逆さ杖の銀杏  目通り11m 樹高30m/愛媛県 松野町 蕨生 奥野川 奥内/薬師堂/県指定天然記念物


  

●幕末時、尊皇攘夷を叫ぶ脱藩の志士達が志を胸に駆け抜けた土佐街道。その県境の町松野町は、12キロに及ぶ名称、滑床
 渓谷を産んだ目黒川流域と、広見川が名を変えて土佐に出る広い流域とでなっている。●このあたりは昔から伊予と土佐の
 物流の地であり、中心部の松丸には、昔を偲ぶ建物が今もなお町の雰囲気を高めている。●銀杏のある蕨生は、この松丸か
 ら更に高知県境に入った山里で、空海の差した杖が根付いたという大銀杏が今も残っている。●一説に樹齢700年と言わ
 れ伝承とは開きがあるが、弘法大師のお手植えと言う事が即ち四国の歴史に根付いた神木であるという強力なタイトルなの
 であり、この金看板がある限り、みだりに切ったり痛めたりできない。それ故にこれ程の見事な巨樹が残ったとも言えるの
 ではないか。●ただ本当にお杖から芽吹いた銀杏かどうかはわからない。事実だと言われても頷けるような立派な樹影。