季節の草花
(夏)その2



ヤブラン (藪蘭) 8月撮影

林の下などの半日かげの所に多く生育しています。丈夫で青々とよく茂ります。公園や庭にも植えられているのを見ます。葉の間から伸びた花茎に淡い紫色の花が総状につきます。花の後に丸くて光沢のある黒い果実(種子)がつきます。みかんの木の下にたくさん生えています。   
センニンソウ(仙人草)8月撮影

なぜセンニンソウなのかはっきりしませんが、果実に羽毛のような白い毛がついているので、これを仙人の白毛に見立てたものと言われています。つる性の植物で長く伸びて他の物にからみつきます。葉のわきに3cm位の白いチョウが舞っているような形の花を数個つけます。草全体に有毒成分があり、食べると口内炎、胃腸炎などの症状になります
クサギ(臭木)8月撮影

枝や葉を切ると独特な臭いがするためにクサギの名前がつきました。花の赤く見える部分はがくです。白い花はよい香りがします。球形の果実が熟してくるとあい色になり真っ赤になって開いたがくとのコントラストが美しさをかもしだします。
マメヅタ (豆蔦)8月撮影

厚みのある丸い葉(栄養葉)から大豆の豆粒を連想してマメ、根茎がはって伸びていくことからツタを、併せてマメヅタの名前になりました。
オニヤブマオ (藪苧麻、藪真麻)8月撮影

クサマオ(カラムシ)に似いて、やぶ地に生えていることからオニヤブマオの名前がつきました。よく似ている仲間にヤブマオ、ナガバヤブマオがあります。私たちの地方では「ハズの葉」と呼んでいます。

ニラ (韮)8月撮影

もともとは、野菜として栽培されていたものが繁殖したと思われます。山野に生えいてるものもあるようですが、自生とは言い難いようです。ネギの仲間ですから独特なネギ臭があります。乾燥や高温に強いので育てやすく、家庭菜園に向いています。野草ではないのですが、畑地以外によく見かけます。
イヌゴマ(犬胡麻)8月撮影

果実の形がゴマに似ているのですが、役に立たないことからイヌゴマの名前がつきました。茎が四角形をしています。別名のチョロギダマシは畑に栽培され正月料理に使うチョロギに似ていることによります。  
マツヨイグサ (待宵草)8月撮影

南アメリカ生まれで嘉永4年(1851)に日本に入り、はじめは栽培されていたものが、後に野生化しました。マツヨイグサの仲間はまとめて月見草と呼ばれています。また、花は名前のように宵を待って、夕方から開いて翌朝にはしぼみます。マツヨイグサの花はやや大きく、花期は5月からで、仲間の中ではいちばん早く咲き始めます。 朝露の時撮影。                  
タカサゴユリ (高砂百合)8月撮影


台湾の山地に自生するユリを大正時代に日本に持ち込み、花壇などに植えられたものが種子をまき散らし、野生化しました。日当たりのよい空き地や鉄道の土手などに見られます。テッポウユリに似ていますが、香はほとんどありません。たくさんの種子を実らせ、その種子で増えるので草地に一面に生えていることがあります。発芽して2年目には花がつきます。なお、葉は細長いのが特徴です。私はこのゆりが大好きです。将来道端に群生させたいと思っています。
イノコズチ (猪子槌)8月撮影

ヒナタイノコズチに対して木陰など日の当たらない場所に生えるのでヒカゲイノコズチとも言います。全体にヒナタイノコズチより花穂が細くて長く、実がまばらについています。葉もうすく弱々しい感じがします。
タケニグサ (竹似草)8月撮影

大形の野草で丈は 1〜2mになります。茎は中空で、葉の裏は白い粉をまぶしたように見えます。茎を切ると黄色い汁がでます。草全体に昏睡や体温低下、諸器官まひなどを起こす有毒成分を含んでいます。タケニグサの名前については、竹と煮ると竹がやわらかくなる、茎が中空で竹に似ているなどの説があります。
ママコノシリヌグイ (継子の尻拭)8月撮影

ママコノシリヌグイの名前は、まま母がまま子をいじめるのにとげのあるこの草でお尻をふくという意味です。茎にも葉の柄にも下向きのとげが生えていて、これで他のものにからみついて伸びます。淡紅色の花(実際にはがく)が集まって咲きます。よく似た仲間にミゾソバがありますが、ミゾソバの葉は牛の額の形であることや10個ほどの小花が集まっていることで区別できます。  
アメリカタカサブロウ (アメリカ高三郎)8月撮影

アメリカタカサブロウはタカサブロウに大変よく似ています。1981年に見つけられた種類で、葉の幅が狭く、鋸歯が明瞭なっています。新しく造成された水田や道端に多く見られるようです。タカサブロウとの区別は痩果に翼の部分が無いことですが、枝分かれ部分の下の茎が太くなっているのも特徴なので識別の目安になります。

オオニシキソウ(大錦草)8月撮影

北アメリカ生まれの帰化植物。葉の長さが1.5-3cm 幅6-12mm、コニキソウの倍ぐらいあります。コニキソウが地面をはうようにして、伸びるのに対してオオニシキソウは高さがあって、立って伸びます。枝先や枝の分かれ目に小さな花がつきます。
キンミズヒキ(金水引)8月撮影

細い花穂のイメージがタデ科のミズヒキによく似ています。茎の先に細い花穂をいくつかをつけます。蕚の先にはカギ状のトゲがあります。花の終わったあと蕚は果実を包み込んでカギ状のトゲが動物などについて運ばれるようになります。
イヌホオズキ(犬酸漿)8月撮影

イヌホオズキの名前は役に立たないホオズキという意味です。果実は球形ですが、小さくてとてもホオズキには似ていません。しかも草全体に有毒成分が含まれていて、食べたりするとげりや呼吸まひを起こす危険がある有毒植物です。山野によく見られます。花は径1cmぐらいで白色、果実は6〜7mmの球形で、熟すと黒色に変わってきます。
ノゲシ (野芥子)8月撮影

道端、空き地などに普通に見られる野草です。茎はやわらかく中空です。葉も切れ込みがありますが、やわらかです。葉、茎を折ると白い汁が出てきます。葉の形がケシに似ているところからノゲシの名前がつきました。秋に咲くアキノノゲシに対してハルノノゲシと呼ばれていましたが、ノゲシに統一されたようです。  

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