ユニバーサルデザインへ
<障害者の点字ブロックについて>
<バリアフリーからユニバーサルデザインへ>
(バリアフリーの死角)
(スロープ)
一般玄関と別に設けられたスロープは不便で不快なだけでなく、
外部スロープの下場には、雨水処理の溝があり、格子状の溝蓋が
(トイレ)
(点字ブロック)
(階段)
4点の改修により、事故がなくなったようです。
車椅子利用者や高齢者には、段差がないに越したことはない。不適
階段を全てスロープにした場合。
都庁外部階段の白い花崗岩貼り階段では、段先を濃い茶色により
94年以降、不特定多数の人が利用する建物に、高齢者、障害者へ
しかしながら、いまだ障害者が本当に望むものとはかけ離れた、あり
障害者用をうたいながら、係員に鍵を外してもらわなければ使えない
階段の上り下りは、係員が車椅子ごと担ぎ上げて運ぶという「バリア
「人的介護は蓄積にならない。ハードの整備は、その場は、カネがか
都庁舎跡に建設された東京国際フォーラムのスロープ入り口には「車
単に目的の場所へ行ければよいというものではない。車椅子利用者も
障害者のためのアクセス確保の意味合いの強い「バリアフリー」とい
代わりに広まろうとしているのは「ユニバーサルデザイン」の考え方
「設計の中に最初から障害者への配慮を取り込んで、一体のものとし
< ま と め >
情報はたくさんあってもしかたありません。何か目標を据えて進めて
視覚障害者用誘導と警告ブロックがあります。
誘導ブロックの突起の方向により、視覚障害者は方向を決める。
交差点などでブロックがどぎれる場合、その貼り方がまずければ違
った方向へ誘導してしまう。
歩道にブロックがあり、施設にブロックがあっても入り口でつな
がっていなければ意味がありません。
分岐点で警告ブロックの幅が狭いと、分岐点であることが判らな
い。つえが引っかかるためには、標準的な30p幅ではなく、60
pは必要です。
身体障害者や高齢者の利用を配慮して、様々な対策が建物に施さ
れるようになった。しかし、せっかくの工夫も、利用者の側から
はありがた迷惑な点も多々生じています。 スロープ・トイレ・
点字ブロック・動線計画・階段の5項目で考えて見ます。
車椅子でスロープをのぼり終え、重たい鉄の扉を手前に開けると
またスロープが続き、この間一箇所も踊り場がなく、ずり落ちる
恐怖との戦いであった。
これは、介護者がいる場合を想定して、既存建物に後付けで設け
られた場合のスロープでよくある例です。
ハートビル法等での規定では、勾配は12分の1以下だが、車椅
子利用者にはきついので、20分の1以下とすべきです。
火災など万一の時に危険です。
「避難する際に、玄関に向かって逃げる一般の人に車椅子の人が
ついていくと、出口のところで障害者が出られないと言うことに
なる」
あるが、目の粗い物では乳母車や車椅子のタイヤが溝にはまって
動けなくなる。
手洗器と手摺が邪魔で動けない。
設計の際には、まず手摺の位置を最優先し、次に、両手を必要と
するトイレットペーパーなどを使いやすい位置に置くのが望まし
い。 片手で操作できる洗浄スイッチなどは少し離れていてもか
まわない。
一部施設で見かける入り口扉がカーテンだけでは落ちつかない。
視覚障害者(弱視者が7割)の方は色が頼り。
視覚障害者の多くは、街を歩くときに点字ブロックを目で見て
確認しながら歩いている。
多くの点字ブロックの色は、晴眼者にとってはすっきりと収まっ
ていてきれいに見える「景観配慮」だが、弱視者にはとんでもな
い迷惑となっている。
91年に竣工した東京都庁舎でも、点字ブロックのほとんどは周囲
に溶け込んだ色だった。
96年秋の福祉のまちづくり条例の発効にともない主な点字ブロ
ックを黄色に塗装する工事を施されました。
見えない段差に足を踏み外す。
コンサート会場で催し物が終わって客が退場する時に事故が頻発。
ここの階段は3歩あるいては一段降りる4段階段で、周辺の彫刻や
催し物案内パネルに気が取られるところ。
事故の発生は、出館時、第一段目を降りるところでのミスが大半。
「4段を3段に」・「手摺を設ける」
「下りる手前に色を違えた点字ブロックを貼る」
「段先の色を違える」
切な段差は危険。
腰や、足首を痛めている人は、姿勢を傾けなければならないスロー
プを苦手とし、むしろ段差数の少ない階段の方が上り下りしやすい。
改修工事がなされた。
の対応を努力義務として求めた。
がた迷惑なバリアフリー対策が横行している。
エレベーターやトイレの設置例も多い。
フリー対策」もある。
かるが、社会資本として残る。」
椅子の方はホール中央部より、エレベーターをご利用下さい」の表示
があります。
ここのスロープ勾配は車椅子対応となっていないため、親切な表示だ
と言えます。
エレべーターが車椅子対応のため、階毎の移動は問題なく、その意味
では「バリアフリー」は達成されている。
一般の人と同じ経路で建物を利用したいのです。
これからは「スロープで行きたい人はスロープで、エレベーターで行
きたい人はエレベーターで。ひとつの道で解決するのではなく、複数
の道を提供することが望ましい。」
う言葉自体を嫌う向きも現れ、従来の建築設計に障害者対応策を付加
する方法では、いつまでたっても限定された使い方しか出来ない。
です。
て設計する」
求められているのは一部の特殊な人への対応ではなく、すべての人に
対しても快適である空間をつくることなのです。
高齢化の問題は広い視点からとらえる必要があります。高齢者の変化
には運動能力の衰えと視力や聴力の衰えがあります。
また、高齢者が住まう住宅には感性にうったえるもの(自然や緑、庭
に面した部屋、日当たりの良い部屋)も必要です。
いくこと。ひとつの体験をきっかけにすること。こうしたことが大切
です。
越智 省二