心の病気になると、自分が誰からも干渉されずに落ち着いて考え事ができるところがどうしても必要になります。安心を得るためには、自分がひとりでいても安心できる場所がないとうまくいきません。そういう場所を探して下さい。
私が心を落ち着けることができる場所は、自分の家の自分の部屋とある公園のベンチです。
自分の家の自分の部屋には、パソコンがあって、いろいろな本が置いてあって、一人で考え事をするのにはいい場所です。でも、心の病気になっていたとき、家族の誰かがいる居間はあまり居心地のいいところではありませんでした。家族が気を遣っていることがなんとなく伝わってくるからです。そういう思いがあったので、いつでも家族が入ってくる自分の部屋というのもあまり心が落ち着くところではありません。
それで、私は家の外に自分がボーっとできる場所を探しました。近くの公園がすぐ頭に浮かぶのですが、公園は子供が遊ぶところです。子供と一緒でない中年のオヤジが公園に一人いるのは不自然です。近所の公園だと、ご近所の目も意識しないわけにはいきません。駅や病院の待合所もなんとなく人が集まってくるところです。それでもずっといると不自然ですね。町の中には何かをするための場所は沢山あるのですが、何もしないでいい場所というのは案外少ないものだと思いました。社会全体に余裕が無くなってきているのかもしれません。
そうこうするうちに、松山市にあるコミュニティセンタのプールの前にある公園が私のお気に入りの場所になりました。木々はそれなりに生えていますし、市内の割には交通量も少ないので比較的静かです。コミュニティセンタには運動設備があるので、運動に疲れた人がぼんやり過ごしていてもおかしくありません。施設内に図書館もあるので、そこで本を読んでいてもいいし、図書館の外側の屋内には適当な椅子や机があるので、勉強をしていても別に誰にも見咎められることもありません。そこが私の憩える場所になりました。