自然気胸

 肺に起こる病気のうち、比較的若い男の人に多いものに“自然気胸”という病気があります。自然気胸とは肺に風船のような袋ができ、それが破れることによって空気が漏れて肺がしぼんでしまう病気です。他の肺の病気のために起こる場合もありますが、多くは前ぶれのない突然の胸痛や息苦しさで発症します。
 この時は胸に管を入れて漏れた空気を続けて吸うことでしぼんだ肺を膨らませ、破れた穴が塞がるのを待ちます。これらは迅速な治療を必要とする場合が多いため、レントゲン写真などで早く診断してもらう必要があります。ただ先程述べた空気を抜くだけの治療では再発率が30〜60%ともいわれており、繰り返すものやひどいものに対しては手術による治療が必要です。

 
以前は胸を大きく切って手術していたのですが、最近は“胸腔鏡”という細いカメラと道具を使って1cm位の小さな傷だけでできる手術が普及してきています。再発する可能性もほとんど大きく切ったときと変わらず、手術後の痛みが少ないため社会復帰が早いことや、美容面で優れていることなどが特徴です。しかし、特殊な器械や技術が必要なことや、わずかではありますが大きく切るよりも再発率が高いことが問題点です。今後これらの問題も徐々に解決し、さらに発展していくものと思われます。

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