意識できるもののなかには、はっきり言葉にできるものと、なんとなくもやもやと感じるだけのものがあります。後者をフェルトセンスと呼び、そのフェルトセンスに焦点を当てて問題行動を解釈していこうとするアプローチをフォーカシングといいます。
私は職業がら肩こり持ちです。いろいろな工夫をして肩こりをなんとか無くそうと頑張っていたのですがなかなか効果は上がりません。(冷え性は自律神経訓練法で良くなったのですが)
それで、ダメ元で肩こりに意識を向けることにしました。肩こりにもそれを起こす心の働きがあるはずでそれが私の為に何かを知らせようとしているはずだ。といった感じで意識を向けて見ました。でも、肩こりは何も答えてくれません。ただ岩のように肩をかたくしているだけなのです。仕方なくしばらく肩こりに意識を向けることは止めていました。
しばらくして、私は風邪にかかってしまいました。体の節々が痛くて仕方がありません。痛くてたまらないのです。熱にうなされながら、昔水泳をやっていたときに、指導してくれた先生の一言を思い出しました。
「腹痛なんぞ泳げば治る」そう言われた時は確かお腹がいたくて病院に行った後、水泳の練習を休ませてもらいたくてお願いにいったことだったのですが、なぜか風邪をひいたときそのことが思い出されました。
本当に不思議にコリを全く感じないのです。そしてどうして水に入ってしばらくしたほんのわずかの間に肩こりが無くなったのか自分の内部に語りかけて見たのです。そうするとなんとなく「動かしてもらってありがたい」といった声を聞いたような気がしたのです。
そこまできて私ははっきり意識しました。肩こりは私に「体を使って下さい」と言いたかったのだと・・・。
仕事で端末に向っている時も病気の時も肩を動かすことはほとんどありません。ずっと同じ姿勢でそのままでいることが多いのです。
今この文章を書いている間にも肩こりを感じます。体の方はそろそろ動かしてもらいたがっているようですね。