ、バッフルの狭い後面開放箱であるため、大入力時での低音の空振りによるユニットの破損
がやはり気になるところ。といっても、家鳴り振動するような大音量再生でも大丈夫なようなので、
一般的な音楽ソフトでは特に問題はないようにも思う。                          


本体の大きさ  幅 220 X 高さ 1,300 X 奥行き 220 (mm)

設計図・板取り図をご覧になりたい方は、こちらから。


「10cm口径フルレンジ編 その6」
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