自作スピーカー・ギャラリー


10cm口径フルレンジ編 その8

「10cm口径フルレンジ編 その4」 で 紹介したCW型バックロード・ホーン BH-1008V
FE108Sの使用を前提に一部変更を加えた機種。同じユニットを使用してもCW型バック
ロードとスワン型のバックロードでは音の印象に違いがある。安定感がありモニター調
のCW型に対し、ちょっとした差を誇張して聴かせるようなスワン型といった感じで、どち
らにメリットを感じるかについてはリスナー次第といったところ。その差はルックスの差と
同様に決して小さくはない。この傾向は10cm版に限らず、16cm版、20cm版でも同様に
現れるようだ。
また、CW型はサブ・ウーハーを追加する場合でも帯域のつなぎ目で音質の違和感を感
じることが少ないように思える。もともとユニットからの直接音とホーン開口からの音との
クロスオーバー帯域で中高音が干渉しているため、さらにサブ・ウーハーを加えることに
よる音質の変化の度合いが少ないからではないだろうか。
背面開口のスワン型の場合は、背後の壁から十分に離して設置すればホーン開口から
の中高音の漏れの影響を最小限に抑えることができ、そのため各帯域での明瞭度が高
いのだろうが、それゆえにサブ・ウーハーを組合せる際の違和感も大きくなるようだ。
逆に、背後の壁との間隔があまりとれないと、かえってホーン開口から漏れてくる中高音
が壁に反射して低音が濁るといったことも起きる。常に全帯域を一括して聴取している
オーディオにおいて低音のトランジェントは中高音の質にも深く関係しているということは
意外に忘れられがちのようだ。もっとも、トランジェントが良すぎるといわゆる゛音楽的な
低音ぽさ"がないので、一般的な音楽ファンからは敬遠されることもあるようなので適度に
反射を利用したほうが良い場合もあるようだが低音のトランジェントが低下してしまうこと
で帯域内の不均一感が問題となることもある。その点では背面の壁からの反射の影響を
受けにくい前面開口の機種のほうが有利だともいえるが、どちらにメリットを感じるかは、
やはりリスナーの使い方次第だろう。


BH-1005S

この機種は、わたしの設計

    実際にこの機種を製作された読者の方から画像を頂きました。(2001/3/11)


BH-1008Vとの主な違いは、音道の幅が1cm小さくなった
ことと全体の奥行きが1cm大きくなったことだけで、内部
は細かい寸法の違いはあるが、基本的にはほぼ同一。
15mm厚のサブロク合板3枚で2本のキャビネットができる。
ユニット中心の高さは705mmで椅子に腰掛けて聴くには
いささか高さが足りないかもしれないが床にあぐらをかい
て聴く場合には都合の良い高さだろう。奥行きは440mm
だがこれは多くのオーディオ・ラックの奥行きとほぼ同じ。
バッフル下のスペースにはバッフルからの反射を低減さ
せる目的でウレタン・スポンジを所定のサイズにカットして
はめ込むようにしている。
このキャビネットはFE108Sが出た頃の設計で、以前自分
で製作した際に写真を残しておかなかったのだが、今回
画像を送って頂いたことでこのページで紹介することがで
きた次第。音はBH-1008Vと同様に 繊細さとスピード感が
あり安心して聴いていられるモニター調の安定感がある。
最新の限定ユニットFE108ESIIを取り付けても低音域が
増強され十分に鳴ると思うが、キャビネットに若干の変更
を施したほうが良いのかもしれない。


   本体の大きさ
     幅 240 X 高さ 815 X 奥行き 440 (mm)

     設計図・板取り図をご覧になりたい方は、こちらから。





音道は長岡鉄男氏設計のD-55と同様の折れ曲がり方。
バッフルは2枚重ねで、さらに補強材も取り付けて空気
室は徹底補強。

ホーンの仕切り板の補強はあまりしていないが、音道の
幅が18cmとそれほど広くないので強度は十分に取れて
いると思う。裏板は補強材を間隔を空けて取り付け、側
板は全面2枚重ねで30mm厚になっていて、全体として強
度は特に大きい。

音質はBH-1008Vと同様に、10cmフルレンジのメリットを
発揮して微小信号への対応性や音場感が良く安定感も
あり、キツさも少なく大入力時の振動板の大振幅に注意
すれば幅広いジャンルの音楽再生に対応できる。






自作無帰還FETアンプで鳴らしておられるとのこと。


「10cm口径フルレンジ編 その9」
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