タイガー電気 RM-24

 私が初めて所有する古い並四ラジオ(昭和12年製)である。本体は外観・内部共に極めてきれいな状態である。また、デザインセンスも可愛らしい。全体的に美しく、比較的修復し易いラジオであり、古典ラジオビギナーでもある私にも何とかなりそうなラジオである。 


 

  

修復後

さすがに当時の製品は綺麗な木材が使われている。底蓋を見ただけで「うっとり」である。

  

 驚いたことに、検査表には昭和12年2月6日 伊予鉄道電機株式会社 西条支店のサインがあり、現 愛媛県 伊予鉄道がタイガー電機に作らせた物のようだ。また、西条支店とは現 愛媛県 西条市を指し、この当時西条市にタイガー電機の営業所?があった可能性もある大変興味深い由来である。


感度及び音質

 感度は思ったより良好であった。ローカルの民放はかなり強力に入感し、あまりに音量が大きすぎるくらいである。また、夜間になると周辺の放送局の電波強度が増加し、若干混信を感じる時がある。実用ラジオとして使おうと思えば十分な性能であるが、貴重な真空管の消耗を考えると、あまりにもったいない。
 音質については、スピーカーユニットがフィールド型、しかも振動板が軽いために比較的高域成分の多いエネルギーバランスである。悪く言えば電話機にのような雰囲気を持っているが、これはこれで、味がある。

インテリア

    

 純日本製でデザインも良いので、座敷の脇床へ設置するようにした。やはり、和風古典ラジオは和室が似合う。気を良くして暫く座敷で聴いていたが、なかなかの風情がある。やっぱり「古典ラジオは鳴ってなんぼ」と痛感する。残念なことに、家内にはやや不評である。再生バリコンの使い方に不慣れで、「今まで使っていたスーパーに比べて使い勝手が悪い」との事である。ああ、何と贅沢な・・・・


RM-24の修復記録