それ以来、仕事上のミスが目立ちはじめ、簡単なことを判断するのにとても時間がかかり始めました。
私はグループの中では実務経験は一番長い筈なのですが、新たに入ってきた人たちの暗黙のルールみたいなものにうまくなじめず、だんだん自分のすることに自信がなくなってきました。
自分が昔ならあまり深く考えることなしにやってきた仕事をこのグループではどのようにしているのだろうか?と疑い始めたのがいけなかったのかもしれません。
そのうち勤務時間の計算みたいな単純な計算をするのも億劫になり、時間ががかかるようになりました。さらに、追い討ちをかけるように新入社員のしている仕事よりも遅いし誤りも多いことがわかってかなりのショックを受けました。
そうなると、仕事をしている仲間にもいろいろな面で迷惑をかけるようなり、そうなるのがいやで、きちんと仕事をしようとは思うのですが、そう思えば思うほど、まわりの視線が気になったりして、ミスを繰り返してしまいます。
「みんなが私を見ている。」「また、失敗しちゃうんじゃないか?」などと思っているうちにどんどん失敗を繰り返していきます。
「そんなことやてるから、間違えるんじゃないですか」と若いメンバーから非難されることがあってとても嫌な思いをしました。
当時、優しい気持ちだけはあったつもりなのですが、私の不注意から、レビューの時間が変更になったことをうまく伝えられなくて、風邪を引いているメンバーに「そのとき教えてもらえたら、昼間に病院に行けたのに」と言われたことも、りしてどんどん自信を失っていきました。
仕事も十分できない、気配りもなにもない自分を自分で意識できるだけに、会社に行くことが苦痛になりました。心の中では、「なんでこうなるんだ」と叫んでいたのですが、誰もその「何で」には答えてくれませんでした。