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飲んだ数だけ物申す「どら息子」のワイン講座

ごあいさつ
はじめまして、「どら息子」でございます。不定期更新の予定ですが、月に一度のペースでいろいろな ワイン雑学や裏話を紹介していきましょう。最近のワインブームのおかげで、雑誌やテレビなどでいろ いろとワインについてはご存知でしょうが、なかには間違った表現、うそばっかしの記事が横行してお ります。このホームページを見てくれている人たちのみ(特にワイン初心者)に「正しい」ワインの選 び方、飲み方を御伝授致しましょう。そしてちょっぴり裏話も。
第1回 所信表明演説?「Grand Vinしか飲めない悲しき日本人」

あなたはどんなタイプのワインが好きですか?
甘口か辛口か?赤か白かロゼか?フランスかイタリアかそれとも最近流行りのチリ?
現在日本に輸入されているワインの中から、あなたはどうやって自分の好みにあうワインを探してます か?
身近なところで本や雑誌、テレビなどのメディアを通じて情報を仕入れているのが現状ではないでしょ うか?

ところが最近の雑誌やテレビで紹介するワインの紹介内容(コメント)には問題があります。
コクがあるとかキレがあるとか、香りがまるで○○のようだとか、表現はいろいろあるでしょうが、す べては「おいしさの内容」を表わすものです。
では「誰にとっておいしい」のでしょうか。甘口の白ワインもフルボディーの赤ワインも最終的には 「飲みやすく、おいしい」らしいのです。

確かにすべてのワインはおいしいはずです。
でも、これは読み手(飲み手)の立場に立ったコメントではありません。
辛口で世界的にポピュラーな葡萄品種 Chardonnay(シャルドネ)を使って作ったワイン、 Oc(オック )を例に挙げ、甘口好き、辛口好き、超辛口(あるいはヘビーな赤ワイン)好き、に分けてそれぞれの 立場に立ったワインコメントをつくってみましょう。

甘口好きなあなた「オック」・・・シャル ドネ種からつくられた辛そうな香りのやっぱり辛口。まず酸っぱさが口に広がり、こめかみのあたりに 深くシワが刻まれる。出来ればもう二度と飲みたくないタイプの白ワイン。
辛口好きなあなた「オック」・・・シャル ドネ種からつくられたフレーバーいっぱいの、鉱物を含んだような独特の辛口。スッキリした口当たり が素晴らしく、決して飽きのこないワイン。
超辛口好きなあなた「オック」・・・シャ ルドネ種からつくられた軽い香りと味わいを持つやや辛口。コクやキレは少なく、あまり飲んだ気がし ない、まるで水のような「うす〜い」白ワイン。

とまあこんな感じになります。
甘口好きと超辛口好きの人にとってはマズそうに感じるコメントですが、その人たちが飲んでみたらほ ぼこんな感じではないでしょうか。
・・・でもこんなコメントを書くバカはいません。もし雑誌などで上記の表のような記事を書いたら、 ワインは売れなくなるのは間違いなく、記者はクビでしょう!万が一フランス政府の知るところになっ たらシラクが核ミサイルを日本に向けて撃ち込んでくるかもしれません。
したがってやはりそのワインを、そのワインをおいしく感じる人たちにあわせたコメントで表現するし かありません。だから初心者はワイン選びで迷うのではないでしょうか。

ネット上でよく見かける「シャトー・○×○×'93・・・メドック地区第2級・・・¥12,000」など というGrand Vin(グラン・ヴァン)を初心者がいきなり飲んで、その良さがすべて分かるはずがあり ません。(おいしいのは確かですが・・・)
ですから、まずは理屈抜きであまり高くないワインを飲んでみてください。その中からいくつかのお気 に入りのワインが見つかるはずです。
大切なのは「自分の基準」をつくることです。あなたにとっての「おいしい」ワインとは何か? 『甘口 あるいは辛口、もしくは○×○×という銘柄のワインが好き!』という基準さえあればいいのです。
多少違った味わいのワインが飲みたくなったら「基準」のワインより辛め、あるいは甘め、と指定して いただければ、当店ならあなたの好みやご予算に合ったワインをご紹介する事が出来ます。なぜなら私 は一般人よりも多少はワインの味を知っていますから。

ワインというものには確かに難しい所があります。
深く知ろうとすればするほど、調べようとすればするほど新たな発見があり、かえって深みに入ってし まいます。
なにしろ星の数ほどの種類があり、一生かけても知り尽くすことは出来ないでしょう。
・・・だから本当にワインのことを愛する人たちはワインに関してすごく謙虚なはずです。「知ったか ぶり」や「専門家ぶり」する人が日本には多すぎる。もっと理屈抜きでワインを楽しんでもらいたいも のです。


長たらしい文章の最後まで御読みくださいましてありがとうございました。今回は「所信表明?」とし て少々カタイ内容になってしまいましたが、次回からはもう少しフランクな内容でお送りしたいと思っ てます。ご期待下さいませ。また、取り上げて欲しい話題 や、ワインに関する質問もお待ちしております。

プロフィール
佐竹卓也・・・昭和42年 酒屋の息子として生まれ、現在に至る。平成2年から「Y氏夫妻」に師事 しワインに目覚め、ワインばかり飲みつづける。その時期「ビールは苦くて飲めない。」との発言で、 周囲から「あいつはガキだ。」との噂が立つ。ワインの飲みすぎでウエストサイズがかなり増えたらし い。平成7年と11年にフランスとイタリアにワインセラー見学と称して仕事を放棄して逃亡。周囲から 「どら息子」と呼ばれる。現在までに飲んだワイン総量は800本オーバーらしい。と言うのも本人はも う正確な本数を覚えてないらしく、周囲から「アル中」ではないかと疑われている。最近のワインブー ムを冷めた目で見ている。ブームではなく本当にワイン好きなお客さんに出会うと無性に嬉しがる、少 しさみしがり屋のおひつじ座生まれの32歳。A型。妻あり子供はまだなし。でもファンレターはこちらへ。

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