悩みと共に(抑うつ 神経症 気分変調 うつ病 摂食障害)

すんだひとみ
澄んだ眸
clear aspect

eva

 そうするうちにふと映画館でみた「新世紀エヴァンゲリオン」がものすごく気になりました。

 私の住んでいる地方では生憎テレビの放送はされなかったので、内容が良くわかっていませんでした。(映画はお話がこまぎれ状態なのでうまく理解できませんでした。)それで、レンタルビデオと、深夜の再放送を録画して見ました。

 登場してくる子供たち「碇 シンジ」や「綾波 レイ」「アスカ」などの心理状態が「神経症」とも「うつ病」とも「分裂症」や「精神薄弱」ともどこか違う何かを感じてはいたのですが、はっきりした実感がつかめずにいたのです。ただ、自分の居場所を求めて苦悩するシンジに共感していたことは確かです。

 その後「アダルトチルドレン」という人たちがいる事を知ってから、シンジたちの心理状態が良く理解できるようになりました。

 彼らは親から見はなされた存在であること、一様に自分が自分である事に不安を抱いていることなどの共通点を持っています。

 そしてそんな彼らが存在価値を認められるのは「使徒」と言うわけのわからないものに、これもまたわけのわからない「エヴァンゲリオン」という巨大人造人間に乗って戦って勝つ事なのです。その使徒とは私たちの現実の世界では「仕事」であったり「つきあいたくない嫌なやつ」だったりするわけです。どちらも、「こちらの都合は考えずに何処からともなく突然現れてめちゃくちゃなことをしてくれます。」

映像表現の巧みさ

 私たちはそんなストレスに立ち向かって勝たなければなりません。

 使徒やエヴァンゲリオンが自分を守るために使うATフィールド(バリア見たいのもの)が自分と他人を分ける心の壁の象徴であったり、ATフィールドで守られているコア(自我)が危機に瀕すると暴走したりするとこなんか、人間の心の壁と人に障られたくない自我の関係を映像的な手法を駆使してうまくあらわせていて、凄いなと思ってしまいました。

 さらに、TV版の物語の最後ではそんな強迫的な事(エヴァンゲリオンの操縦)をしなくても、「自分が自分であることを素直に認めて生きる事に価値があるんだ。」

 といった終わり方をしていました。これは、アダルトチルドレンの癒し方をうまく暗示させる良いTV番組だったと私は納得しています。(こんなことを感じるのは私だけかもしれません。)

 劇場版のエヴァンゲリオンはそれなりに楽しめましたが、心理劇としてはTV版のほうが私は好きです。ただ、エヴァンゲリオンという幻想からさっさと覚めて現実の生活に戻りなさいという製作者の意図が少し感じられて、私は嬉しかったりもしますが。「夢は現実の続き、現実は夢の終わり」でしたっけ。

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