北欧の旅(3)国立博物館
 デンマークの首都にあるコペンハーゲン博物館は収蔵品数で国内第一で、その種類も世界各地の古い美術品、工芸品、民具と多岐にわたっており、見応えがあるといわれております。
 これが国立のコペンハーゲン博物館です。庭の中央に置かれた大きな石は古代の遺物のレプリカのようです。デンマークは世界有数の漁業国ですが、昔は林業が盛んでした。古代の人々は石の表面に色々な記録を残していました。博物館は入場無料で、朝10時から夕5時頃まで開館してました。
 最初の展示室は「デンマーク地方の歴史」です。材木を伐採するための「まさかり」や木の割れ目に打ち込んで木を倒しやすくする道具(タガネの類)、材木を馬で運び出したのですが、馬に蹄鉄を付けるための道具などが展示されています。右の写真は木材加工に使われた道具類です。時代的にはローマ時代のものです。日本で使われていた「ちょうな」に似た道具もありました。
 ここには、昔の大工道具の各種が展示されていました。のこぎり、のみ、金槌、釘抜きなどの類です。この国で産出する主要な材木は杉と松です。加工に適した木材が産出したこと、土地が平坦で木材の搬出に容易だったことが林業の発達を促したようです。
 ここは「世界のさなざまな民族」のコーナーです。東洋的な風景を織り込んだタペストリーです。ペルシャで使われていたものです。右の写真はヨーロッパの貴族の部屋を再現したものです。
 ヨーロッパ中世のタペストリーです。右の写真はロシア正教のイコンです。「最後の晩餐」を描いたものです。その他、ロシア正教に関する遺物も多数展示されていました。
 昔の石版です。文字の書き方が独特です。上から書き始めて下まで行けば下から上へ書き進みました。表面の形状が一定でない石に文字を間違いなく記録するための工夫でしょう。音楽の楽譜に似た模様を彫り込んだ石もありました。右写真は毛皮に描かれた地図です。人型のマークは人口を表しています。
 やがてキリスト教が広まると聖人の偶像が沢山作られました。右写真は当時の教会で使われていた祭具です。デンマーク人は信心深かったようです。
 バイキング時代の武器です。当時使われていた船は手漕ぎの底の浅いものでした。それらの残骸も展示されていました。武器としての銃の使用も早かったようです。
 デンマークは土地が痩せていて農業に適さないため、最初は交易のため国外に出掛けていましたが、略奪を始める集団も出てきました。そのためか、武器や武具の発達は早かったようです。右写真は日本の甲冑です。
 これは日本の上流階級の人たちが使用した駕籠です。右写真は中国製の陶磁器です。かなりの量が雑然と並べられていました。時間をかけて見ていくと色々と面白い発見があると思いました。