1.キャスト弾頭への加工
ライマンのSabot Slugを一番良く利用していますが、出来上がった弾頭をそのまま用いるのではなく、少しでも命中精度を向上させるために、下記の加工を施しております。
門外不出の○秘加工を公開します。  ・・・  (^。^)v

2.ギザギザ加工(銃口サイズによってはきつくなりすぎる場合がありますので注意してください)
既にLYMANサボットを利用されている方は弾頭へのギザギザがなぜついているか気になったと思います。これは弾頭に確実に回転を与える目的で付けてみました。
ワッヅ付きのサボット弾が銃身の内部を通過するとき弾頭とライフリングの間には2つの層が存在します。1つはライフリングとワッヅ間です。この層ではライフリングにワッヅを食い込ませワッヅに回転をかけています。もう一つはワッヅと弾頭間の層です。この層で滑りが発生するとせっかくワッヅに回転がかかっても弾頭は回転しない事になります。
ワッヅと弾頭間の滑りを無くする目的で加工しています

弾頭ギザギザ加工

弾頭ギザギザ加工

加工方法は至って簡単です。2本の金やすりで弾頭を挟み込み、体重をかけながら金やすり上で少し転がせば加工完了です。
銃口から出た後に今度は弾頭とワッヅの離れが悪くなるのではないかという懸念も有りますが、実際に使用した感じではそんなことも無いようです。

それよりも、この加工では弾頭サイズが、少し膨れますので自分の銃口サイズに合う様なワッヅとの組み合わせが必要です。

加工方法

 

3.お尻への詰め物
LYMANサボットは弾頭のお尻の部分が空洞になっています。これは弾頭の重心を前方に持って行くことで、飛行を安定させ横転しないようするためですが、発射時の爆発エネルギーに負けてこの空洞部が変形してしまい命中精度を悪くしているのではないかと考えられています。(鉛の純度が高いと柔らかくなりすぎ簡単に変形してしまう)
実際、市販スラグ装弾などではこの空洞部にはプラスチックで型どった、詰め物がされており、銃口から発射された後は直ぐに外れるようになっています。
市販装弾ではプラスチック型も鋳型があり大量生産されているのでしょうが、リロードした弾頭にはそんなものはありません。
そこで変形防止の詰め物として、シリコンやグルーステックと呼ばれるナイロン樹脂で詰め物を行っています。但しどちらも接着効果があるため、弾頭から外れることは無く、そのまま一緒に飛行します

コーキング材

シリコンコーキング材での詰め物

ホットメルト

グルーステックと呼ばれる接着材での詰め物

詰め物には接着効果がある為、リロード時にはワッヅとの離れを良くするため、お尻の下(詰め物とワッヅの間)に紙等を敷く必要があります。

 

4.お尻への詰め物分離タイプ
 3.の詰め物の場合、弾頭へ詰めた内容物は着弾まで離れることなく弾頭と一緒に飛行しますが、弾頭と詰め物を分離するタイプの弾頭を作ってみました。理論的にはこちらの方が重心が前に行くため飛行は安定します。
 作り方は簡単です、原材料はあぶら粘土とグルースティックを利用します。

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「あぶらねんど」に
ブスブスとLYMANの尻の部分を差込み、型を取ります。

粘土は文具屋さんで売っています。

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取った型の中にグルースティックを流し込み、固まり後取りだします。

バリが出るので後で
カッターで整形します。

かなり綺麗にできます
市販並 >^_^<

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弾頭のお尻にすっぽり入る詰め物の完成です

詰めた状態:右端

左から
:2.5mm穴
:5.0mm穴
:6.0mm穴

しかし、これでは詰め物は取れませんそこで弾頭の中心部(家庭用のボール盤ですので精度はいまいち)に穴をあけ空気の流入口を作りました。これだと弾頭が銃口から出た時点で空気が流れ込み詰め物+ワッヅをすばやく除け去ることが可能になります。
詰め物をしなくてもワッヅの離れを良くする点では穴あけ加工は非常に有効と思います。
ただし、弾頭に対して如何にセンターを合わせ穴を開ける事ができるか。また垂直に開けることができるかが一つの鍵と成ります。→穴あけの専用冶具を作成しました。またこの専用冶具を作成者にお願いし、欲しい人にはオーダーメイドでお譲りできるようになりました。

空気の流入口としては当初2.5mmで考えていましたがその後5.0mm及び6.0mmのかなり大きなサイズの流入口を開けてみました。穴の先端にも少しテーパーを付けたりもしています(^。^)
穴開き弾頭は。効果がありそうです、50m/5発/4cmの自己ベスト結果がでております、試射結果を見てください。

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穴の状態

向こうが見えます

また穴あけ加工をしない弾頭の場合を考え下記の様に、ワッヅに直接詰め物を接着しワッヅと共に取れる仕様のものも有ります。

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ワッヅに直接接着

絶対に離れないようにワッヅと詰め物の接着面に千枚通しで小さな穴を開け、エポキシ系の接着剤で接着しました

 

(失敗例)
粘土を使う前は、弾頭空洞部にグリスを塗り、その中に詰め物をし、ワッヅと引っ付けてから、詰め物が硬化した時点で弾頭を引き抜けば、弾頭と詰め物が分離すると思ったのですが、実際にはグリスではダメでした。ワッヅに穴まで開けたのに弾頭から詰め物は取れませんでした。(~_~;)

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失敗例

弾頭から詰め物が
離れない

穴まで開けたのに残念
その後粘土を思いつきました。今考えるとサランラップを1枚間に敷けば(グリスの代わりに使う)上手くいくかも知れません。

 

5.弾頭テーパー穴開け加工
 弾頭の穴開けを工夫し、穴自体にテーパーを付けてみました。理論的には弾に掛かる風圧による中心(風心)と弾頭の重心がズレ、重心が風心より前に行けば、凧のしっぽの原理で弾頭は安定して飛行すると考えられます。

詳細は専用冶具のページに記載していますのでこちらを御覧下さい。
専用冶工具 PART2 (テーパー穴開け冶工具)

テーパー穴開け

テーパー穴開け
加工
早速、試射に行ってきました。成果はBESTで6cm/50m/5発でしたが、今までと違い、安定してこの数値を出せるようになりました。

 

6.薬莢加工機
 薬莢を射撃場で拾ってきてはゴミをとり、リロード用として使用していますが、ロールクランプとして使用するには、スタークランプの折り目がきつ過ぎてそのままでは使用できません。
そのためスタークランプの開いた薬莢の先の方を毎回カットして使っていましたが、常に同じサイズに薬莢をカットする為の専用冶工具を作成したので紹介します。

利点:
@どんな薬莢でも同じ長さにそろえることができる。
Aカットが綺麗に仕上がる。
見た目だけでなく弾室での薬莢の開きを考えると、同一長さにそろえるのは悪いことは何一つない二重◎な加工です。

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薬莢加工機

友人の自作です

これを使用すれば使い古した薬莢を同じ長さにそろえることができます

cut_jigu2.jpg (27973 バイト)

@薬莢を穴から入れ込みスリット部からカッターを差込みます。

A薬莢を手で回転させれば、薬莢の先の部分がカットできます。

cut_jigu3.jpg (27567 バイト)

ボルトの長さを調整することでどの位置でも長さを可変できます。

常に同一の長さの薬莢を作ることができます。
非常に便利な物で、これをつかえば薬莢を全て同じサイズにそろえることが可能になります。

番外編 ワッヅの加工
 今まではWINのWAA12R通称赤ワッヅのみを使用してきましたが、実射後の赤ワッヅの羽を見るとちぎれているのがかなり多く見られます。一般的に考えると、発射後も4枚のワッヅの羽がきちんと付いていれば、変な偏りもなく、弾頭は真っ直ぐに発射されていると思いますが、羽がぶちきれていると言うことは、銃口内で一部の羽が弾頭に上手く当たって無い可能性があります。つまり命中精度を悪くしていると考え厚みの違うワッヅを試して見る事にしました。

現在手持ちでさまざまなワッヅを所持しており、赤ワッヅと異なる厚みの羽を探すと、何種類か有りました。

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羽の厚み

左から

0.55mm
0.60mm
0.65mm
0.70mm
(赤ワッヅ)

サイズはあくまでも目安で絶対値では有りませんが、同一条件で測定しましたので相対比較はできます。赤ワッヅが一番厚くて0.70mmもありました、今回はショットシェル用の厚みの違う3種類のワッヅを試用する事にします。しかし実際にはこんな都合の良いワッヅは当然の事ながら市販されておらず、購入していたワッヅを全て加工したものです。

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真中2つが
オリジナル状態

ピンク&白ともクッション部分のみをカットして使用

替わりに
クッションワッヅ
を間に敷く

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高さも赤ワッヅより
短くできる

つまりロールも
し易くなります

右端はFEDの2piceWAD
*これは加工すればクッションワッヅ不用

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オリジナルワッヅ

サボット専用
加工ワッヅ
今回のワッヅ加工は簡単です、真中のプラクッション部のみをカッターで取り除けば良いだけです。その替わりにクッションワッヅを敷いています。
FEDの2piceWADのみはエアークッションになっていますので、少し加工すればオリジナルワッヅをそのまま使用し全長を短くする事ができます。持ってる人は見れば判りますので、加工方法は省略します。

波及効果として赤ワッヅより少し全長を短くする事も可能です(クッションワッヅの厚み次第・自由に変更)ので今まで短い折り返しのロールしかできませんでしたが、2-3/4薬莢でも市販総弾並の折り返しを持ったロールを作成できそうです。
ワッヅのくの字クッション部の加工に関しても、サボット弾の場合は効果がありそうです。

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