私のお嫁さんは、とてもかわいいお嫁さんですが、それでも変なところにこだわることがあります。
それは、食事中に突如としておこります。
私が左手を食器に添えて食べていないと、食べている食事を取り上げて、せっかく作った晩御飯を捨ててしまいます。
私は男の兄弟の中で育ったためか、食事中のマナーについてあまりきちんと教わりませんでした。母親も働いていたため箸がきちんと握れて、煮魚をきちんと食べられたらそれでOKです。
それはともかく、私のお嫁さんは女の兄弟の中で育ったためかきちんとマナーをしつけられたらみたいです。
私が左手を食器に添えて食べていないと、食べている食事を取り上げて、せっかく作った晩御飯を捨ててしまいます。
私はそんなマナーは聞いたこともなかったので、
「何でそんなことするん。」
と聞くと
「お行儀がわるいからよ。」
ときつい口調で反論します。
私は「お行儀が悪いと」は思っていないので、ぜんぜん納得できません。「左手を添えてないとお行儀が悪いなんて聞いたこともない。」
と反論すると、
「私の家ではそんなことはなかった。」
と妻は言い返し、
「私の家ではそんなこと気にせず、ご飯を食べていた。それに私がどう食べようと君にはあんまり関係ないじゃん。私は晩御飯がたべたかったのにそれを取り上げててしまうことないでしょ。どうして苦労して作ったご飯をそんなに簡単に捨てられるのよ。」
と私。
「あなたも子供の親になったんだから、それのお手本になるようにしてほしいの。子供がお行儀悪く育ったらどうするの?」
「それは子供が両方の親を見て決めることだろ。子供がお母さんの方がかっこいいと思えばそうすればいいし、 手の位置なんかどうでもいいと思えば私のように育つと思うよ。どうして、子供が決めることを君が決めるの。それに私の晩御飯はどうなるのよ。」
どこの家にでもありそうな夫婦喧嘩ですね。
でも、やっている本人にしてみれば真剣です。
妻の意見はあえて書きませんが、私のそのときの気持ちは、お行儀が悪い私を否定せずに受け入れて欲しかったのだと思います。お行儀が悪いことを指摘された時、自分の全てが否定されているような気がしました。
私は左手をださなくてもいい環境に27年も育ってきたのです。なんで今更それを変える必要があるのでしょう。
そう思いながらも、やはり晩御飯は食べたいので、しぶしぶ左手を添えて食べることにしました。
でも、習慣とは恐ろしいもので、時々それを忘れるときがあります。そういうことがたびたび続くと、妻の方でもだんだん切れるようになってとうとうあるとき、お皿が飛んできました。