心の病気の人の心を受け止める事は、普通の人にはとても難しいことです。
その人が、どうして、どのように苦しいのかをあなたが理解する事は困難だとおもいます。
最初は理解する事ができなくても、理解するふりをすることはできます。
それは、相手の言う事を言ったまま相手に返してあげることです。
「死にたい」
と相手が言えば
「そう、死にたいの」
と言えればいいのですが、普通の人にはこれはできません。こう答えると、死にたい相手の気持ちを理解したことになってしまうからです。
私ならせいぜい「死にたいほど苦しいのですね。」程度にしか答えられないと思います。
これなら、「死にたい気持ちまでは理解できないけれど、苦しいという感情はわかります。」
と答えていることになります。
このように極端な例ではなくて、相手の言う事を言ったまま相手に返してあげることは、例えば、「疲れている」と相手が言えば、
「疲れているのね」とこちらから言うだけでなのです。
こう答えられたら、相手はどう思うでしょうか?
少なくとも、自分が相手の気持ちを受け取ってくれていることは相手に伝わります。
それが相手に伝われば、相手のほうも、自分は一人でないことがわかって少しだけ安心するかもしれません。
誰かの話しを、無条件に相手に返してあげることができたら、
それは、相手の気持ちを、無条件に受け入れることができることを示す事です。
さらに、相手の気持ちを
「その疲れている感覚は、もう今はなにも考えることもできなくて、何もやる気が出ないことなのよね。」
と具体的に言ってあげれて、その言葉に対して相手が、
「そんな感じです」
と答えてくれるようになると、あなたとその人との信頼関係はかなり深まっていきます。
そうなると、閉ざしていた心を開いてくれるかもしれません。
さらに、もし、あなたが、「xxxじゃないといけない」とか「yyyをしなさい。」なんてお説教じみたことを一切しなければもっと安心して話してくると思います。
「あなたはzzzなのね」とかの一方的な批判をしなければ、どんなことでも話してくれると思います。
そんな存在にあなたがなれたら、あなたは、その人を無条件に、無批判に受け止めてあげる事ができる人です。
そんな人に受け止めてもらえた人は、ありのままの自分が誰かに受け止められることを実感します。そして、少なくとも死にたいなどとは言わなくなるみたいです。どんな人でも誰かとのつながりがあれば、人は人の中にいることに安心して、誰もいないところへ行こうとはしないものですから。