自作スピーカー・ギャラリー


20cm口径フルレンジ編 その1

わたしの自作したスピーカーで、20cm口径のユニットを使用した機種は多くはない。
その最大の理由は、わたしも含めて20cmフルレンジを十分に鳴らせるリスニング・
ルームを持つユーザーが少なかったことが挙げられる。10cm口径のバックロード・
ホーンでも最低6畳、欲を言えば10畳以上の部屋が欲しい。バックロード・ホーンに
使えるような強力な20cmフルレンジともなれば、本領を発揮させるには20畳くら
いのリスニング・ルームが必要なのではないだろうか。さらにある程度の大音量再生
が可能な環境も必要となる。( 実はこの条件が一番難しい。)
20cm口径でもフルレンジ・ユニットではなくウーハー・ユニットを使用したスピーカー
システムなら6畳でも十分なのだろうが、メーカー製の市販品に秀作も多いので自作
スピーカーにこだわる必要はないのではないかと思っている。
そんな中でこれまでに20cm口径フルレンジ・ユニットで設計・製作したバックロード・
ホーン2機種を紹介する。


BH−2002

この機種は、わたしの設計


祭りの実況録音CDに入っている櫓太鼓の音を淀みなく、ハイスピードで再生
することを目指して設計したバックロード・ホーン。写真で使用しているユニッ
トは フォステクス FE204 だが、直径100mm厚さ15mmのマグネットを
2枚重ねでキャンセリング・マグネットとして接着し磁束密度を上げている。
このキャビネットには フォステクス FE208Σ がそのまま使えるのだが、
ユーザーの使用している周辺機器とのバランスを考慮してFE204を選んだ。
ツイーターは テクニクス EAS−5HH10 のシルバータイプをツイーター・
ボックスの内部から取り付けホーン外周の段差をなくし、さらにバッフルには
植毛されたシートを貼って反射を低減させてみた。またツイーター・ボックス内
に2.5Kgの鉛板を、ツイーターのバック・プレートには直径45mm厚さ8mm
の鉛の円盤をそれぞれ接着し、高音の立ち上がりの改善を狙っている。
音質的には設計当初の狙いはほぼ達成され、櫓太鼓はハイスピードで迫力
も十分ある。中音はユニットの特質がでてあっさりしているが分解能もそこそ
こあり、ツイーターとのつながりも結構うまくいったようだ。
やはり小中音量よりは大音量で本領を発揮するスピーカーなので、十分に鳴
らし込むにはそれなりの環境を整える必要があるだろう。
なお、キャビネットはあまり重くならないようにしたかったので、18mm厚の
ラワン合板を使用した。サブロク板2枚でスピーカー1本ができる。
また、バッフル板は2枚重ねの36mm厚にしている。


    本体の大きさ  幅 356 X 高さ 928 X 奥行き 578 (mm)

          設計図・板取り図をご覧になりたい方は、こちらから。


BH−2001

この機種は、わたしの設計


こちらは最初から フォステクス FE204 の使用を前提に設計した
機種。ツイーターは テクニクス EAS−5HH10 のブラック・タイプ
を上記の機種と同様の取り付け方法で使用している。( ただし鉛を
使った重量付加は行っていない。)
ホーン開口にはくさび形のスペーサーを挿入し長岡 鉄男氏設計の
D−50 の幅を狭めたようなルックスにして側板の補強とホーンの
癖の低減を狙っている。
ただし、バッフル下部の階段状の細工は面倒なので省略し D−55
のようにウレタンによる処理を行った。
このスピーカーは20cmバックロード・ホーンをどこまでローコストに
製作することができるかへの挑戦にもなった。( もちろん音質も大事 )
キャビネットは、15mm厚ラワン合板3枚をフルに使い切ってスピーカ
ー2本分ができるように設計した。また意外と高く付く入力端子も使用
せず、圧着端子による”かしめ”処理とした。( それでもバッフル板だけ
は2枚重ねで30mm厚にしている。)
ツイーター・ボックスも製作し UΣコンデンサー も使用したが、なんと
かすべてを含めた材料費を1本2万円に抑えることができた。
20cmバックロード・ホーンとしては多少小型なので、低音の重量感は
そこそこだが、それでもバックロード・ホーンの持ち味である元気よく飛
び出してくる音が聴ける。特にポップス音楽との相性がいいようだ。
写真ではバブル期に発売され、ゴー・キュッ・パッ・スピーカーの牽引モ
デルとなった オンキョー D−77XX( 重量は 34kg!。よくこんな物が
あの値段で作れたものだ。)が並んでいるが、ユーザーが大音量派であ
ったため能率が6dB以上高い( アンプのパワーが4倍以上強力になっ
たのと同等の効果が得られる )バックロード・ホーンに軍配が上がった。
もしまた作るのであれば、せめてスピーカー・ターミナルぐらいは付けた
いと思っている。


   本体の大きさ  幅 310 X 高さ 910 X 奥行き 465 (mm)

        設計図・板取り図をご覧になりたい方は、こちらから。


「20cm口径フルレンジ編 その2」
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