◆ 自己愛とは
人は、基本的に自分のことを第一に考えます。自分が認められたり、周りから褒められると、うれしいと思います。これが『自己愛』です。

◆ 健康な『自己愛』とは
自己愛は、いつも満たされているわけではありません。また、人は自分だけでなく、他のたくさんの人に助けられて生きているので、自己愛と同じように他者愛も必要です。
自分が認められないこともある。
「自己愛が満たされない、満たされない時があってもいい。」という正しい現実認識と、自己愛と同じように他者愛も持つことができる。この2つがあってこそ「健康な自己愛」の持ち主であると言えます。

◆ 自己愛性パーソナリティ障害とは
病的な自己愛の持ち主もいます。
常に他者から褒められていなければならない、高く評価されなければならない。自分以外の人を道具のようにしか思えないような人です。

特徴として、次のようなものがあげられます。
・ 自分に関する誇大な感覚(自分が一番優れていると思っている)、限りのない成功・権力・愛の空想にとらわれている。
・ 自分は特別であり、優れている人にしか理解されないと信じている。
・ 過剰な賞賛を求め、特権意識がとても強い。
・ 相手を自分の目的にしか利用せず、相手に対する思いやりのなさ、他の人への激しい嫉妬、高飛車で偉そうな態度。
・ 自分は例外であり、自分の満足だけを求めてもいい、特別な存在であると思っている。たとえば、規則をやぶっても自分は許されるはず、など。
・ 人に要求したり、攻撃することが多く、自分には甘く、協調性とか相互的な他の人とのいい関係が作れない。
・ 自分の身体の不快(空腹、つめがちょっと割れた、など)にとても敏感でオーバーに反応する。
・ 難しいことがらについて、自分勝手な理屈をつけ、また他の人の欠点ををあげつらうことが得意。

◆ 自己愛傾向が強くても・・・
自分のそのような特徴に気付き、ある程度の認識をもっている人ならば、自己愛をエネルギーにかえ、すばらしい仕事を成しとげることもあります。自分について理解しており、社会に適応したり成功へのエネルギーにかえることができている場合は、自己愛性パーソナリティ障害とは言いません。

◆ 自己愛性パーソナリティ障害の方のおちいりやすい状態
人に対する失礼な態度などから、社会的に行き詰ったりして挫折し、そのときにうつ状態になることがあります。ただ、この傾向の人は、挫折の原因を他の人に向け、自分の振り返ることはあまりありません。このような状態のときに、心療内科などでうつ病として診察を受けることがあります。

◆ 自己愛性パーソナリティ障害の方の対人関係
自己愛者の他の人との関係は、一般的に緊張感をもたらすものであることが多いです。交遊関係は広いかもしれませんが、最初は好感のもてる印象だったとしても、長い間安定したいい関係を持つことは少ないです。
結婚について言うと、適当な相手がいない、とずっと独身でいることもありますが、多くは何度かの離婚を経験していたり、夫婦仲がうまくいっていないことが多いです。自己愛者は、結婚相手に対して、競争意識を持つことがあります。結婚するときには、相手に対して「特別な」基準を満たしているので結婚したけれど、後になって、パートナーの方が注目されたりすると、それに嫉妬するのです。自分が目立たなくなるから。

自己愛者は、たびたびかんしゃくを起こしたり、長々と説教をしたり、モラハラを行ったりしますが、それはすべて、他の人は、自分を幸せで快適な状態でいさせるように、何よりも優先して気を配るべきだという歪んだ信念の表れなのです。
 
モラルハラスメントについて〜自己愛の障害としての視点からの一考察〜
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