普通に生活している状態では様々なひとから、様々なストロークをもらうことができます。
しかし、いろいろな事情でストロークがもらえない状態になると、ストロークを求めて行動するようになります。
例えば、子供がお母さんと一緒に買い物をしにスーパにやってきたとします。
最初のうちはお母さんと一緒にお買い物をしていたのですが、そのうち、お母さんが近所の奥さんと立ち話をはじめました。
そうすると、子供のほうは面白くありません。
最初は店のものを見て気分を紛らわせていたのですが、そのうち我慢できなくなってきます。
「お母さん」と呼んでも返事をしてくれないので、手を引っ張ったりします。
とうとうお母さんに叱られるのがわかっているのに、お母さんの手をつねったりしてしまいます。
肯定的なストロークをもらえればいいのですが、その肯定的なストロークがもらえないと、否定的なストロークを求めて行動します。
ストロークを全くもらえない状態よりも、否定的なストロークをもらっているほうがまだましの状態なのです。
お買い物に来ていた子供もこのことがいえます。
最初子供はお母さんと一緒にお買い物をするというお母さんのストロークを独占できる状態にいました。
ところが、お母さんが近所の奥さんと話し始めると、ストロークを独占できる状態から、ストロークをもらえない状態になってしまいます。
しばらくは、今までもらっていたストロークのおかげで静かにしていられます。
しかし、自分の中のストロークの貯金を使い果たすとじっとしていることは耐えられない状態なのです。
こうなると、お母さんのストロークを求めて行動を起こします。
最初は紳士的に「お母さん」と声をかけます。
それでもお母さんのストロークが得られないことがわかると、否定的なストロークしか得られない強行手段に出ます。
そうすると、お母さんの肯定的なストロークはもらえないものの、どうにか、お母さんからストロークを得ることができます。
外に見える状態 | ストロークに関する状態 |
子供がお母さんと一緒に買い物をしにスーパにやってきた。 | お母さんのストロークをいつでも得られる状態。 |
お母さんが近所の奥さんと話し始める。 | お母さんのストロークが得られない状態。 |
しばらくは静かにしていられる。 | 自分の中にあるストロークを消費している状態。 |
「お母さん」と声をかける。 | 自分の中にあるストロークを使い果たしてストロークが足りなくなった状態。 |
お母さんは振り向いてくれない。 | 自分の中にあるストロークを使い果たしていることに耐えられない状態。しかし、じっとしてはいられない。 |
お母さんの手をつねる。 | お母さんに否定的なストロークしか得られないことがわかっていながら、否定的なストロークをもらう手順を実行している状態。 |
その後、お母さんに叱られる。 | 否定的なストロークを得ても、お母さんに振り向いてもらったことに安心している状態。 |
幼いころ、ストロークを与えらずに育てられた子供は、言葉や運動能力、身長や体重などの身体的な成長までも止まってしまいます。 これは、母親が母親らしい働きかけをせずに育てられたスーザンのケースがよく知られています。 私もスーザンの記録ビデオを見たのですが、その子供の表情がまるで人形のように無表情だったのがとても印象的でした。