他人に怒られても笑ってられます。
あなたが何か仕事上のミスをしたとしましょう。
そのとき、誰か気に入らない上司などに怒られたとき、どんなにその人が怒っていてもあなたは笑っていることができます。
人が怒るとき何に対して怒るかを知っているとこのことが可能になります。
人が誰かを怒るとき、その人は何を怒っているのでしょうか?
何かミスをやらかした「人」に対して怒っているのでしょうか?
それとも「ミスそのもの」に対して怒ったのでしょうか?
普通の人の答えは「ミスを犯した人」とか、「ミスが起こった状況」になるのでしょうが本当は別のところにあります。
人が泣いたり、怒ったりするときは必ず「ギャップ」があります。この「ギャップ」についてちょっと説明します。
それは、「こいつならこんなミスはしないだろう」と言った「考え」と、発見されたミスと言う「現実」との間にあるギャップです。
誰かを怒っている上司に「この人はこんなミスをするもんだ。」という認識があれば、たとえミスが起こったとしても、何も怒ったりしないのです。
さらに、そのミスが生じたときに、簡単に対処できればひどく怒ったりしないものです。
けれど、怒っている上司には「この人はこんなミスはしないはずだ」と言う勝手な思い込みがあって、それが上司の思った通りになっておらず、さらにその現実をその上司自体がどうすることもできないから、たまたま目の前にいるだれか適当な人に対して、怒っている人自身の不安な感情をぶつけているだけなのです。
上司は誰かに対して怒っているわけではなく、上司の「固定的な考え」と起こってしまった「現実」とのギャップに対処できない自分に対して怒っているのです。
怒っているのは確かにその上司なのですが、怒られているのはミスをしたあなたではありません。しいて言えば、上司自身の認識不足と未熟な対処方法が怒られていることになります。
要するに上司は上司の心の中だけにたまったストレスを処理しようと頑張っているだけなんですね。
これがわかっていると、他人に怒られることが苦になりません。逆に、落ち着いて怒っている上司を眺めることができるようになります。
この怒りに対する唯一の対処方法は「こいつはこんなミスはしないだろう」と言った上司の考えを現実に合わせて「人間だからミスを犯すのも仕方がない」といったふうに修正すれば良いのですが、なかなかそうはいきません。
自分の考え方を変える事ですら難しいのに、人の考えを変える事など至難の技と言えるでしょう。
でも、怒られている私はこのように考えるだけで、気持ちは少し楽になります。
怒っている上司を「こんな詰まらんことにエネルギーを浪費してかわいそう」と思ったり、
「そろそろ気づけよ、私だって人間なんだから間違う事だってあるのよ。」と笑うことだってできます。
さらに、
「さっさと怒るのやめて、これからどうすればいいのか考えないと」などと思えるようになります。
人の自分に対する感情に自分が巻き込まれる必要はありません。
怒りの感情を処理しないといけないのは、怒っている本人なのですから・・。
それと、このことは自分が何かに怒っているときの対処にも応用できます。
あなたが怒っているとき、「自分の認識が間違っていないか」と
「対処方法はないのか」と考えることができれば、早く不愉快な感情から
抜け出せるし、有効な対処が出来るようになれるようになるかもしれません。