東人の新居浜生活／新居浜見聞録
／ Part 3／1998年の蛍日記
1998年の蛍日記
98年の5月に暑い日が続いた。近所の人の話では、星越の社宅の前を流れる川で蛍を見たとのこと。
また、新聞でも、今治の片垣池周辺でゲンジボタルが例年より２週間早く舞っていることが紹介されていた。
5月26日の夜、娘を連れて蛍を見に行った。確かに居た。
そのうちに、娘が地面を探り始めた。足下に蛍が居たのだった。手で捕まえてそのまま家に持ち帰った。
蛍の飼い方など知る由も無い。適当な箱を見つけ、コップに入れた「西条のうちぬき水」と外から採ってきた草、そして、胡瓜も入れてやった。
家の中でも、蛍は緑色の光を点滅させていた。
娘は、時々蛍を出して、手に乗せて眺めていた。
5月28日
大事な蛍であったが、３日目にして、いなくなった。遊びに来た友達に娘が蛍を見せたらしい。娘は蛍を箱の中に戻したが、その後で友達が箱を開けて蛍を出して無くしたらしい。
残念なことをした。
5月30日
娘を連れて、蛍を見に行った。先日に比べて蛍は少なくなったように感じた。注意してみていると、足下の草むらに蛍がとまっているのを見つけることができた。簡単に手で捕まえられる。
他の昆虫のように危険を感じると即座に逃げるようなことは無い。天敵などに狙われやすい昆虫であり、これが蛍が少なくなった要因の一つかも知れない。
家に戻って、ふと気がつくと、部屋の襖に小さな虫がとまっていた。蛍に形が似ているな、と思い、ひっくり返してみると尻が緑色に光っていた。
先日居なくなった蛍であろう。川に帰してあげることにした。
蛍を連れてまた川まで出かけた。娘には「蛍を放してやろうね」と言って出かけたが、娘は、川で飛んでいる蛍に「ホタルさーん」と話しかけていた。
娘を説得するのには時間がかかったが、家にいた蛍も近くに草にとまらせて自由にさせた。
6月7日
新居浜には、別の所でも蛍が見られるという話を聞き、高柳公園に行ってみた。
高柳公園のことは聞いたことはあったが行く道を知らなかった。近所の人から道を教わり、先ず昼間に出かけた。暗室が設けられていたが、暑いので蛍は外に出ているとのことであった。蛍は木陰の籠の中に入っていた。保存会の人から色々と話を聞き、蛍祭りの最終日とのことで、夜に再度出かけた。
蛍見物に多くの人が来て、出店も出ていた。蛍が舞っているのが見られた。
高柳公園の蛍祭りの時に配られていたパンフレットを基に、ゲンジボタルのページを作成した。
6月16日
娘を連れて近所にホタルを見に行った。だいぶ少なくなっていたが、確認できた。
娘が草むらに停まったホタルを捕まえた。ホタルを持って家に帰ろうとすると、自宅の前の草むらで別のホタルを見つけた。小さいホタルであった。
家の中で暫くホタルを見てから、「ホタルはこれから卵を生むんだよ。帰してやらないと来年はホタルが見られないよ」と言ったら納得して、川に帰してやることにした。
1998年の星越での最終蛍確認日 6月19日
1999年の蛍日記
1998年の冬頃に家の前を流れる蛍のいる川で、工事が始まった。
川の中にショベルカーが入り何か工事をしていた。
後で聞いた話であるが、この工事は川底に石を敷いて、蛍の住み良い環境にするためのものだったらしい。
しかし、川底を掘ったりして、蛍の幼虫が死んでしまうのではないかと心配もしていた。
1999年
5月20日
会社の帰りに、蛍が居るか、川を見に行った。
草の生えている辺りで、淡く光っているものを確認した。
5月21日
娘を連れて、蛍を見に行った。先日見た淡い光に懐中電灯を当てると、ゴミであった。
蛍の姿は確認できなかった。娘もがっかりしていた。
5月22日
再度、娘と蛍を探しに行った。
少し下流側に流れ込む支流をたどっていくと、蛍の姿を確認できた。草の上にとまって光っていた。
今年最初の蛍の確認である。
その後、本流に戻ると、そこでも数は少なかったが蛍を確認できた。
5月29日
この日は、少し寒い日であったが、娘とホタルを探しに行った。
5匹程の光を確認した。
6月5日
ホタルを見に行ったら、数匹のホタルが舞っているのを確認した。
6月8日
前日に大雨が降った後であったが、数匹を確認した。
6月11日
娘に「ホタルを見に行こう」と誘ったが、行きたくないという。
仕方がなく、一人で見に行ったが、一匹も確認できなかった。
確かに今年の星越の蛍は少なくなっている。あの工事のためだろうか。
娘も、今年の蛍は面白くないと感じていて来なかったのだろう。
6月12日
高柳公園でホタル祭りが行われるとのことで、昼間に立ち寄ってみた。
ホタル鑑賞室という暗室が設けられていたが、ホタルは光を発していなかった。ホタルも体内時計を持っていて、暗室に入れただけでは、発光しないのだろうか？。
その日の夜、娘と再度高柳公園に出かけた。
暗室に入れられていたホタルの籠も外に出され、光を放っていた。
高柳泉の辺りでも、多くのホタルが観察できた。
10匹程のホタルが、群を成して飛んでいるのも見られた。このように群になって飛んでいる蛍は、光の点滅の仕方も同期していた。
娘が下の方の草を探り、ホタルを捕まえた。３匹ほど集めて、手の中で光らせていた。
捕まえたホタルをなかなか手放そうとしない。さらに、ホタルを集めたいようだ。
何とか説得して、ホタルを近くの草にとまらせ、帰宅したが、家に着いたのは夜10時近かった。
高柳公園のホタルは、去年に比べても確実に増えていた。それに比べて星越のホタルは、去年より少なくなった。昨年の工事で、川の中に生えていた草が少なくなっている。ホタルは草のある所にとまっていることが多い。
昨年の工事も、ホタルの住み良い川にするためのものだったらしいが、そのためかホタルが減ってしまった。
人間がやたらと手を加えない方が生き物にとって良いのだろうか。
2000年の蛍日記
2000年
5月21日
そろそろ蛍が出ているだろうかと思い、川に見に行ったが確認できなかった。
5月28日
再度、蛍を探して川に出かけると、数匹の蛍が飛んでいたり、草の上にとまっているのが確認できた。
6月4日
娘を連れて蛍を見に行った。
蛍は少なかったが数匹の光を確認した。
飛行している蛍を見かけて川に沿って追いかけた。
蛍は河に沿って飛んでいたが、川から外れた方面にも飛んでいくのを確認した。
娘は自分の近くに蛍が来て欲しいようだったが、蛍は自由気ままに飛んでいた。
蛍を見ていると、近所の人の家族にも出会った。
やはり蛍は珍しいようだ。
6月11日
高柳公園の蛍祭りが６月10〜11日に開催されるという。
6月10日はあいにくに雨であった。
11日の昼間に高柳公園に行ってみた。
蛍の成長の様子の写真が掲示されていて、説明してくれた。
説明してくれた人の話では、今年は蛍が出るのは例年より遅いという。
来週辺りがピークになるのではないかという。
11日は日曜日であり、翌日の学校のために娘を夜遅くに寝かす訳にはいかない。
そこで、その日の晩は、娘を連れて近くの星越の川に蛍を見に行った。いくつかの蛍が草にとまっているのを確認した。
少し下流の方で、一匹の蛍が飛んでいた。
その近くの草に蛍がとまっているのを見つけて、捕まえて娘に見せた。
娘は、「おかあさんに見せたい」といって、家まで持ち帰った。
蛍を母に見せた後、娘は蛍を手放そうとしない。このまま、飼いたいという。
自然に帰してあげようと説得し、また、蛍の居る川まで行った。
近くの草の上に蛍を置いたが、なかなか飛び立たない。
娘は、また手の上に載せていた。
娘は蛍を手放すのがいやだという。
何とか説得し、娘の手の上の蛍が飛び立つのを待った。
しばらくして、蛍が飛び立ち、見失うまで追いかけた。
娘は、自分の手から飛び立ったことで、納得したようだ。
また、来週、蛍を見にいくことで、その日は帰ることにした。
6月18日
蛍祭りは先週に終わっていたが、そろそろ見頃ではないかということで高柳公園まで娘と共に出かけた。
本日は小学校の授業参観日で、明日の月曜日は娘は代休日となり、少し夜更かしができる。
高柳公園では、数人の人が蛍を見ていた。
しかし、数匹の蛍が飛んでいるのを確認できる程度、去年の蛍祭りの時よりは少なくなっていた。
もう、蛍の時期は終わったのだろうか。
娘が飛んでいる蛍を追いかけて、手で捕まえた。
娘の手の中で蛍が光っていた。
しかし、他の蛍はなかなか確認できない。
娘が捕まえた蛍を草の上に放し、帰ることにした。
今年は、あまり多くの蛍を見ることができずに終わってしまったようだ。
6月19日
仕事の帰りに星越の川に行き、蛍を探した。
４〜５匹の蛍の光を確認した。
その後に、蛍を探しに行っても確認できなかった。
2000年の最後の蛍であったようだ。
2001年の蛍日記
2001年
5月27日
余所の蛍の名所では多くの蛍が舞っているというニュースを聞き、近所の川に見に行った。
草の生えている所で５匹ほどの光を確認した。
6月2日
夜になり、蛍を見に外に一人で出た。川の下流の方まで歩いていった。
下流側の方が蛍が多いようにも感じた。
家に戻ろうとすると、家の前に蛍が飛んでいた。しばらく飛んでいたが、近くの草の上にとまった。
家に戻り、家族を連れて蛍を見に行った。
家の前にいた蛍が光っていた。
少し下流に行き、多くの蛍の光を家族で確認した。
今頃が蛍のピークの時期なのだろうか。
新居浜の高柳公園では、6月9〜10日に蛍祭りが開催されるという。
6月9日
多くの蛍が観察され、家族で見に行った。この日が蛍のピークだったようだ。
6月19日に、愛媛地域で大雨が降った。翌日の20日に川を見に行った。
川底に生えていた草はなぎ倒されていた。
蛍も流されたかと思ったが、一カ所で蛍の光を確認した。
それ以降、蛍は観察されなかった。