高欄幕

 高欄幕の図は、地元生子山に残る”日切(千切)淵”と云う話を元とした絵巻物です。「生子山城主松木三河守安村の
姫君の輿入れが決まり、その晴れ着を近郷で評判の織姫キヌに命じて織らせていました。しかし、その期限(日切)をめ
ぐる問題でキヌは精根尽き果て、織具の千切(ちぎり)を持ちながら生子山の麓の淵に身を投げました。その後、村人た
ちはこの淵を”日切(千切)淵”と呼び、生子橋の上流でキヌの日切のつぶやきを聞くそうです。」この淵は現国領川のこ
とですが以前は龍川(立川)と呼ばれていました。
 安村公(松木三河守安村之図)に責められ、千切を持って身投げしたキヌ(キヌ之図)が、恨み(般若之図)を持ち龍川
(阿形之龍)に宿っている図を表現しています。
 特筆点はキヌの晴れ着刺繍と安村公の鎧刺繍が絶品です。また、般若を飾り幕に模している祭事山車は、当太鼓台
と飛騨高山祭りに奉納されるなかの一屋台などで、全国的にも珍しく特徴ある幕となっています。
幕製作
京都萬栄織物
合田武史


 
        

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