講演

自動車運転と健康管理


交通安全と成人病(その2)

次に成人病のもっとも問題となる糖尿病ですが、戦後わずかしかなっかた糖尿病は、この飽食時代に至って急増しています。簡単な尿検査で、私は糖がでていないから大丈夫と考えるのは危険です。現代人は人間が生きていくためや、仕事をするためのカロリーよりも多く食事摂取するために、境界型糖尿病が非常に多いとされていますし、私なんかもそれを日常の診療で実感しています。要するに体を使って消費するカロリーよりも摂取カロリーの方が多い、すなわち食べ過ぎなのです。

40歳を過ぎれば、やはり健康診断で検査をする必要があります。糖尿病を放置して、もっともこわいのは網膜症を起こし、最悪の場合失明しますし、腎不全をおこし、人工腎による透析をうけるようになりますし、神経症をおこし歩けないようになります。最近の研究では糖尿病の人は、免疫力が低下するために、癌との関連性が注目されています。また突然意識がなくなることもあり、これも車運転中では大事故となるのです。
 喫煙は肺ガンだけの問題ではなく動脈硬化や心臓病と直接結びつき、これは自分だけではなく周囲の人にも影響を及ぼすために禁煙の方向にできればもっていきたいものです。現代人は病気のあるなしにかかわらず食餌療法に目を結びつける必要があります。食事療法は短期間でも効果が上がります。一般的には体重1kgあたり30kcalですが職種によって多少異なり家庭の主婦は今後研究する必要があります。


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