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秦 淮に泊す 杜 牧
煙は寒水を籠め月は沙を籠む 夜 秦淮に泊して酒家に近し 商女は知らず亡国の恨み 江を隔てて猶唱う後庭花 |
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七言絶句(下平六麻韻)沙・家・花
【語 釈】 ★秦淮=川の名。金陵(今の南京)の南側を 長江へ流れてゆく堀。 昔、秦の始皇帝が山を切り開いて通した。 ★煙=もや。夜霧。 ★籠む=たちこめる。 ★寒水=冷たい川の水。秦淮の河の水をさす。 ★月沙を籠む=月の光が白く照らしているいる 砂地の様子。 ★酒家=料亭。 ★商女=酒をすすめ歌舞で客をもてなす妓女。 ★亡国の恨み=陳の国がが滅んだことへの恨み。 ★後庭花=「玉樹後庭花」という歌曲の略名。 【通 釈】 夕もやは、冷たい秦淮河の水の上にたちこめ、 月は川岸の砂を照らしている。今夜は秦淮の河に 舟泊りをしたが、川の向こうに料亭がある。 妓女たちは、昔、ここを都にした陳の国の亡んだ 歌とも知らず、玉樹後庭花の曲を歌っている。 【解 説】 夜、秦淮の川に舟を浮べて泊まり、岸の向こうから 料亭の妓女たちが、客を相手ににぎやかに歌って いる、玉樹後庭花を聞き、感慨にふけっている。 今の、のどかで平和な時代を連想させる。 |