体と心はとても密接につながりあっています
自分の体調が悪いとき、例えば風邪をひいているときは、気分は落ち込んでしまいます。うつ度を測れればいいほうで、そんな気力もわかないことがよくあります。
逆に体調がいいと心も晴れ晴れ良い気持ちになれますね。
体から心へ影響を及ぼすこともあるし、「病は気から」というふうに心から体に影響を及ぼすこともよくあります。
ただ、体から心への影響は良い悪いは別にして誰でも容易に受け止めるのに比べて、心から体への影響、特に悪い影響については誰もが否定的に受け止めてしまいます。
ぐずぐずしている人に「そんな弱気でどうするの」と言いたくなるのは、自分の気分を自分で操作できると勘違いしているからかも知れません。
あたりまえのことですが心と体は密接な関係を持っています。体が疲れ切っているのに気分よく動き回れば体は壊れてしまいますね。
それに体は思ったより心の言うことをうまく聞いてはくれません。心臓なんて心拍数を上げようと心の中でどんなに思っても激しい運動をしないと上がってくれないし、落ち着こうとしても一旦ドキドキしはじめると容易に鎮めることはできません。もっと扱いにくいのは内臓です。胃や腸や肝臓の動きを頭で制御することは困難です。腸は食べ物がそこを通ると脳から何の指示もなく腸だけで独立して動く器官らしいです。
人が自分の意思で制御できるのは腕や足を動かす筋肉と呼吸だけです。
肺は人が自分の意思で制御できる唯一の内臓ですね。
体の方から気分を制御しようとすると、呼吸を変えるか、筋肉の緊張状態を変えるかどちらかになります。
緊張したとき深呼吸すれば気分はかなり落ち着きます。
顎の筋肉を緩めると、同時にこめかみあたりの筋肉も緩み、脳はその筋肉の緊張がとれた信号を受け取って全身の緊張状態を解除します。
怒ったり、緊張したりして、不都合を感じるときは、心をなんとかするよりも体のほうをごまかしてあげる方法をとるとうまくいく場合があります。
さらに、自律神経訓練法(近頃では自律訓練法とも呼ばれているらしい)を使うと、自分の意思で手足の血行をある程度コントロールすることができます。
私はとてもひどい冷え性で冬は足が冷たくて眠れないなんてことがありました。どうもふくらはぎあたりの血行が良くないらしいので、自律神経訓練法を試して寒さで眠れなくなるということはなくなりました。足先から熱を発散しないと人は眠たくなくならないらしいのです。よく小さなお子さんをお持ちのお母さんが、子供の足先を触ってあったかいと、「おや、もうお眠ね。」なんていうことを言いますね。
この自律神経訓練法は不眠にも効果があることが知られています。NASAでも、宇宙飛行のとき仮眠を取る方法としてすすめているみたいです。