令和4年4月23日(土)・24日(日)松山城二之丸史跡庭園で草月会愛媛県支部のいけばな展が開催されました。

 
 

慶長5年(1600)関が原の戦いで戦功を挙げた加藤義明が徳川家康より松山の地を賜り、慶長7年より築城を始め25年余りをかけて1635年に城(本丸)が完成。その後を引き継いだ蒲生忠知が二之丸を完成させました。その後落雷や戦災等で城の施設の大部分が失われましたが1992年に二之丸跡が復元されました。歴史的に由緒のある場所であるので、花展会場は豪壮な雰囲気につつまれていました。

 
 

左は展示室の全景です。広々とした展示場ですが、作品には展示室の広さと雰囲気に負けない存在感がありました。さすがだと思いました。右は原田晴美先生の作品です。

 
 

型にとらわれず自由に個性を作品に映し出すことを基本理念にしている流派の作品だけあり、見る人を圧倒する迫力を感じます。

 
 

左の作品のピンクの花は、昨年愛媛県で開発されたサクラヒメです。右の作品の主材には、ウクライナの国花のヒマワリが使われていました。時勢が反映されると感じる参観者もいました。

 
 

庭園入り口には草月流愛媛県支部長の栗林梅光先生の作品が置かれていました。入口を入ると、庭園のメインである聚楽亭です。

 
 

ここでは展示室の作品とは、花器や花材が異なっており、聚楽亭の和の雰囲気に合わせていました。3点の作品が展示されていました。見る人を魅了しました。

 
 

聚楽亭の前の建物跡には水をたたえた水槽を設け、当時の建物の規模や構造が想像できる仕組みになっております。聚楽亭の前には竹を使った大作が置かれていました。作品は庭園の新緑に包まれ一段と存在感が増し、この花展のテーマである「天空を仰ぐ」を彷彿させました。

 
 

時折小雨の降る生憎の天候でしたが、熱心な参観者の姿が見られました。水槽を生かした作品も好評でした。作品を作った人は1、5メートルの深さのある水槽に入っての作品制作だったので大変だったと思います。

 
 

素材の圧倒的な質感に感動しました。草月流の理念の一端が理解できた気がしました。

 
 

草月流の全国を巡回している花展は、先週香川県でミニいけばな展「花遊覧」を開催したばかりです。関係の先生方お疲れでございました。立派な作品を沢山見せていただき有難うございました。