高齢者の身体的特徴
<高齢者の視覚について>
視力は40才から減退、又色彩の感度も減退しまぶしさを強く感じる
様になります。若い頃の2倍の明るさが必要となります。
パステルカラー(いわゆる淡い色)、非常に暗い色調、ブルーとグリ
ーンの組み合わせなどは特に難しくなってまいります。
年を取ると老眼(近くの物が見えにくくなる)となるが、これは老眼
鏡で矯正できます。また、視野が黄色味がかっていくが、これは人が
作るものの色使いに配慮するしかありません。
年齢別色彩誤認(黄味誤認率がきわめて高くなります。)
シュミレーションメガネによる実験結果は以下のとおりです。
(影響なし)
緑や赤は影響を受けにくい。
階段の段が床と同色なら危険な場合もある。縁に色をつけるだけ
で改善できる。
オレンジ色の階段に白色のすべり止めは意外によく見える。
緑色と白色の避難口誘導灯はよく見える。
紺色と白色はよく見える。
日本人は藍染の紺色を好む。(良く見えて柔らかみがある。)
黄色は見にくくなるが、背景を黒にしたり、縁取りするなど工夫
をすれば見やすくなる。
透明ガラスに黄色の表示も意外によく見えるが、青はダメ。
(問題有り)
青は白や黄色に変わる。
紫は茶色に変わる。
無彩色は色がかったものに変わる。
cf.グレー一色の建物が、高齢者には実にきれいに見える。
白下地に黄色で表示したものは黄色が消える。
駅で臨時便の表示に黄色が使われているが、見えにくい。
黒下地に青色で表示したものは青色が消える。
黒いパネルのガスコンロではガスバーナーの青い炎が見づら
くむしろ消えていると錯覚しやすいので非常に危険です。
避難路の黄色が白く見える。
サインに電光表示を使うのも見やすくする工夫。
壁と床が同色だったり、同色でも濃さに差がなければ境目が判り
づらい。床の出隅入隅に濃い色を配置すべきです。
仕上げの色決めの際には、シュミレーションメガネを活用する
など高齢者への配慮を願いたい。
以上の様な色の特性を100枚のスライドにまとめています。