介護マニュアル

食事
<楽しい雰囲気の中で食事をおいしく食べていただく環境を提供する>

項目

内容

留意事項

1.利用者の状態把握

○氏名・年齢

○主な疾病と障害

・疾病の状態を知る

・障害の部位・程度を把握する

・視野狭窄の有無痴呆状態を知る

2.食事をする環境づくり

○環境

○対応

○介助者

・楽しい雰囲気をつくる

・献立を説明し、食欲を促す声掛けを行う

・介助者のエプロンは常に清潔にし、専用のものを使用する

3.食事の準備

○排泄

○起居・移動・体位

○必要物品

○配膳・セッティング

・排泄を促し済ませる

・起居・移動・摂食・体位可能範囲を知る

・誤嚥しない体位を理解し、利用者に合った体位をとる

・自助具・エプロン・おしぼり・お茶を準備する

・介助の前に手を洗う

・視覚障害のある利用者には、食器の位置を確認する

4.摂食の介助

○個々に合った介助

○服薬の確認

○臥床状態での摂食

介助

・覚醒を確認する

・食事の温度を確認する

・嚥下を確認しながら、個々に合ったペースで介助を行う

・主食・副食は別々にし、混ぜない

・自力摂取の方も、必要に応じて介助を行う

・水分も一緒にとる

・おしぼりで口周り、手指の汚れを拭き取る

・すべての方の服薬の確認を行う

・ベッドを30〜60度起こし、頭部を前屈し、あごを

引いた姿勢にする

5.食事の後片付け

○摂取量の観察

○下膳

・食事量を観察し、記録する

・食べ終わったかの声掛けを・確認をし、片づけを始める

・音を立てずに静かに下膳する

・衣服・車椅子に食べこぼしがないか確認する

・テーブル・床に食べこぼしがないか確認する

6.食後の口腔ケア

○歯磨き・うがい・義歯の手入れ

・口腔内に残渣物がないか確認する

・うがい・歯磨きをし、口腔内の清潔を保つ

・義歯の場合ははずして、洗浄液もしくは水につける

7.食事中の異変への対応

○むせ・誤嚥・窒息

・誤嚥のある利用者を把握する

・むせや誤嚥が起きたら、口腔内の食物を書き出し、

背部をタッピングする

・看護士に知らせ、協力して対処する

・必要に応じて吸引器を使用する


起因疾患別留意事項

○脳性麻痺           ・食べこぼしが多いときは、エプロンを使用する

                            ・めん類などは短く切り、あまり固まりにしない

                            ・スプーン・らく飲みなど、食べやすいものを使用する

                            ・不随意運動がある場合は、口を開けてくれるタイミングをつかみ、合わせる

○脳血管障害       ・ソース・醤油などのかけすぎ、塩分のとりすぎに注意する

                            ・麻痺のない口の端から少しずつ入れ、嚥下を確認して次の食物を入れる

                            ・寝たきりの介助のときは、麻痺側を上にして横向け、上体を高く上げる

○視覚障害          ・食べやすい位置に何を置いてあるか、メニューを説明する

                            ・実際に手で食器・食物を触って、確認してもらう

                            ・食べ残してあるものがあれば、本人に伝え、いるかどうか確認する

○進行性筋萎縮症・筋力がないので、利用者の体の位置にあったセッティングをし、本人に負担をかけない

○リウマチ          ・体調の変動が激しく、周期的に悪くなることが多いので、体調に合わせた介助を行う

                            ・本人に合った食器・自助具を工夫し、残存機能を生かして食べる

○頭部外傷後遺症・気分や感情の変動が激しい場合は、本人の状態に合わせて介助を行う

                            ・無理強いや急に行うなどの行為は絶対にやめ、声掛けや説明をし、納得してもらってから介助を行う

                            ・興奮したりする原因となるものは、あらかじめ排除し、改善しておく

○嚥下困難な方    ・状態に合わせて、刻み食・ミンチ食・ミキサー食・流動食に替え、対応する

                            ・喘鳴・咳き込み・嘔気・チアノーゼ・急にむせたりした場合には、誤嚥の可能性がある

              誤嚥が起きた場合の対処法

                            1.口の中に食物が残っていないか確認する

                            2.口腔内の食物を掻き出し、周囲に知らせる、周囲の者は看護婦に連絡する

                            3.利用者の頭の位置ができるだけ低くなるように下を向かせ、背中(肩胛骨の間)を叩く

                            4.後ろから抱きかかえ、力を入れて素早く7〜8回左右の脇腹を引き上げるように圧迫する

                            5.吸引器で吸引する


更衣
<TPOに合った清潔な衣類を身につけ、快適に1日を過ごしていただく>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○氏名 ○年齢

○麻痺と拘縮の程度

○理解力

○残存機能

・障害の部位・程度を把握する

・利用者の理解力を知る

・本人ができることを確認する

2.環境

○室温

○プライバシーの保護

・季節に応じた室温調節をする

・ドア・カーテンを閉め、プライバシーを保護する

3.準備

○TPO

○身体の状態に応じた衣類

○個々の情報

○回数

・TPO(就寝・活動・外出等)に合った衣類の準備・選択をする

・素材・伸縮性・ボタンの大きさなど、本人が着脱し

やすい素材や形を選びアドバイスする

・本人の好みや希望を聞く

・季節に応じて適宜交換する

・汚染時は速やかに交換する

・就寝時はパジャマ・寝間着に着替える

4.衣類交換の介助

○個々に合った介助

・利用者個々に合わせた安楽な体位で交換する

・声掛けをしながら、不安を与えないように介助する

・自分でできるところは自分でしてもらう

・衣類を脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う

・障害の部位に注意し、無理な姿勢により関節などに負担がかからないように、安全安楽に交換する

・着用後はしわを伸ばし、褥瘡の原因にならないよう注意する

5.観察

○皮膚の状態

○着心地

・皮膚の発赤・褥瘡などの有無を観察する

・活動上居にあった着心地、しわ・たるみやゴロ月感など、不快感はないか確認する

6.後片付け

○汚染衣類の処理

・上着・下着・オムツカバーを分け、消毒液に浸けるものと区別する

・感染症がある場合は別途施設マニュアルに従う


起因疾患別留意事項

○脳性麻痺           ・不随意運動や緊張があるので、手足が引っかからないよう注意する

                            ・不随意運動や緊張がある利用者は、汗をかきやすいので、まめに衣類を交換する

                            ・不随意運動や緊張がある利用者は、ゆっくりと緊張をときながら行う

○脳血管障害       ・寝たきりの肩については、褥瘡の原因にならないよう、衣服の突っ張りや引きつれ、しわがないよう、身だしなみを整える

○視覚障害           ・次の動作に移る前に、必ず声掛けをする

                            ・どんな服を着たいのか、色・デザインを説明し、選択してもらう

○進行性筋萎縮症・筋力がないので、首がカクッとなってしまわないよう、しっかり首を支えて行う

                            ・筋力がないので、首が十分に支えられないので、被り物は頭から通す

                            ・筋力がないので、袖などを通すために腕を持ったあと、さっと手を離さない

○リウマチ          ・関節が固定し、曲がらない利用者については、関節に負担がかからないよう、ゆっくり丁寧に行う

                            ・体調の善し悪しの変動が激しく、周期的に悪くなることが多いので、体調に合わせた介助を行う

                            ・関節が固定し、曲がらない利用者については、関節可動域以上に手足を広げたりしないように気をつける。指先など特に注意する

○頭部外傷後遺症・気分や感情の変動が激しい場合は、本人の状態に合わせて介助を行う

                            ・無理強いや急に行うなどの行為は絶対にやめ、声掛けや説明をし、納得してもらってから介助を行う

                            ・興奮したりする原因となるものは、あらかじめ排除し、改善しておく



入浴
<プライバシー・安全に配慮した環境を整え、心身ともにリラックスしていただく>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○主な疾病と障害

○入浴前の全身状態

○感染性疾患の有無

○医療機器装着状況

・障害の部位や程度を把握し、入浴の方法や援助の手順

などを確認する

・必要に応じてPT・看護士と相談する

2.浴室環境の準備

○浴室の保温

○湯温の調節

○介助器具の準備と

安全確認

○プライバシーの保護

・すきま風が入らないようにする

・38〜40℃くらいの熱すぎない温度にする

・シャワーや機械浴の作動点検を行う

・ストレッチャー・チェアーのブレーキ点検を行う

・タオル・洗面器・石けん等の必要物の準備をする

・カーテンをし、プライバシーの保護に努める

3.入浴前の準備

○排泄

・排尿・排便を事前に済ます

4.入浴

○一般浴

・脱衣場への移動・誘導をする

・衣服の着脱・洗身・洗髪など、自分でできるところは見守り、不十分なところの洗身援助を行う

・衣服の着脱は、健側から脱がし、患側から着せる

・床が滑りやすくなっていないか、ものが落ちていないか注意する

・必ず声を掛けてから、足下から掛け湯をする

・全身の皮膚の状態を観察する

・浴槽への出入りは、危険がないように特に注意し、動作を観察・援助する

・表情や気分など、入浴中に変化がないか注意する

・会話を持つなど、リラックスできるようにする

・上がり湯は十分に時間をとる

・バスタオルで水気を十分にとり、体が冷えないようにする

・気分が悪くないかなどの確認をする

・状態の変化があれば、速やかに看護士に連絡する

・車椅子へ移乗し、浴室外へ誘導する

○チェアー浴

・浴室内で、車椅子上で脱衣を行う

・チェアー・車椅子のブレーキを確認する

・必ず2人介助でチェアーへの移乗を行う

・転倒に気をつけ、細かい部分の洗身援助を行う

・チェアー浴槽へ移動し、ロックの確認をする

・適切な声掛けで温まったかを確認する

・脱衣場へ誘導・移乗する


項目

内容

留意事項

○機械浴(リフター)

・前後に介助者がたち、安全確認の声を掛けながら行い、不安を少なくする

・リフター用の布が座面に入ったことを確認し、持ち上

げる

・頭・足が周囲のものに当たらないようにする

・ストレッチャー側とリフター側にそれぞれ介助者は立つ

・転落しないよう、両側から介助を行う

○機械浴

・ストレッチャーのブレーキ確認を行う

・2人以上で車椅子からストレッチャーへ移乗する

・安全ベルトの確認を行う

・利用者から絶対離れず、必ず誰かがいるようにする

・体位移動時の摩擦による表皮剥離、麻痺側の上肢の敷き込みなどに注意する

・ストレッチャー昇降時、浴槽とストレッチャーの間に手足を挟まないように気をつける

・湯温の管理に気を配る

・浴槽内で顔が湯に浸からないようにする

・入浴中は声を掛けたり表情をよく観察し、状態の変化に注意する

・脱衣台へは2人介助で移動する

・脱衣台の両側に介助者が立ち、転落しないようにする

5.医療機器装着の場合

○尿留置カテーテル

・カテーテルの接続部をはずし、チューブクランプで

止める

・洗体時、引っ張ったりしないように固定しておく

6.観察・記録・報告

○全身の状態

○皮膚の状態

○気分や意欲の状態

・全身の皮膚の状態を観察する機会であるので、気づいたことは報告する

7.入浴後

○保温

○水分補給

○休養

・ドライヤーで髪を乾かす

・湯冷めに注意する

・脱水予防のため、水分補給を行う

・疲労感や入浴後の変化の有無を観察し、しばらく休ま

せる

8.入浴中の異変への対応

○転倒・立ちくらみ

・人を呼び、看護士にすぐ知らせる

・数人で安全な場所へ運ぶ

9.感染防止

○MRSA

○緑膿菌

○疥癬

・感染の種類や状態により、入浴順序や方法をあらかじめ決めておき、入浴後の浴槽は熱い湯で洗い流し、浴槽・浴室内を消毒する


項目

内容

留意事項

10.清拭

○準備

○拭く順序

・カーテン・タオル等ででプライバシーの保護をする

・室温を24℃前後に保つ

・お湯は55℃前後のお湯を使う

・衣類をとり、タオルケットで体を覆う

・顔・首→両腕→胸部・腹部→両足→背中・臀部→陰部

→手指

11.部分浴

○手浴・足浴

・汚れの取れにくい部分(麻痺側の手の汚れなど)を特に洗う

・血液の循環をよくする

・爪が切りやすくなるので爪を切る

・かかとや指の間の汚れを特に洗う


起因疾患別留意事項

○脳性麻痺           ・不随意運動があるので、手足がものに引っかからないよう注意する

                            ・姿勢保持が十分できなかったり、緊張・硬直を伴う場合、2人介助を行う

○脳血管障害       ・麻痺や硬直がある側は、皮膚が密着して汚れがたまりやすいので、ゆっくり緊張を解きほぐしながら丁寧に洗う

○視覚障害者       ・突発的に動き出すと不安と緊張感が増すので、必ず声掛けして動き始める

○進行性筋萎縮症・筋力がないので、首がカクッとなってしまわないよう、しっかり首をさせ入浴する

                            ・浴槽に浸かる場合、体が浮いてしまわないよう気をつける

○リウマチ          ・関節が固定し曲がらない利用者については、関節に負担がかからないよう十分気をつける

                            ・体調の善し悪しの変動が激しく、周期的に悪くなることが多いので、体調に合わせて入浴するようにする

                            ・関節可動域以上に手足を広げたりしないように気をつける

○聴覚障害          ・言葉以外のコミュニケーション手段(スキンシップ・表情・アイコンタクト・身振りなどを工夫する



移乗・移動
<安全な移動環境を提供し、残存機能の維持及び気分転換を図っていただく>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○主な疾患と障害の

程度

○使用している移動

器具

・全身状態や動かせる範囲など、病気や障害の部位・程

度を知る

・利用者に適した移動用具を用意し、安全性を点検する

2.環境整備

○生活空間の整備

○移動に適した衣類の

選択

・利用者が転倒しないように環境を整える

・衣類・履き物を観察し、必要に応じてアドバイスする

3.移乗

○ベッドから車椅子へ

・車椅子は、ベッドに対して30度位の角度に置く

・ブレーキを確認し、フットレストを上げる

・車椅子へ移ることを告げる

・座位がとれる場合は、端座位になり、足の間に介助者の片足を入れる

・腰を十分に落とし、かけ声を掛けて立ち上がる

・体を回転させ、ゆっくりと車椅子に座る

・姿勢を整える

○車椅子からベッドへ

・車椅子は、ベッドに対して30度位の角度に置く

・ブレーキを確認し、フットレストを上げる

・ベッドへ移ることを告げる

・端座位になり、一方の手を背中から脇に回し、もう一方を膝の裏に差し入れる

・足をベッドに上げ、臥床する

・靴を脱ぎ、転落防止のためベッド柵を取り付ける

4.移動

○歩行

○車椅子









○下り坂

○段差(登り)


○段差(下り)


○階段

・介助者は、利用者の患側に立つ

・杖歩行時は杖の反対側に立つ

・介助者の下に利用者が位置していることを頭に置いて

おく

・正しい座位がとれているか確認する

・車椅子を押すことを告げる

・周囲に気を配りながら、ゆっくりと静かに押す

・車椅子を止めて利用者から離れるときは、必ずブレーキを掛ける

・長時間車椅子に乗るときは、プッシュアップを行い、

褥瘡を予防する

・急な傾斜の下り坂は、進行方向に対して後ろ向きになり車椅子を受け止めるようにしてゆっくり進む

・段差がある場合は、ティッピングレバーを踏み、前輪を浮かせ、段差に乗せる

・後輪を持ち上げて段差に乗せ、前進する

・進行方向に対して後ろ向きになる

・後輪を浮かせ、車椅子を後ろに引き、静かに前輪をおろす

・必ず2人介助で行う

・一人が車椅子の握りをもち、前輪を上げる

・もう一人はティッピングレバーの前部を持つ

・かき上げるようにして、後退で一段ずつ上り下りする

・後輪は一段ずつ階段につける


起因疾患別留意事項

○脳性麻痺              ・不随意運動や緊張がある場合、手足が引っかからないように注意する

                             ・姿勢保持が十分できなかったり、緊張・硬直を伴う場合、体幹にベルトをする

                             ・身体にあった車椅子になるよう、補助クッションやコルセットを使用する

                             ・食べこぼしなどで車椅子が汚れやすいので、掃除・点検を定期的に行う

○脳血管障害           ・身体の障害にあった車椅子を提供し、残存機能を活かす

○視覚障害              ・突発的に動き出すと不安と緊張感が増すので、必ず声掛けして動き始める

○進行性筋萎縮症 ・筋力がないので、首がカクッとなってしまわないよう、しっかり首を支え、抱いて移動する

○リウマチ              ・関節が固定し曲がらない利用者については、リクライニングになるものや、関節に負担がかからない車椅子にする

                             ・体調の善し悪しの変動が激しく、周期的に悪くなることが多いので、体調に合わせて車椅子に乗るようにする

○脊髄損傷              ・利用者の状態に合わせて、車椅子を工夫し、残存能力を活かし活動範囲を広げる



排泄
<プライバシーに配慮し、快適に行える環境を提供する>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○主な疾病と障害の

部位

○排泄障害の有無と

程度

○排泄更衣の自立の

程度

○使用している排泄

用品

・病気や障害の部位とその程度



・排泄動作の自立の程度

・使用している排泄用具が、その利用者に適したもので

あるかどうか

2.排泄環境の整備

○対応の仕方



○安全性

○清潔保持


○プライバシーを守る

・利用者が遠慮や気兼ねをしないように対応する

・訴えのある場合は、速やかに対処する

・失禁があっても、本人の自尊心を傷つけるような注意を

しない

・安全に配慮した環境を整える

・汚れたり臭いがしないよう、清潔を保つ

・換気を行い、消臭に気を配る

・カーテンを閉め、他者から見えないようにする

3.観察

○尿意・便意の把握





○排泄物の観察

<尿意・便意の訴えを知る手がかり>

・自発的に排泄の一連の動作ができるかどうか

・言葉で意思を表現することができるか

・落ち着きがなくなる、腰を動かすなど行動で表現して

いないか

・尿意・便意がなく、行動でも示すことができない

・1日の回数、排便時間、色や混入物の有無等を観察する

・食事量や水分量、運動と排泄の関連などを観察する

・残尿(弁)感や排尿(便)後の痛みがないか観察する

・下痢や排尿(便)困難、その他異常があったら看護士に

報告する

4.便座使用での排泄介助

○排泄行為の一連の

動作

・便座への移乗→衣服の着脱→排泄姿勢の保持→後始末

 →座る、立ち上がるの動作 の自立度の確認

・ナースコールを手の届くところに置く、または持って

もらう

・座位が保てない場合は、利用者の側にいて、転倒しないように注意する

・着脱ができない場合は、できない部分の介助をする

・後始末ができない場合は、トイレットペーパーで拭いた後、清拭タオルで再度拭く

項目

内容

留意事項

5.尿器での介助

○器具の選定

○排泄介助

その人の障害の程度に合った器具を選ぶ

・原則は、できる部分は自分でしてもらい、できない部分のみ介助する

6.差し込み便器の介助

○便器の選択

○排泄介助

・その人の障害の程度に合った器具を選ぶ

・便器を温める、もしくは肌の当たる部分に布を当てる

・腰が上がる方は腰を上げてもらう

・腰が上がらない方は、速臥位の状態で便器を当て、仰向

けに戻す

・便器の中にトイレットペーパーを入れておくと、消臭

効果があり、後片付けがしやすい

・トイレットペーパーを縦にし、陰部から便器の中に垂

らしておく

・ギャッジベッドを使用し、可能な限り健康時の排泄

姿勢にする

・排泄中はバスタオルで覆い、露出をさける

・排泄後は腰を上げ、臀部を清拭する

・陰部を拭く際は、前から後ろの方向へ拭く

起因疾患別留意事項

○脳性麻痺              ・不随意運動や緊張がある場合、なかなか排泄できないときがあるため、ゆったりとした気持ちになれるよう声掛けする

                             ・排泄記録を作成し、尿閉や便秘にならないように注意する

○脳血管障害           ・可能な限り上体を起こした姿勢で排泄するように心がける

○進行性筋萎縮症 ・腹圧が弱いので、できるだけ上体を起こして腹圧を掛け、尿閉・便秘を予防する

○脊髄損傷              ・留置カテーテルを使用している利用者については、水分量をチェックし、尿路感染にならないように留意する

                             ・排泄記録表を作成し、尿閉や便秘にならないよう注意する


オムツ交換
<失禁による不快感や苦痛を感じることなく、快適に過ごしていただく>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○主な疾病と障害の

部位

○オムツ装着になった原因

○失禁の状態

<観察のポイント>

・失禁の状態(尿失禁か便失禁か)

・どこで、どんな状況で失禁が起きるのか(我慢していた、睡眠中、くしゃみや咳をしたとき、トイレに間に合わないときなど)

・尿意・便意があるかないか

2.人格の尊重

○利用者との接し方

・失禁=オムツと安易に考えない

・なぜ失禁が起きたのか、その原因を考える

・利用者が遠慮せず訴えられるような雰囲気作りに努める

・安心や希望を持てるような対応を心がける

・排泄の自立に向けて利用者の積極的な参加が得られる

ように、様々な工夫をする

3.介助方法

○その人に合った

オムツの選択

○必要物品の準備

○オムツ交換







○留置カテーテル



○人工肛門

・麻痺の程度、身体可動域、尿の量、利用者の希望などを考慮する

・オムツ・オムツカバー・タオル・ぬるま湯・バケツ・

 手袋・介護用エプロン

・プライバシーを守るため、カーテン・ドアを閉める

・必ず声を掛ける

・仰臥位もしくは側臥位の状態で行う

・陰部・臀部を清拭タオルで拭く

・排便時はぬるま湯に浸した布オムツで拭き、その後清拭タオルで拭く

・女性の場合は排便時、陰部洗浄を行う

・オムツカバーを使用する際は、カバーが直接皮膚に接しないようにする

・引っ張らないように絆創膏で固定する

・挿入部は常に清潔にしておく

・挿入部から膿が出たり赤くなっていたら、すぐに看護士に知らせる

・ラパックをはがしたら、その部位を清拭タオルで拭く

4.後片付け

○換気

○清潔保持

・介助後は、窓を開け換気を行う

・手を洗い、消毒液に浸す

5.記録

○排泄記録

・排泄方法、排尿・排便の有無を記録する


身だしなみ
<好み・TPOにあった服装・髪型にすることで、快適に一日を過ごしていただく>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○主な疾病と障害の

程度

○生活環境・趣味

・価値観

・身体機能に応じた衣服を選択する

・記録や会話の中から、その人の希望や思いを知る

2.洗面

○自力でできる場合

○一部介助の場合



○全介助の場合

・洗面所の環境を整え、床の水ぬれなど危険因子を排除し

安全を確認する

・できるだけ自力で行ってもらい、不十分なところを介助する

・痴呆がある場合は、一つひとつの動作を声掛けし、急がせず見守る

・タオルを濡らし、目ヤニなどきれいに拭き取る

3.整髪

○自分でできる場合

○介助が必要な場合

・自分でできているかを確認し、必要時介助する

・本人の好みの髪型に合わせ整える

4.散髪

・本人の希望を取り入れ、画一的にならないようにする

5.爪の手入れ

○自分でできる場合

○介助が必要な場合

・爪の手入れができているか確認する

・1週間に1回の目安で行う

・切りにくい方は入浴時、爪がやわらかくなった状態で

行う

・爪の状態に合った器具を使用する

・ヤスリを当て、切り口をなめらかにする

・使用後、器具の消毒を行う

6.ひげそり

○男性の場合




○女性の場合

○感染症の場合

・毎日の日課として行う

・電気カミソリは、使用前に安全と清潔を確認する

・できるだけ自分で行ってもらい、そり残しがあれば介助する

・使用後の後始末をする

・必要時、顔そりを行う

・皮膚を傷つけないように気をつけ、クリームなどで

整える

・個人のカミソリを使用する

・傷つけないよう、十分注意する

・介助者の手に傷があれば手袋を使用する

・ひげそり後、手指を洗い消毒する


7.耳の手入れ

・入浴時や洗面時に蒸しタオルで丁寧に拭く

・耳あかは綿棒や耳かき、耳用ピンセットで、鼓膜を傷

つけないように注意して取り除く

・耳あかがひどいときは、専門医に診てもらう

8.化粧・衣服

○自分でできる場合

○自分でできない場合

・化粧を禁止したり、批判的な態度や言葉を示すのでは

なく、尊重し、同意する

・家庭での服装を聞き、衣服の選択の参考にする

・しわ・ボタンのかけ忘れなどに注意する

・身体機能に応じた衣服を選択する

 (負担なく着脱できる、安全で体を動かしやすい、

  肌触りがよい、温度調節がしやすい)

9.アクセサリー

・安全に配慮しながら希望に添う


睡眠
<気持ちよく目覚めていただけるよう、快適な環境を提供する>

項目

内容

留意事項

1.利用者の情報把握

○1日の活動状況

○睡眠障害の有無

○障害の部位と程度

・日常生活リズムから、睡眠リズムを見つける

・入眠しやすい環境を知る

・拘縮や麻痺の状態など障害の程度を把握し、その人に

合った安楽な姿勢を知る

・個々に適した寝具用品(バスタオル・防水シーツなど)を選ぶ

2.就寝環境の整備

○シーツ交換


○ベッド周り


○室内温度の調節

○照明の調節

○水分補給

○音の調節

・週1回のシーツ交換を行う

・しわができないようにシーツを敷く

・汚れがある場合は適宜交換する

・転落のおそれがある場合は、ベッド柵をつける

・コップ・ティッシュペーパー・吸い飲みなど日常生活物品を、利用者がとりやすい位置に配置する

・プライバシー保護のため、カーテンなどは閉める

・利用者に合った室内灯の調節をする

・水分の補給を十分に行う

・TV・ラジオ等を聞く場合は、必要に応じてイヤホン等を使用していただく

3.利用者に合った援助

方法

○洗面

○口腔ケア

○排泄介助

○寝間着への更衣

○コール対応

○オムツ交換

○巡回


・個々に合った排泄介助を行う

・麻痺や障害を考慮し、寝衣への更衣を行う

・安楽な姿勢・体位を確保する

・コール対応には速やかに応じる

・定時・随時のオムツ交換を行う

・定時に巡回し、所在及び状態の確認を行う

4.体位変換

○主な疾病と障害・麻痺の程度

○禁忌の体位の有無

○褥瘡の有無

○必要な物品の準備

○体位変換

・利用者に合った体位と介助方法を知る


・褥瘡の要因を知る

・姿勢保持・圧迫予防用のクッション・円座・バスタオルなど、麻痺や障害の程度時合った物品をそろえる

・急に体を動かさず、必ず声を掛けて行う

・2〜3時間ごとに行う

5.観察・記録

・夜間に行われた個別対応は、所定の様式に記録する



清掃及び衛生管理
<安全で快適な生活環境を提供する>

項目

内容

留意事項

1.室内環境の整備

○室内温度・湿度の調整


○換気




○騒音



○採光と照明

・四季に応じた快適温度・湿度を理解し、調節する

・室内に温度計・湿度計を設置する

・外気温と室温の差が5℃以上にならないように注意する

・換気時は、吸気口と排気口の2カ所を開け、空気の流れをつくる

・保温に注意し、なるべく利用者が不在のときに行う

・室内空気の汚染がないか、視覚・嗅覚で観察する

・悪臭の原因となる発生源を除去する

・脱臭剤を利用する

・騒音により、利用者へ精神的・身体的な影響がないか

観察する

・職員は足音やドア・窓の開閉を静かに行い、不必要な

会話を慎み室内の静粛を守る

・機械・器具の調整を行い、騒音発生の予防をする

・直接日光が体に当たらない、また、紫外線が目に当たらないように工夫する

・不適切な照明は、姿勢の不良、眼精疲労、めまいなどを起こし、生活行動能率を低下させる

・夜間、トイレの場所がわかるよう工夫する

2.ベッド周辺の環境整備

○事故防止





○感染予防

・利用者が安全に移動できる空間を確保する

・床が濡れていないか観察し、汚染物があれば速やかに取り除く

・利用者に応じたベッドの高さ・配置を考慮する

・ベッド柵を利用し、布団のずれや利用者がベッドからずれ落ちるのを防ぐ

・利用者の同意を得てから掃除を行う

・ドアの取っ手はいつも清潔にしておく

・飲食物を長時間放置しない

・ゴミ箱のゴミを回収する

・介護者が感染源にならないよう、清潔・不潔区域、ガウンテクニックについて理解する

・天気のよい日は布団を干す

・適宜害虫駆除を行う


項目

内容

留意事項

3.食堂

○清掃

○テーブル・いすの配置

○害虫駆除

・食後、食べこぼしの清掃を行い、換気を十分に行い、

異臭を除去する

・テーブル・いす・その他の物品の整理整頓をする

・車椅子が入るスペースが十分にあるか注意する

・適宜害虫駆除を行う

4.浴室

○清掃・換気


○整理整頓

・湿気が多く、非衛生的になりやすいので、清掃と換気に心がける

・湯あかが残らないよう、細部まで清掃する

・入浴後、汚物等は直ちに処理し、浴室内に置かない

・危険物となるものは取り除き、空間を広くとる

・入浴用品の不足の点検やとりやすい位置への設置に

心がける

5.トイレ・洗面台

○清掃・換気





○物品補充

・悪臭がないように気を配る

・換気扇の機能が十分に働いているか、汚れがないか定期的にチェックする

・便器や手すりを清潔に保持する

・排泄物で床が汚染されると滑りやすくなるため、定期的に点検し、汚染時は直ちに清掃する

・清潔でさわやか、落ち着ける場づくりに心がける

・石けん・紙などの不足がないように気を配る

6.車椅子

○清掃

○点検

・汚れが目立つ前に清掃を行う

・定期的に安全点検を行う