勇気、元気、エネルギーとかは、その人が必要としているときには出てきません。あれこれ逃げ回り、疲れ果て、辛い状況に直面しているとき、そんなものは出てこないものです。
「つらいな」「どうにかしてよ」と言いながら、その状況に恐る恐る対応して、 全ての恐怖が去った後に、やっと、勇気や元気が沸いて出てきます。
例えば、子供時代に自転車に乗れて間もないときを思い出してください。
自転車をまたいで最初にペダルを踏むまでは勇気なんてどこにもありません。 ただ「こけるんじゃないか」「うまくとまれないんじゃないか」といった不安だけがあります。
このためらっているときに、「いくじなし」とか「勇気の無い子」なんてなじる親がいたら、蹴りを入れてやればいいのです。 実際いくじはないし、勇気もないのですから・・・。
だけども、自転車に乗りたいと言う気持ち、親や友達の期待、乗らないとどうしようもない状況があると、仕方なく自転車のペダルをこぎはじめます。
このときは期待と不安が入り混じっているだけで、やはり勇気なんてどこにも無いんですね。
だけど、スピードがついて、安定して自転車が走り始めると、安心がじわじわ出てくるものです。
これなら大丈夫といった気持ちが出て初めて「なんとかなりそう」といった予感が顔を見せ始めます。
そして、目的地点に無事たどりついた直後、「もう恐い思いをしなくて自転車を乗らなくても良い」と思った瞬間に、自転車にのれた自分に満足し、「次もおなじようにやれるはずだから頑張ろう」といった「勇気」や「元気」が出てくるのではないでしょうか?
本人が一番必要なときに、どんなにお願いしてもあらわれない。でも、一番いらないときに出てくるのが「勇気」といったものらしいです。
(困ったものですね。)
それが事実なら、勇気が沸くのを待っていて、行動を起さないことは何かまちがっているような気がします。
勇気が沸くのを待たず、変えられるところは変えてみてください。
そうすれば、勇気は後からついてきます。そんな経験が積み重なると、「勇気」は「自信」に変わっていくのではないでしょうか。