銀杏健康講座:生活習慣関連病を予防しよう 食事編
■はじめに(毛細血管における血流のお話)
 近年、日本人の食生活が欧米化してきたこと、ストレスの多い社会になってきたことから、日本でも動脈硬化性疾病が欧米なみに増加しています.現在、まだ人間の毛細血管の状態を直接観察することはできませんが、最近、開発された血液流動性測定装置を使いますと、採血した血液でちょうど毛細血管を通過する状態を再現できるのです.
 血液は血管の中をスムースにサラサラ流れているようなイメージがあります.毛細血管は非常に細くて、直径が7ミクロンです.ところが、血液の主成分である赤血球は直径約7.5ミクロンの中央がへこんだ円盤状です.毛細血管より直径の大きい赤血球がどうしてサラサラ流れることができるのか不思議ですが、少しの力でも形が変わる“変形能力”があり、健康な血液状態であれば柔軟に毛細血管を通過できるのです.健康な人でも、水分補給が遅れて脱水症になったりすると、血液から水分が抜けて血液が粘くなるとか血が濃くなるといいます.そのため、動脈硬化のある人では、突如その場所で粘っこくなった血液のため流れが悪くなったり、完全に詰まって発病することになるわけです.
 ですから毛細血管を流れる血液の状態をみることによって、どのような生活習慣をすれば予防できるかわかってきたのです.

■まず悪い見本、ドロドロ血液になるのは
1)ストレス・過労・タバコ--->白血球に悪影響をおよぼし、血流が悪くなる.
2)糖尿病・脂肪肝--->いつでもドロドロ流れのため、疲労感・足がだるい・イライラの症状.
3)アルコールの飲みすぎ・甘いもの(糖分)とりすぎ--->肝臓で処理しきれない中性脂肪の燃えかすのレムナントがでると、赤血球膜がもろくなったりこわれて、血小板凝集性と粘着性が高まる.つまり、流れにくくなる.
4)食生活の偏り--->動物性タンパク・脂肪の過剰な摂りすぎて、悪玉コレステロ−ルが増加し赤血球膜の肥厚・硬化がおこり、赤血球の変形能力の低下する.

■健康なサラサラ血液になる食事のアドバイス
 次の8品目をメニューに取り入れるとよい.毎食でなくてもいいのですが、できれば1日トータルで含めて下さい.
1)お茶:緑茶---渋みの成分にカテキン(コレステロール低下作用、血糖低下作用、抗菌作用、抗酸化作用---活性酸素の生成をおさえ、白血球の流れ改善)) 麦茶---血流改善効果ではトップ
ほうじ茶、ウーロン茶にも効果あり
2)魚:青魚(イワシ、アジ、サバ、サンマなど)はDHA、EPA(不飽和脂肪酸)を多く含み、赤血球や血小板の流れを改善
3)海草:ワカメ昆布---ヨード(甲状腺ホルモンの原料)、アルギン酸(コレステロール低下作用)
4)納豆:血栓溶解作用(ナットウキナーゼ)
5):クエン酸---血中の老廃物排出促進、赤血球変形能亢進
6)キノコ:ベータグルカン---免疫機能活性化、コレステロール低下作用
7)野菜:各種ビタミン、ミネラル、食物線維、VC:抗酸化作用、カロチン:体内でビタミンAに変わり活性酸素抑制
8)ネギ類:ネギ、タマネギ、ニンニク(アリシン:消化の促進、殺菌作用、血小板凝集抑制作用、血栓予防)、タマネギ(血糖低下作用)、ニンニク(赤血球の変形能高める)

・健康講座目次