悩みと共に(抑うつ 神経症 気分変調 うつ病 摂食障害)

他人がわかる

ところが他人の気持ちは私からは直接見えません。必ず自分の五感を通ってきたものしか受け取ることはできません。 逆に相手に自分のことを伝えようと思うと相手の五感に訴えないといけません。 この表現の仕方がお互いにずれているとお互いのことを理解することは困難になります。 言葉が通じない外国人の人の気持ち理解するのは大変なことです。ボディランゲージも生活習慣の違う人では違います。

元を正すと

ただ、人という種は400万年前にアフリカの地溝帯で発生し、定住と移動を繰り返してきて地球上に広がった動物です。 南アメリカの南端にいる原住民の方が自力で一番遠くまで遠征した人類ということになります。 もちろんその人たちは日本を通過して南アフリカまで行ったようで、 縄文式土器と同じような紋様の土器が南アメリカでみつかるそうです。 ですから動物としての言葉はほとんど一緒です。

欲求や感情なら

怒っているとか悲しんでいるとかそんな感情は生まれた国が違ってもわかるし、 素敵な音楽は歌詞が理解できなくてもやはり素敵な音楽に聞こえるみたいです。 だからハリウッドで作った映画でも日本人が共感できるわけですね。 考えていることはわからなくても、気持ちの部分はその人がどのような育ち方をした かにかかわらずわかる能力を人は生まれながらに持っているような気がします。
飛行機を乗っ取ってビルにぶつけるイスラム原理主義者の「考え」はわからなくても、 死に直面する人の「気持ち」は「とても怖かっただろうな」などとある程度理解できると思います。

どのくらいわかるのか

よほど親しい人同士の関係でもその人の30%程度しか他人はわかっていないと言われます。 また、カウンセリングでも相手のことの5%程度しか理解できないと言われています。 お仕事などで付き合う場合は、相手のことを1%程度しか知らなくてもそれなりの付き合いができると思います。 ですから、相手が知っている自分とは、自分が思っている自分のほんのわずかな部分でしかありません。 逆に考えると人のことを理解するにはその人のほんのわずかな部分を理解すれば十分であるとも言えるかもしれません。 ほんの数％が理解できたら立派なお友達です。 そのたった僅かのつながりさえできれば豊かな人間関係が築けていると言えないこともありません。
「俺はあいつのことはわからない」と言っている人は、「わからない」のではなくて「わかろうとしていない」のかも知れません。 地球の裏側にいる人の気持ちをなんとなく理解できる能力を持っている人が、隣にいる人の気持ちを察することができないはずはないと思います。 それも僅か数%理解すれば仲良くなれるのに、それをしないということは、自分から相手を拒否していることになりますね。 相手のことを拒否しないといけない何かがその人の中にあるのかもしれません。