気合
人の脳は外部の刺激を網様体という器官を通して認知しています。
(網様体については、応急処置の不眠のところにも少しだけ説明しています。)
この網様体は外部の刺激を強調してくれたり、連続する刺激を自動的に弱めたりする音楽を編集するミキサーのような役割をします。
網様体に「外部の刺激をもっと増幅して教えて下さい。」と言う信号を送りつづけることが、すなわち、気合を入れて周囲に注意を向けることらしいです。
この信号を送ることにも、脳内の神経伝達物質が使われることになるので、脳の負荷は大きくなります。
大抵の場合、このようにして情報収集がうまくいくと、「外部の刺激をもっと増幅して教えて下さい。」という命令はキャンセルされて、安定した状態に戻ります。
気にする
しかし、仕事がうまくいかないことを気にしている人は、常に何かしら不安で、自分に何かおこる前兆を事前に知りたがります。このためこの命令をキャンセルすることはありません。
気合が入りっぱなしの状態で、常に生活することになります。
常に周囲に気を使い、自分の身に何かおこるのではないかと注意しつづけて、十分睡眠もとれない状態になります。
そうなると、脳内の神経伝達物質がうまく作られなくなり、脳全体の機能が低下していきます。
この状態では脳内の情報伝達そのものがうまくいかなくなっているので、なにをやってもうまくいきません。
でも、なんとかしたいので、また「気合」を使ってどんどん脳の機能低下を招いてしまいます。