![]() 昨年(平成14年)は東予地区で2月5〜6日にスギ花粉の飛散がはじまり、2月16日から本格的に飛散量が増えました.今シーズンの予測は、昨年の夏に気温が異常に高く、小雨で渇水になったこと、11月から秋としては早く冷え込み、冬になっても寒さが続いていることから、スギ花粉飛散量は非常に多いとされています.今後の天候にもよりますが、スギ花粉の大量発生が起こる可能性が大ですから、どうぞご注意ください. 日本の花粉症ではスギ花粉症がもっとも知られています.スギ花粉が異常に多く飛散するようになったからですが、花粉が多く発生した年に花粉が飛散するのに都合の良い気象条件がそろう、つまり晴れて気温が高く風が強い日に最高に多く発生します.また、ジーゼルエンジンの排気ガスによる大気汚染が更にアレルギーを起こしやすくします. 人間の側の原因として、食事がかたよったり、ストレスがたまったりすると花粉症になりやすいようです.また、あまりに清潔になりすぎたため、ヒトの免疫の機能がほどよく発揮できなくなってしまい、アレルギーを起こしやすくなったという説があります.寄生虫を持っている人がいなくなったのでアレルギー患者が増えたのだという寄生虫学者の藤田教授はベストセラーの本も出されたのでご存知の方もいらっしゃるでしょう. ■花粉症の起こる仕組み 花粉を吸い込む→鼻粘膜でその花粉の抗体が作られる→抗体と肥満細胞が結合する→花粉を再び吸入する→抗体が花粉に反応し、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどが放出される→神経がヒスタミンに刺激されてくしゃみや鼻水がでる・あるいは血管がヒスタミンやロイコトリエンに刺激されて鼻づまりを起こす. ■症状
その他:目のかゆみ・充血・涙が止まらない 全身症状:頭痛・頭重感・ボーとする・イライラ感・のどのイガイガ感・から咳・身体のかゆみ・消化不良・下痢・食思不振・不眠・だるい・肌あれ(-->勉強・仕事の能率低下の原因!美容の敵!) ■花粉症の検査 鼻汁中好酸球検査:鼻水を顕微鏡検査します.好酸球が増えていれば花粉症と診断されます. アレルギー抗原の確認検査:血液をとり、可能性のある花粉の抗原と反応させて、抗体が多くできているか判定します.抗体量が多いものが陽性となります. ■花粉症の治療 花粉の飛びはじめる1〜2週間前から抗アレルギー剤を服用すると、症状が出るのを予防できたり、軽い症状ですんだりします.この初期治療で成功すれば花粉のシーズンが終わるまで治療を継続します.もし、初期治療する前に花粉のシーズンが始まってしまったり、花粉飛散量が多く通常の治療で効果が不充分であれば、ヒスタミンを抑える抗ヒスタミン剤やロイコトリエン拮抗薬、局所ステロイド点鼻薬を適宜追加してひとりひとり合うように処方します. 点眼液や点鼻液を使用する前に必ず洗面しておきましょう.お薬の治療法によるだけでなく、花粉との接触少なくする工夫や日頃から心身の健康を維持するよう心がけましょう. ■アトピービジネス 日本中でアトピービジネスがいろいろ問題になっています.これを使えばすぐ治るとか、巧妙なコマーシャルでお母さまやご婦人方を惑わせています.まったく効果がなかったり、使ったためにひどい薬剤性皮膚炎になったり、じっさい肝障害を起こして入院した方もいらっしゃいます.良く効くから高額で、高額だから効くはずと思いこまされ購入してしまうそうです.セールスが巧みなことは驚くばかりですが、ブランド志向の傾向のあるわれわれ日本人には気をつけるべき話です.ぜひ、ホームドクターや信頼のおける薬剤師にご相談下さい. ・健康講座目次 |