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『ザ・コンヴェント』

ま〜バカバカしい。ま〜たお馬鹿なホラー見ちゃったー、というお手本みたいな映画ですね。こういう映画にストーリーとかセンスを求めてはいけません。むしろその逆で、いかにその「常識」を覆すほど無茶なことを強引にやってくれるか!この一言につきます。そういう意味では、この映画は成功しているかも。

40年前に廃墟になった修道院に、お約束通り今夜も大学生達が肝試しのため侵入して、お約束通りゾンビとなって甦った尼たちが次々と彼らを襲う。生き残った女生徒が助け
を求めたのは、40年前に修道院で尼たちを皆殺しにした少女(今はオバサン)だった。

 いろいろな映画評もありますが、ボクはこの映画見たとき「これって『デモンズ』じゃん!」と思いました。あのイタリアのバカ映画をアメリカ風にもっとバカにしたカンジ。でも、またそこが心地よかったりするのが不思議なところですね。
意外にそんなに物語も破綻してなかったし。

この映画にはその他にも『死霊のはらわた』『エルム街の悪夢』『TATARI』『フロム・ダスク・ティル・ドーン』などなど、けっきょくこんなB級以下ホラーは似てるところが多過ぎってことですか!?
ちなみに、こういう映画に多いんですが、このチラシの絵のように「ゾンビになった尼がバイクに乗ってガラス窓を突き破る」シーンなんて全然ありませんのでアシカラズ。
『千と千尋の神隠し』

こんな画像、勝手に使って良いのかなと思いますが、ま、見つかったら消します。

この映画は評価が両極端に分かれますが、ボクは反対派。
全然面白くなかったっ!

残念ながらボクが宮崎駿に求めているものと、今回の映画は完全に食い違ってしまったようです。これはもちろん大好きな宮崎作品がいくつもあるからこそではありますが、今回だけはボクはダメでした。

もし宮崎監督がこの映画が一番伝えたいことだったというならば、それはそれで仕方のないことだと思うのです。ボクと宮崎駿は違う人物なのですから。当然感性も違うはずです。それが何作目だろうが、それは関係のないことでしょう。

でも、今回ほど同感できなかったというのも珍しいです。これはやはり主人公、もしくはそれに近しい人物に感情移入できなかった、というのが大きかったと思います。
この映画はどうやら男性と女性ではだいぶ意見が分かれるという気がするのですが、どうでしょう?
監督曰く「これは、同じ10歳の少女のために作りました」という映画だそうです。
とすると、それに接点のない僕らはとうぜん分からないわけで、ということはそれに感情移入できないというのは当然。僕らも、監督の手の上でもて遊ばれている、っていうそれだけなのかもしれません。

そう考えると、やっぱり宮崎監督というのは天才なんだろうなァ。
『グレムリン』

他の映画評のところでも書きましたが、こういう映画のポスターやチラシの図柄って、必ずしも映画で使われたシーンの一つではないんですね。あくまでイメージですイメージ。

最近ポスターを購入したので、久々に見直してみました、この映画。

どこかでも書いたことがあるのですが、この映画、実はファミリー向けの顔していますがけっこう怖いんです。高校時代、クリスマスだからと(この映画もクリスマスの映画ですが)ビデオを借りてきてえらく怖いめにあったように記憶しています。

で、今見てみると、さすがにこれだけCGが発達していると、ちゃちな合成はやはり目に余りますし、やっぱり子供映画ですね。さすがに、楽しんでみるってカンジではなかったです。
12年ぶりの続編となる「グレムリン3」の制作も決定したようですし、そちらに期待して
みましょう。またグレムリングッズなんかが売れるのでしょうか?フィービー・ケイツやザック・ギャリガンも出るのかが気になるところです。

今回は「グレムリン」の監督、ジョー・ダンテはプロデュース業に徹し、監督は「デンジャラス・ビューティー」のドナルド・ペトリに任せる予定だとか。ちょっと楽しみですね。
『悪いことしまショ!』

楽しい映画をご希望の方にはコレ!

この映画の見所は、なんと言っても主人公エリオットを演じるブレンダン・フレイザーの演技でしょう!
ころころシチュエーションが変わるたびに、そのキャラクターもコロコロ変わり、三枚目から男前までその変化ぶりがサイコーに面白い。この人はホント器用だなァ。

また悪魔エリザベス・ハーレーのこれまた次々と変わるコスプレも見物ですよ。抜群のスタイルであんな格好されちゃあねぇ...、もう、....いいんだけど。
やはり役どころが悪魔ですから、男を惑わす容姿・スタイル・ファッションでしょ、やっぱり。ホンマに言うこと聞いてしまいそうになるもの。

うだつのあがらないエリオットは、高嶺の花のアリソンに一目惚れ。何をやってもダメなエリオットに彼女が振り向くわけもなく・・・というところに、「悪魔」と名乗る美女が「魂と引き換えに、7つの願いをかなえてあげる」と言い出す。

アメリカコメディには、昔から日本人がなじみにくいところがあって、笑えるものもあれば、ぜんぜん面白くないくだらない映画も数多くあります。これはけっこう笑える映画じゃないかな。

監督はハロルド・ライミス。
どっかで聞いたことある名前だと思ったら、あの懐かしの「ゴースト・バスターズ」に出ていたヒトでした。そう、あのメンバーの一人です。ちょっとビックリ。

ストーリーとしてはまあありがちなどたばたコメディーなんで、気軽に楽しめると思います。DVDにカットされたシーンなんかも収録されていますが、「ロックスターになったエリオット」って、これはもったいないシーンだけど、確かに青少年向きではないな〜。本編だけだと確かに家族や友人と楽しく見られる映画だと思いました。

『風の谷のナウシカ』

とくに何かきっかけがあったわけではないのですが、久々に見てみました。
もう20年ちかく前の映画になってしまったんですね〜(シミジミ)。

そのくらい前なので、もっと画像が現在と比べて見劣りするかと思ったのですが、そんな心配は杞憂におわりました。
迫力ある動きは、今見てもどきどきするし、物語の展開も、今と比べて決してもたつきを感じさせるものではありません。
ストーリーも、子供の頃見てあまり意味の分からなかったところも、いまならすんなりと理解することができます。

とくに特筆すべきは、ナウシカの乗る「メーヴェ」の動き。
「エンジン付き凧」という現実にはない乗り物ではありますが、まるで存在するかのような可憐でスピーディーな動きに、昔のワクワクした気持ちを、思いだしてしまいました。そう、ボクがこの映画でもっとも引きつけられたのは、この「メーヴェ」だったように思います。昔、あれに乗りたいと本気で思ってたものです。

ストーリーはそれまでのアニメ映画にない、重さ・残酷な話が延々続くように思えますが、そのなかでナウシカはあくまで強く・前向きに生きようとしています。

最近の宮崎アニメと比べると、やはり本人にも、う〜ん、なんと言うんだろう。迷いがあるカンジというか、まだこなれていないなと感じるところが何カ所かありました。
セリフで説明しすぎるとか、毒胞子だらけの森でゴーグルをとっちゃあ...なんで考えたり。
そんなことを頭の隅で考えながら見ている自分が、ちょっと悲しい...。

でも、あの「メーヴェ」の飛び立つカンジ、疾走感・浮遊感はその他の宮崎作品にはないかっこよさじゃないかなと思いました。

ボクがこの映画を見たのは、確か12歳ぐらいじゃなかったかと思いますが、今でもこの映画を初めて見た時のことは覚えています。
全くの予備知識や情報ナシで見たぶん、そのショックは大きかったです。

そして今になってもその感動は心に刻みつけられている。
結局ストーリーとしては、風の谷の平和は戻ったけど、人類と自然の共存は何も変わってなく、大国も引きあげただけでその後は何も描かれていません。

そのへんをより詳しく描くために「もののけ姫」という映画があったのかもしれません。そのくらいこの2つの映画はだぶるところがたくさんあります。

他の宮崎作品にはあるていどハッキリした「ターゲット」というのを感じられたのですが、この二つの映画にはあまりそういうものが感じられません。

「天空の城ラピュタ」は男の子、「千と千尋の神隠し」は女の子、「魔女の宅急便」は若い女性や、かつてそうであった方々、「となりのトトロ」はさらにより小さな子供、「紅の豚」は中年の男性(っていうか、もしかしたら監督自身?)。

しかしこの「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」には、あえて明確なタ−ゲットというのはなくて、あえて言えば「人類全員」という気がしてなりません。

人類と自然、ひいては「地球」と、自分たちはどう共存していけばいいのか。そういう重いテーマを突きつけておいて、その答えは示してくれない。それも宮崎監督のこれら作品の特徴になっているのではないでしょうか。
もっと難しい言葉を駆使してこの「宮崎ワールド」を紐解くことはできるのでしょうが、そんな言葉は必要なくて、ただ一つ、これらの映画を見て「面白い!!」。それぞれの年代の人たちが、それぞれの感想をもてれば、この宮崎アニメは「完成」と言えるのではないでしょうか。
『ベビーシッター・アドベンチャー』

いかにもB級コメディーっぽいタイトルですが、なんのなんの、舐めてはいけません。けっこうテンポのある、すごく楽しいアドベンチャー・コメディです。
肩肘張らずに気軽に見てみると、けっこう楽しめます。
主人公もそんな気軽なカンジでベビーシッターを引き受けたのに、次から次へと災難が降りかかり、これでもかとつきすすむ。

エリザベス・シューも可愛いくてキュートです。この人は今でも変わらず可愛いですね。最近の出演作「インビジブル」(主演:ケビン・ベーコン)はくだらない映画でしたが、もっと活躍していい映画にたくさん出てほしいな。
以前は「カクテル」や「バックトゥザフューチャー」など大型映画によく出ていたのに、最近は、上記や「セイント」など、「金はかかっているけどくだらない映画」でよく見ます。ちょっと悲しい...。

映画に話を戻しますが、サイコーにおかしいのが、主人公が子供たちと無理矢理ステージにあげられて、ブルースを即興で歌わされるシーン。名前は忘れましたが、ブルースの大物ミュージシャンがゲスト出演していて、とても楽しいシーンになっています。ボクはここのシーンが大好きでした。
あとエンドロールの終わりにも、ちょっとしたオマケがありますから、見落とさないように。ただ、これはよく映画を見ていないと、見ても意味が分からないかもしれません。

宇宙や洞窟や異次元に行かなくても、SFXやCGや変な人形を使わなくても、こんなに楽しい映画ができるという、これは見本みたいな映画。

監督のクリス・コロンバスはそういった分野が得意で、「ホーム・アローン」なんかも典型ですよね。話題の「ハリーポッター」はどういった映画に仕上がっているのか楽しみです。

ちょっと残念なのが、終わりの方になってくるとちょっと尻窄みになってきちゃうところ。やり方次第ではもっともっと楽しい映画になっていたのに、と思うとすごく残念です。あまりメジャーな映画ではないですが、これはなかなかオススメですよ。
『ノッティングヒルの恋人』

え〜、最初に言っておきますが、この映画の主人公ヒュー・グラントの演じるような男性は
絶対にいません!!

これはもう、世の女性たちに勘違いしないよう、きちんと言っておかなければいけませんね。
この物語はそういう意味ではファンタジー、いや、むしろSFと言ってもいいでしょう。女性の側から理想の男性を描くと、こうなるのかなぁ...?

そのくらいあり得ない話です。
まあでも、女性のための寓話ですから、それはそれで楽しめば、楽しい映画であることには変わりないと思います。

話はそれなりに面白い逆(?)シンデレラストーリーのようなラブ・コメディです。個性的な脇役も、約束通り脇を固めてハッピーエンドで終わる。ある意味「安心してみれる映画」だと思います。
出演も、最近コメディ映画でよくお見かけする、ジュリア・ロバーツとヒュー・グラント。
その二人が競演している映画ですから、そこそこ面白くできて、いないわけがない。

しか〜し!、これとよく似た映画で、同じジュリア・ロバーツ主演の「ベスト・フレンズ・ウェディング」という映画がありますが、むしろこれの方がよっぽど現実味がある。しかも笑える映画ではないかと思います。脇役もこちらの方がよっぽど光ってるし。
ボクなんかはむしろそちらの映画の方を勧めたいくらいですが、ま、今回はたまたま画像があったのでこの映画で...。

なんかきれいに出来過ぎているんですね、ボクに言わせれば。キレイで、女優をしていて、お金もあって、名声もあって、しかも誠実なハンサムな恋人を捕まえるって.....、それだけでなんか腹立ってくる。むしろシンデレラでは物足りないのかっていうほどです。

まあ、ですから、このジュリア・ロバーツに感情移入できればすごく楽しい映画だと思いますが、なんかボクからしたら男の方が哀れすぎて、なんか悲しくなるくらいですわ。

でも、サントラはすごく良かったです。CD買っちゃったくらい。
この映画って、むしろ男と女が逆だった方が、もしかしたら女性のウケがいいんじゃないかと思うのですが、ま、それじゃ平凡なのかなぁ...。
『ドラキュリア』

正統派のゴシック・ホラー。
強引な話の流れは目をつぶって、ちょっと新しい解釈を加えたドラキュラものです。

昔っからドラキュラものは、なんだか惹かれるものがあってついつい見ちゃうんですが、まあ普通かなってかんじ。昔見た「バンパイア・ハンター バッフィー」ていう、ハリウッドB級映画のお手本みたいなのはヒドかったなー。絶対見ちゃ行けない映画の一つですわ。それに比べると、とても丁寧に作ろうとしているのが感じられる映画でした。

「ヴァンパイア」の誕生に関して新しい解釈をつけたという意味では、なかなか面白かったです。
『映画版 カウボーイ・ビバップ』

以前テレビ番組として人気を博していたアニメーションが映画化されたのですが、なんだかものすごい人気ですね、これ。レンタルもなかなか借りれなかったし、セルDVDも売り切れ続出のようです。まあ確かにスタイリッシュな作りで、ドラマ、アクション共になかなか充実しておりましたわ。

ホントは主人公たちに感情移入でもできればもっと楽しめる話なんでしょうが、ボクはそこまでは...。テレビシリーズも、DVDをレンタルしてちょっと見てみましたが、なんだかあそこまで臭くカッコつけられちゃうと、かえって鼻についたなー。けっきょく全テレビシリーズを見る気にまではなれませんでした。

でも、その辺のつまらない映画よりはよっぽど面白くて、今日、紀伊国屋書店に行ったらたまたま売っていたので(他店では売り切れ)、思わず買ってしまいました。また無駄づかいしてしもうた...。
『ジュラシック・パーク3』

もちろん映画館でも見たのですが、やっとDVDが出ましたね。しかもトリロジー・パックも出ています。

1〜3作+ボーナスDVDの、計4枚組で1万円はなかなかお買い得。ボクはそのパックを、ポイントの貯まっていたところで買ったので、結局2000円ちょっとで購入しました。それまでにポイントが貯まるほど買い物をしていたということではあるのですが、なんか得した気分。

ということで、さっそくジュラシック・パーク3を見直してみました。
見た当時も思ったのですが、コンパクトにまとまっていて、なんだかゲームをしているかのような錯覚に陥りました。
一つ一つのエピソードが明確で、それを順番にこなしていくカンジ。で、最後には救出されてゲーム・オーバー。単純に楽しめます。家族の絆・アクション・アドベンチャー、そして生きている恐竜の生き生きとした動き。もう盛りだくさんですな。

なかでもボクが印象に残ったのは、グラント博士(ジュラシック・パーク1にも出ていた、サム・ニール演じる恐竜博士)が、翼竜に襲われて助手の若者を失ったあとのシーンで、救出された少年に言っていた言葉。「男の子には2種類いる。天文学者になりたいものと、宇宙飛行士になりたいもの。天文学者になりたいものは研究室で新しい発見をするが...宇宙には行けない。」

なにをどう、といわれても上手く説明ができないのですが、なんとなくジーンとくるシーンでした。おそらく映画のできとしては、ボクは「ジュラシック・パーク1」がいちばん映画として成り立っていると思います。この「3」は敢えて言うならゲーム世代、今時の若者向けの作りになっている、そんな気がしました。

ただ、最後のほうのスピノサウルスとの対決のシーンは、完全に「ゴジラ」のワンシーンに見えました。もしかして「ゴジラ」に対するオマージュだったりして、なんて、勝手に想像してしまいました。
『フォレストガンプ』

これも先日DVDを手に入れて、久々に見返してみましたが、こんなに面白い話でしたかね〜!

劇場で以前見ていますから2回目なのに、おもしろさに引き込まれて見入っちゃいました。「さわやかな感動」という言葉がまさにピッタリ。1回目に見たときももちろんなかなか面白い映画だったと思いましたが、今回見てあらためていい映画だと感じました。

なんといってもフォレストの魅力!映画を見ているうちにみんなきっとフォレストが好きになるようにできていますね。あんなに一生懸命まっすぐに生きている人が近くにいたら、とても楽しいだろうな。生き方としてはとても下手な生き方ですが、とても純粋で、自分自身を振り返って改めて考えさせられました。

これとすごくよく似た映画で「ガープの世界」という、ロビンウィリアムズ主演の映画があります。「フォレストガンプ」よりもかなり前の公開作で、形式としては「フォレストガンプ」とよく似た作りで、ある一人の男の誕生からずっとその人生を追うという形で、個性の強い母親が出てくるところや、生涯を通じて一人の女性を追い求めるというのも似ています。「ガープの世界」のまねをしてこの「フォレストガンプ」が作られたのでは、という噂まであるくらい。本当に真似してるんじゃないかとボクは思いますが。

ただ、ボクは「ガープの世界」はダメだったんですよね。しかも全然。

なんですかあまりに考え方が違いすぎてついていけないというか、やっぱりアメリカ人の考え方にはついていけん。
いいシーンもたくさんあって、ロビンウィリアムズもすごくいい演技をしているのですが、要となる最初・中盤、そしてラストの事件、大事なシーンがすべて感情移入もできなくてダメでした。
「ガープの世界」は実はファンも多くて、ものすごく評判がよかったので見てみたのですが、うー、これは人それぞれなんだろうなぁ。なかには「人生観まで変えてしまった映画!」として紹介する人もあったのですが、ボクは断然「フォレストガンプ」の方に軍配をあげるな。もしかしたら、むしろ「ガープの世界」を見たからこそ「フォレストガンプ」がまた面白く見れたのかもしれません。

もちろんあのジェニーという、フォレストが一生をかけて追い求める女性の生き方には全く納得ができないのですが、それなのに愛する人を許してしまうフォレスト、そのひたむきさにまた心を打たれます。振り向いてくれない女性をずっと思いつづけているその生き方に、むしろ潔さすら感じますわ。

おそらく1回目に見たときは、合成の技術であるとか、過去の有名人とフォレストとの絡みのシーンに気を取られすぎていたのかもしれません。そう考えるとホントにこの映画は見所も満載と言えるかも。作品中、出演者が語るかずかずの印象的な言葉も改めて心をうちました。数え上げたらきりがないですね。

そうそう、その中でもフォレストとジョンレノンが対面するインタビュー番組で、ジョンレノンよりも気になったことがあります。その司会者の動きが久米宏そっくり!たぶんアメリカの有名なトーク番組の司会者なんじゃないかな?誰だかわかんなかったですけど。いや、とうぜん久米宏が計算してそういうしきりの仕方を真似しているのではないかと思うのですが、一瞬だったのに「あ、久米宏だ」と思ってしまいました。

また、今回見直して初めて気がついたのですが、最後にフォレストの息子が出てきますが、あの子役、ハーレイ・ジョエル・オスメントだったんですね。今や『シックスセンス』 や『A.I.』ですっかり有名ですが、すごい小さい!何歳の頃なんだろ。お得意の泣きのシーンはさすがに出てきませんが、こんな頃からビックな映画に出ていたとは知りませんでした。

この日はたまたまテレビでは「プライベートライアン」をやっていましたが、敢えて「フォレストガンプ」を見ていました。「プライベートライアン」はご存じスティーブンスピルバーグが監督、「フォレストガンプ」はロバートゼメキス。この二人は以前からよく協力して様々な映画を世に送り出してきました。代表的な作品「バックトゥザフューチャー」なんかは、ボクの一番のお気に入り映画です。

ただ、スピルバーグとロバートゼメキス。それぞれが監督している映画を見ていると、やはりこの二人はまったくちがうなーと感じることができます。とくに最近の作品なんか見ると。(あ、ちなみに「ジュラシック・パーク3」は監督はジョー・ジョンストンという方で、スピルバーグは製作総指揮ですからお間違えのないように。)

「A.I.」でも「ジュラシック・パーク」シリーズの1&2でもそうですが、スピルバーグの映画は、もちろん驚きや感動のエンターテイメントを満載してはいるのですが、登場人物やキャラクターの中に隠されている、独特のなんというか「暗さ」があります。時にはその暗さをメインテーマにおいた映画もありますね。「カラーパープル」や「プライベートライアン」なんかはそうでしょう。

ところがロバートゼメキスの場合はまったく明るい。すごく明るくてちょっとだけほろ苦いところもある、という心からの明るさのある映画を作ります。まさしくアメリカのエンターテイメント。だから同じベトナム戦争を描いても、ロバートゼメキスの監督した「フォレストガンプ」のなかに出てくると、なんとなくみんな軽い感じ。ベタベタと悲惨さをいつまでも描かないようにしていますね。スパイ映画を作っても「トゥルーライズ」のように、コメディに近いシーンがたくさん出てきてすごく明るい。それがスピルバーグのそれに近い映画は「インディージョンズ」シリーズあたりですかね。今見ると意外にトーンが暗めな箇所が目につきます。

母に捨てられた機械少年や、違う時代に復活させられた恐竜の哀しみなどなど、けっこうそういうのをちゃんと描いて、登場人物にもそういうことを話させたり会話に盛り込んできます。でもロバートゼメキスの方はそこまでしつこくベタベタと描こうとはしません。

まあ、悪く言やあロバートゼメキスの方は単純で底が浅いと言えるかもしれませんが、映画として見たときに元気が出るのはやはりロバートゼメキスの方のような気がします。後味がものすごくいいんですね。
それに引き替え、スピルバーグの方は、エンターテイメントで楽しませると同時に、見終わったあと考えさせるものをけっこう残します。これはロバートゼメキスが根っからのアメリカ人であるのに対し、スピルバーグがユダヤ人の血を引いていることにも関係するんじゃないかな。

もちろんどちらがいいとか悪いとかいうものではないと思いますが、今回の、この「フォレストガンプ」に関してはそのロバートゼメキスという監督のカラーが、いい方向に出ている映画だったと思いました。また見たくなります、この映画。

とりあえず原作を読んでないので、原作を読んでみようかな。原作は「フォレストガンプ2」まで出ていますね。楽しみです。
『うる星やつら2 -ビューティフル・ドリーマー』

何度見ても楽しめる映画というのがあります。ボクはこの映画がそうだなぁ。

アニメーションでしか表現できないシーンが印象的で、日常のようで日常でない、そのぎりぎり限界をさまよう夢物語。アニメ界の奇才、押井 守監督の1984年公開の作品ですから、もう18年も前の作品です。だけどぜんぜんオッケーよ。やはり面白い物語というのは時代ではない。そう思います。

これだけ時間がたっているのに、DVDも発売されていないどころか、ビデオすらあまり流通していないという変わった映画です。しかも、なぜか海外ではDVDが手にはいるという。早速Amazonで調べてみたところ、確かにありました。しかもちゃんと日本でも見られるようなリージョンになっているようです。取り寄せてみようかな...。