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仏教

目覚めた人

 仏教は今をさること2500年前インド地方に、サーキャ族の王子ゴータマ・シッタールタが教えた教えです。その人は人生について苦悩した果てに何かを悟ったようなので、その人のことを「目覚めた人」=「ブッダ」と呼ぶようになったそうです。

出生
 ゴータマ・シッタールタがお母さんのマーヤー夫人から生まれたとき、七歩あるいて「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。でも、普通の子供が生まれていきなりそんなことを言うものでしょうか?私にはとても信じられません。
 ブッダの教えが文字に刻まれたのは、紀元1世紀頃だと言われています。ブッダが生まれてから500年近くは口伝で伝えられています。さすがに500年も年月がたつと後世の人の願望などがいろいろな形になって現れてくるみたいですね。
 ですが、この「天上天下唯我独尊」と言う言葉は後で出てくる「諸法無我」なんて概念とは真っ向から対立しそうな言葉なのですが、私は個人的に好きです。この言葉を以下のように解釈したときに良い言葉だなあと思います。
「誰かが世の中を知るためには、自分を通してしか物事を見極めることはできません。自分が物事を見、解釈し、何かを考え、行動してるだけなのです。世の中はあくまで自分が構築した見方や考え方に偏っているかもしれません。そのような一つしかない自分を大事にしなさい。」
「世の中に自分しかいないから何をしてもいいんだ。」なんて解釈もできるかもしれませんがそう思う人は、世間にいる他人からひどい目に会うかも知れませんね。

母性
 それはさておき、生みの親であるマーヤー婦人は出産の後すぐに死んでしまいます。当時の王子がどのような育てられ方をしたのかは詳しくはわかりません。当時の習慣として母親が直接育児に関わることはなかったかもしれません。ですが、自分の母親がいないことがゴータマ・シッタールタが母性的なもの「心のやすらぎ」を求めつづける心の動機に深く関与していると私は考えます。自分の母親がいると、「母親とはこんなものだ」、「母性とはこんなものかなあ」と言った認識が誰でも自然に育つのですが、本当の母親がいないと「本当の母親とは母性とは何か」を多かれ少なかれ求めるものだと思えるからです。ここのところは現代のアダルトチルドレンと同じような心の持ち方なのかも知れません。アダルトチルドレンが抱えている自分に対する漠然とした不安を当時のゴータマ・シッタールタが持っていたような気がします。だから後々、王子としての自分、夫としての自分、父親としての自分、人としての自分、生き物としての自分を見つめなおすために出家したのかもしれません。
出家
 そんな事情があったからかどうかはわかりませんが、結婚もし、子供も出来たゴータマ・シッタールタは自分の住んでいた城を出て出家して修行します。最初は師匠について瞑想の修行をしたようですが、その修行にあきたらず、さらに苦行に励む事になります。相当ハードな修行だったようですが苦行によってもやはり心の安心は得られませんでした。

仏教との出会い
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