日印友好協会趣意書


                  発起人代表 大阪国際大学教授 岡本幸治

                        愛媛大学教授   戸澤健次

 日本とインドは数千年に及ぶ長い歴史の中でさまざまに関わり合い、友好関係を育んできました。特に、仏教発祥の地、精神の源流としてのインドは、日本人の心に潤いと深さをあたえました。しかしながら、第2次大戦後の国家の基本政策の相違により、日印関係は一時的に疎遠になりました。日本の知識人、読書人のインドに対する関心は、ごく最近まで古代の遺産に偏り、現代的な関心があっても、経済問題に集中するきらいがありました。1980年代のラジブ・ガンディー首相時代からの経済政策に明確な変化が見られました。ソ連寄りの政策から自由主義経済を導入する経済自由化が始まったのです。1991年に現在のナラシマ・ラオ政権が樹立すると、自由化は確固たる政府の方針となり、この流れの中で、日本企業のインド進出が増大しつつあります。しかし、日本とインドとの人的・文化的な交流は、依然として緊密には至っていない状況にあります。インド旅行と聞くと、おおかたの反応は「なぜ?」とか「珍しい」というものであり、インド旅行はヒッピータイプの若者が精神的な何かを求めるものか、好奇心の強い人が探検的冒険を敢行するものという認識が一般的であります。そろそろ日印の民間交流は平常ベースで肩肘に無用の力の入らない友好関係に入ってもいいのではないでしょうか。愛媛大学では岡本幸治(現在大阪国際大学教授)が上述のインド理解に基づき、1981年より毎年、学生を連れてインド旅行を継続してきました。岡本が関西に赴任して以来は戸澤健次が隔年に学生とのインド旅行を継承して来ました。15年にわたるインド旅行を通じて、インドの友人も着実に増えました。そんな矢先、故Mr.R.K.Gargインド最高裁シニア弁護士や、Mr.Rakesh Dwiediウタッル・プラディッシュ州司法次官のような親しい友人が、日印の民間交流促進の団体を設立しようと申し出てきたのです。そこで、数年の準備期間を経て、インドではThe Organization Of Friendship Between India and Japan(略称 OFBIJ)が1996年1月に設立され、さらに日本では同年、日印友好協会(The Japan-India Friendship Association 略称 JAIFA)を設立する運びに至ったわけです。本会では他の日印間の友好促進団体とも連絡をとりつつ、これまで積み重ねた友好関係の実績の上にさらなる友好を築き、人的交流・情報交換・相互協力などさまざまな面で寄与しようとするものです。インドを旅した、インドに縁した、あるいはインドに関心をお持ちの各界各層の日本人に、広く呼びかけます。日本がアジアとの絆を深く確かなものにするために、そして21世紀を真の「アジアの時代」にするために、是非ともこの趣意にご賛同いただき、共に日印友好協会の新時代に向けて歩み始めようではありませんか。


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