椿の名木
シャクジョウカタシ 国道439号線の吾北村で、大豊町方面から向かうと、土佐町との境、郷ノ峰峠トンネル
を抜けて2〜3キロの柿藪という所。国道とはいっても川沿いの長閑な小道で、椿は道から100m程山手に上った斜面
にある。丸々と太った幹はエクレアのように艶やかで美味しそうにも見えた。花は小ぶりだが健康な緑の繁茂に彩られた
紅の模様は大変美しい。吾北村を舞台にした映画にも登場したとの事。
高知県、上八川、柿藪 3.2m/13m/県天 (目通り周囲/樹高)
富郷のヤブ椿 伊予三島市の金砂湖畔、富郷橋から南に猿田川を遡る道に入る。3〜4キロ程で下猿田に入る
坂道が右手にあり、椿はその谷間の中程にある熊野神社境内の東隅にある。根周り3mで地上1m程で2本に分かれ、枝
張りは15mにも達する。スラリと伸びた良い樹影で大変美しく、樹勢も良い。
愛媛県、伊予三島市、富郷、下猿田、熊野神社 3.5☆2m/11m/県天
藤原の椿 金砂湖の富郷橋を渡って高知伊予三島6号線を別子方向へ。左手に藤原へ入る大きな橋があり、それ
を渡る。椿は藤原地区に入ってすぐ右手の民家の奥の斜面上にある。左手の茶畑の先には子安観音堂のイブキビャクシン
がある。傘状に広がった濃密な繁茂で、丈は低いが良く太った立派な主幹で、樹勢も良い。平家の落人伝説がある長閑な
山里の名木。
愛媛、伊予三島市、富郷、藤原 2m/5m(目測)/県天
■2008年2月に訪問時、立ち枯れを確認■
■葉を落とし全体にキノコが蔓延って腐朽した壮絶な様。4年程前から既に樹勢が衰え始めていたそうだ。 (関連する画像)
津羽井の大椿 八幡浜市の国道197号線大平辺りから東に坂道を上る。津羽井の消防の物見櫓辺りから小道
に入って少し行った民家の邸内にあり、樹齢は300年ともいわれる古木。八幡浜市街から港まで一望にする見晴らしの良
い所で、この近くの萩森城があった当時から、既にこの樹も存在していたという。
愛媛、八幡浜市、大平、津羽井、川本邸 1.8m/10m/市天
馬椿 新居浜市の西端部、大生院の川口辺りから、渦井川に沿った細道を南に上っていく。名所、銚子の滝に到る
少し手前で、道から右手の渦井川に向かって続く小道を下った先の石垣から生え出している。枝張りは16mに達し、樹勢
よく樹齢400年とも言われている。果実が6〜7センチ程もあることから、別名リンゴ椿とも言い、天正年間に、ここで長曽
我部軍の優秀な軍馬が死んだのを悼んで、墓標代わりに植えられたものであるという。
愛媛、新居浜市、大生院、大野山谷 3☆1.7m/6m
■平成14年4月に枯れてしまったということです■
■平成15年3月に確認■主要な太い幹は完全に枯れて、同じ根元から生えた幼い幹だけが僅かに葉を付けていました。
10年程前に見た時にはとても枯れるとは思えない健康な様子だったので、その惨状に驚きました。
平成14年、渦井川周辺は相次いだ台風で大きな被害を受け、今もその爪あとが、まざまざと残っています。
お杖椿 松山市から玉川町へ向かう国道317号で、県内最大の三本杉がある福見川へ向かう分岐点辺りの神社。
国道から北側の小橋を渡った、民家の奥の高台にある神域で、椿は境内の奥にある。南北朝時代に上野から敗走してき
た新田義宗らがついた杖が芽吹いたという伝説があり、別名を新田椿。現在は10本程の株になっているが、もとはその
中心に巨大な主幹があったという。枝張りは見事で、花も美しい名木。
愛媛、松山市、河中町、両新田神社 5.1☆ m/10m/市天
お雪椿 窪川町から大正町へ向かう国道56号沿線。仁井田川を前に山なみからこぼれ出したような状態で繁茂
した椿で、当地の開拓者、池内嘉左右衛門の娘、お雪の供養の為、里人が植えたものだと言われている。樹勢良く、花も
景色も素晴らしい。
高知、窪川町、影野、館屋敷 1.3m/10m ※表記に誤りがあり訂正しました/2001.6.13
■平成16年6月21日の台風で惜しくも倒れてしまったそうです■
平家屋敷の椿 国道32号線の上名から吉野川を渡って西祖谷山村に入っていく。観光スポットでもある祖谷の
旧家、平家屋敷の敷地内にあり、庭の高見にある椿は、案内では県内最大の椿であるとのこと。
徳島、西祖谷山村、平家屋敷 1.2m/12m
■平成12年4月に枯れてしまったそうです■ (関連する画像)
久保邸の椿 高松市から南東方向にある東植田町の公渕森林公園をめざし、公渕池よりやや西の朝倉川に向か
う。川沿いから坂道を上った小学校と神社の間に案内板があり、それに所在地が載っている。接骨院の看板を目印に山手
の小道を行った民家の脇にある椿で、幹は丸々と肥えて立派だが、枝を刈り込んでいるのか、繁茂はやや小さい。樹勢は
概ね良好のようである。
香川、高松市、東植田、2376 1.5m/7m/県保
椿堂のお杖椿 四国88ヶ所番外札所の常福寺(椿堂)。四国行脚途中の弘法大師が立ち寄り、地上に差した杖
から逆さまで根を下ろし枝葉を延ばしたという椿。もとの木は安政六年(1859)に燃えて今はその焼け株から芽吹いた二代
目だが、既に100年を越える立派な大木。枝葉の茂りも良く樹勢盛んな様子で、葉には諸病を癒やす霊験があるという。
愛媛県、川之江市、川滝町、下山甲、椿堂 1.1m/ 5.5m ( 関連する画像 )
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