JARVIS 通信5月上旬



5月10日(水)
 最近、疲れが出ているので、とにかく短い時間でも横になるようにしている。横になってテレビを聞いているのだが、これが結構ヒヤリングの勉強になる。おかげで元気を取り戻しているのだが、ここではただテレビを見るだけでも勉強になるのがなかなか良い。確かに、日本でもCNNなどの海外放送を見ることは出来るが、どうしてもそのあと日本語の番組を見てしまうので、効果が半減する。ここではまともな日本語を耳にするのがとても困難であることを再び感じる。
 

5月9日(火)
 いま試験問題のチェックを進めている。HTMLで作ったのだが、これは結構良いやり方である。ワードはどうしても重いし、分けの分からない機能が多すぎて混乱する。テストは4枚にわたるが、最後は解答欄だけなので、実質的には3枚である。しかし3枚丸々埋めるのは結構大変だった。これが終れば来学期の準備ということになるが、まだ具体的に話があまり進んでいない。大分に帰ったら少し旅行したい気分である。
 

5月8日(月)
 ようやく春学期の最終試験の問題の原案を仕上げる。後はチェックするのみである。連日のお仕事でややお疲れ気味ではあるが、私のインターンお仕事もこれでだいたい終るわけである。問題の作成で苦労したのは、その形式を選択式にしたために設問数を多くしなくてはならなかったということだ。このような設問の形にしたのは、生徒のレベルがあまり高くないせいもあるが、何よりも生徒に日本語の助詞の使い方になれてもらいたかったからである。英語のネイティヴにとってこの助詞はかなりの難物である。英語の前置詞の場合と語順が逆になる上に、日本語という言語における役割の重みが格段に違うからである。英語などの印欧語はどうしても動詞が中心となる。英語は前置詞を多用するのでかなり膠着語に近いといわれているが、感覚的にはやはり日本語とは程遠い。日本語では助詞を示すだけで動詞を省略できるが、英語はそこまでではない。
 

5月7日(日)
 金曜から土曜にかけていろいろとあったものだから、かなり疲れが出た。夕方はずぅーと寝ていた。しかし、それにしても暑い。すでに夏が来たという感じである。私の方は、多少の疲れにもかかわらず、来週のテストの準備のをした。カレッジはあと一週間で夏休みである。本来なら、すでに休みというところだが、例の断水のために一週間延びたのである。おかげで食堂がその分長くあいてくれるので助かる。いずれにしても、大分に帰ったら、もう一度梅雨を過ごさなくてはならない。夏の初めを二度体験するという感じか。
 ところで、今日久しぶりに「魔女宅」を見た。もちろん英語である。キキがウスシラに再会するところからだったが、私が《Anime Key WORDS Hunter》で触れた「血」のフレーズは「spirit」と訳されていた。また、ラストテーマは松任由美の曲ではなく、他の英語の曲に差し替えられていた。声優についてはだいたい日本の雰囲気とあまり変わりがないが、キキの時折見せる内気なセリフよりもナウシカのように何かに立ち向かう時の声が目だったのはやはり英語版というところか。私は宮崎アニメの中では「魔女宅」しか見ないが、それは他の作品の多くが物語というよりは場面によって成り立っているからである。「ナウシカ」は確かに物語だったが、多少話のケリのつけ方に強引さがある。「トトロ」はよく評価される作品だが、物語というよりは良き場面の連なりという感じである。「平成狸合戦 ポンポコ」に至っては物語を無理をして構成しようとしたために、出口のない息苦しい話になっている。世の中にはアニメや文学が結構氾濫しているが、物語と言えるものは非常に少ない。多くは人を感動させる場面の集まりか表現の集積である。このようなものを以って世の中が分かった気になられると実に危険なのだが、このことはほとんど意識されていないのが現状のようである。他方、真に歴史に残るような場面には物語がある。「スペイン追想:マドリーにて」で触れたベラスケスの絵などはその典型であろう。物語は構成(Einbildung)されるべきものであるから、多様な部分による統一性を前提としている。たとえそれが断片であっても、それが何らかの統一を示唆するものであれば、そこには物語がある。
 

5月6日(土)
 今日ロータリークラブで今度日本を訪ねる高校生たちに日本語を教えた。簡単なあいさつや自己紹介、困ったときのフレーズなどを教えたが、結構好評であった。特に、最後に箸の使い方を教えたのだが、これはかなり受けた。このロータリークラブによる相互訪問は毎年行われているが、毎年日本語を習えるわけではないらしい。せっかく外国に行くのだから、少しはその国の言葉を知っているとだいぶん違うものである。今回はあまり時間が取れなかったが、電子メールやカセットなどで補充をしたいと思う。残念ながら、次回のロータリークラブの会合が来月であるため、私はこれに出席できないが、何かしら協力ができることであろう。
 

5月5日(金)
 今日、タイラーの First Baputist Church 教会でインターナショナルパーティというのがあった。以前から話のあったロシアの方とも会えた。いずれにしてもアメリカにはいろんな所から人が来ているものだと感心する。ロシア語は分からないが、ドイツ語やスペイン語を使うこととなる。日本からも大阪の女子高生が来ていたが、英語がうまいのには驚く。ついでに関西弁も使った。いつも教会でお世話していただくメアリーさん・ビルさん夫妻は長い間大分にいたので、かえってから大分の教会に伝言も兼ねて行くことになりそうだ。しかし、スペイン語もドイツ語も使って見れば通じるものである。
 

5月4日(木)
 本当に梅雨のような天気模様である。雨はそう長く降り続かないのだが、かなり湿気がある。たまにはトルネードや雹も降るし、天気はかなり怪しい。嵐の後はからっと晴れるのだが、長続きしない。季節の変わり目はどこでもこのようなものだろうが、ここは短期的に天気が変るのた特徴である。
 

5月3日(水)
 今日、雹が降った。トルネードは来なかったが、凄い天気だ。ただ、嵐は短期間で過ぎ去るのがここの特徴である。何となく今がここの梅雨という感じだが、夏はもうすぐ来るのだろうか。
 

5月2日(火)
 今日遅れ馳せながら「エンデの遺言」をだいたい読み終わる。いろいろと考えさせられるが、焦点はいかに地域通貨が補完通貨として一般通貨と競合できるかだろう。森野さんに確認の上で、コメントをHPに掲載する予定である。
 

5月1日(月)
 今日 Statser さんにビザのことをHPで調べてもらったのだが、アメリカでは私の持つJ1のビザは発給されないらしい。関係書類を日本でどう取り寄せて良いか分からなかったので、少し慌てた。幸いにも、HPを通じてこの手の書類が旅行代理店を通じて手に入ることを知る。そろそろ次の準備をしなくてはならない。しかし、いずれにせよ1ヶ月後には日本にいるのだな〜という感じがする。
 一方、ケーブルテレビの修理をエドワードさんを通じて頼んだのだが、いつのまにか直っていた。どうも直っているかどうかの確認をする際にケーブルをよくテレビに接触させていなかったので、発見が遅れたようだ。明日、また電話をしてもらわねばならない。せちー話である。
 
 

[ことばのこと]