「 江戸わずらい(脚気)」とは

 日本人の主食と言えば米ですが、現在の様に白米を食べるようになった歴史は浅く、江戸時代以降と言われています。それ以前は、胚芽やぬかのついた「玄米」と言う黒っぽい米を食べていました。玄米は、白米に比べて味や消化率は劣りますが、栄養分に富み、特にビタミン類が豊富に含まれています。そして、玄米に含まれるビタミンが不足して起こる病気が、「脚気(かっけ)」です。この病気は、「江戸わずらい」とも呼ばれ、長らく原因は不明とされていました。と言うのも、「ビタミン」と言う概念が、世界中どこにも無かったからです。

 さて、脚気の症状としては、足のむくみやしびれ・痛みなどがありますが、診断はどの様にするのでしょうか?一番簡単な方法は、ひざの皿のちょっと下を軽く叩き、「けん反射」を見ることです(図1)。脚気にかかると、この「けん反射」が起こらなくなります。

次へ