銀杏健康講座  痛風

 痛風は足の甲の皮膚が赤く腫れ激痛が出ることで知られています。

 痛風の痛みは、尿酸が血液中に溶けきれずに関節付近に針状の結晶になるために起こります。
 尿酸とは遺伝情報をになう核酸の主成分であるプリン体が新陳代謝にともなって、肝臓で分解されてできる物質です。
 プリン体が分解されてできる尿酸は、身体には必要のない老廃物なので、おもに腎臓から尿として排泄されます。

 高尿酸血症は血液中の尿酸濃度が高い状態をいいます。この状態が何年か続くと痛風になります。

 平均的な尿酸値は、男性5.5mg/dl、女性は4mg/dlくらいです。
 男女とも7を超えると高尿酸血症と診断され、生活上の注意をうけます。
 8以上になると一度医療機関で腎臓などに異常がないか検査を受ける必要があります。
 9~10以上の場合は痛風発作が起きたことが無くても薬で治療しなければなりません。

 アルコールとの関係の質問をよく受けますので、それについてお話しいたします。

 各種アルコールに含まれるプリン体やエタノールの代謝により、尿酸の産生増加や尿のpHが酸性に傾きやすくなることが問題になります。
 蒸留酒では製造過程でプリン体のほとんどが除かれますが、醸造酒の中では原料に核酸を多く含む麦芽を使用するビールが特にプリン体が多いのです。
 しかし、最近好評の発泡酒は麦芽が少ないものもあるようですが、酵母(核酸が多い)を使うわけですから、プリン体の含有量としては大差なく、血中の尿酸値の上昇度は普通のビールとほとんど変わりません。

 痛風発作のおさまっている時期であれば(発作中や発作直後は禁酒は常識ですが)、1日にビール中ビン1本、又はウィスキーダブルで1杯、清酒なら1合、ワインであればグラス1杯程度なら許可する専門医の意見が多いようです。

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